大島では随分前から乳牛を飼っていたのでお土産として牛乳を使った製品が作られてきた、その代表選手が「牛乳煎餅」。昨日資料館を閉めてから知人の家を訪ねたら、仕事が休みの日でちょうどせんべいを焼いていた。火はガスだが1枚ずつで順繰りに12枚が焼けるように型が並んでいる、型を順にひっくり返しながら段々右に移動して行き、一番右にくれば焼ける、煎餅を取り出し、その型にまた溶いた材料を入れて一番左の置き、またコロコロひっくり返しながら右端まで来ると出来あがり、説明が下手だけどちょっと話しているうちに12枚が焼け、お土産に貰った。あったかくて香ばしくあまり固くもなくうまい。
子供の頃、我が家の北側3軒目に「牛乳煎餅を焼く店」があった、その頃は今のように何でも買えず、少しの小遣いで「せんべいの耳」型からはみ出したものをカットしたクズ(写真の四角の外側の出っ張り)を買ってよく食べた。あの頃は風向きによって船の着く港を予測できた、父が元町港で土産の店舗を持っていたので、まだ寝床にいるうちにせんべいを焼く匂いがすれば今日は元町港、匂いがしなければ岡田港と判断ができた、北風が吹くとその風に乗ってせんべいの匂いが我が家に届いたのだ、北風だと元町に船が入った、道も狭かったしいろんな匂いがしない時代ですぐに分った。せんべいを焼くおじさんは、体を左右に動かしながら一連の流れの中で同じ動作を繰返していた、炭で焼いていたように覚えてイル。朝早くから冬でも汗をかきながら焼いている姿がダブって見えた。せんべい1枚をスキャナーでとってから今食べた、冷めた分固くしまって歯ごたえがあって焼き立てより香ばしく感じた。いい材料を使っているから商品として出すのは難しいという、「何でも体験」のメニューにしたらきっと喜ばれると思う、四枚を焼くセットも出来ていた。材料は大島牛乳、大島バターに小麦と砂糖。