門井掬水画伯の大島を描いた作品 その1
なぜ美術に素人の私がこの画家について、ここで発信するかというと、門井画伯は昭和12年に伊豆大島に来島されて、大島を題材とされた作品を残されています、その作品がこんど展覧会に出品され、カタログにも紹介されていることを知ったからです。展覧会の会期は2024.5,25から6.30まで特別展 「清方と二人の弟子 門井掬水(きくすい)・西田青坡(せいは)」 は、鎌倉市鏑木清方記念美術館で行われます。鏑木清方(かぶらぎきよかた)は近代日本画・美人画の巨匠です。画家のもとには、画風や人柄に惹かれて多くの入門希望者が集まり、一時期は弟子が50余人にものぼり、なかでも門井・西田の両画伯は生涯を通じ清方のもっとも近くで師風を学んだ日本画家です。門井掬水画伯(1886-1976)は小学生の時に入門して一番弟子になったそうです。今回は清方作品のほかにお二人の作品を紹介し、二人の弟子への美の伝承たどりる展覧会です。カタログには、大島を描いた「椿の島」が載っています。島の娘(あんこさん)が二人、杵を持って臼に入っているアワかひえの実を突いて、モミガラと分けている場面だと思います。杵に小さな実がついています。よく見ると足元にある曲がった太い木と黒い木枠の代物は、何か油でも、例えば椿油を締め木で押して搾る道具なのかもしれません。横板が黒ずんでいて、搾った液を受け止める桶が描かれていると思います。私は描かれた絵そのものもですが、島娘が昭和12年に何をしている場面なのか、そういうことに興味があります。門井画伯は昭和12年1月に郷土会一行で「島巡遊絵画展覧会」(東京で予定されている展覧会)の画題を求めて大島にやって来ています。その時の写真をある画家のご家族から前に提供していただきました。写真には伊東深水・川瀬巴水・笠松紫浪・山田喜作・横尾芳月・山川秀峰・武藤嘉門・門井掬水・岩田専太郎・志村立美ら一門の画家が写っています。大島観光ホテルの記念写真には「大島を代表するあんこ娘」が花を添えています。私が持っている作品のコピー杵に白い粒粒が四角い箱に物を入れて押して搾るような道具に見えます