手前味噌☆漫画の制作過程その1漫画が一作出来上がるまでの過程を綴ってみようかと思います。ここでご説明申し上げるのは、いわゆる『ストーリー漫画』にて、4コマ漫画の制作過程は、また少々違うもの…とご認識いただけますれば幸いでございます。 (『仕事としての4コマ漫画』を請け負ったことの無い身、実はよく判らない…というのが、正直なところであります☆) まずは…。 好きなものが、好きに描ける同人誌と違って、一般に書店等で販売されている雑誌…商業誌に掲載される作品は、出版社…編集者の管理(というと少しニュアンスが違う気がしますが)の元に制作されます。 漫画を好きでご覧の方々様なれば、「編集サンと打ち合わせをしながら作るらしい」とご認識かと思われまするが、ひょっとしたら未だに「漫画家が好き勝手に描いたものが載っているに違いない」…と、お思いの方もおられるのやも知れませぬ…。 商業誌に載る漫画作品は、『作品』ではありつつも、読者さまからお金を頂戴してご覧いただく『商品』でもあります訳で、そこはそれ、お金を頂戴するに値する、お目にかけて失礼の無き『商品』たらんとすることは、当然と申さば当然のことなのでございます。 (などと言い切りつつ、己が作品を、慌てて高い棚の上に上げまくってるナタ55) で、「編集サンに『プロット』をご覧いただく」…という、まずはプレゼンめいた段階があるのですが、その辺りから、ご説明申し上げたく存じます。 ☆☆プロット提示☆☆ 漫画における『プロット』という用語は、ストーリーの大まかな『あらすじ』の事を指します。 厳密には、あらすじというのには別の専門用語があるようですが、まぁ、その辺りは軽く流させていただいて…。 ぶっちゃけ、漫画家の脳内にのみ存在している妄想…あわわ、これから描かれる漫画作品の雰囲気を、担当編集者に伝達するための、企画書のようなものでございます。 このプロットというものの書き方、それこそ、作家によってかなりの相違があるもの…と思いまするが…。 そうそう、こたびの『漫画制作過程のご説明』、読み切りストーリー漫画の、基本的ページ数とも申せる『32ページ』作品…という事を念頭に、進めさせていだこうと思っております。 ちなみに、この『32ページ』という数、多くの漫画賞においての、ストーリー作品・規定ページ数ともなっております。 これで一作、起承転結をきちっとまとめられれば、その前後、多少のページ増減や、長編も描けるだろう…という基準になるページ量かと思われます。 その32ページの読みきり作品のための『プロット』…。 先程、作家によって書式自体にかなりの相違が…と書きましたが、大まかな話の流れを、ほんに『あらすじ風』に書いた場合…。 かく申します私めの場合ではあるのですが、だいたいB5判レポート用紙1枚ぶんくらい…大学ノートの見開きぶん片側…という量となります。 この量、実は、デビュー前の持ち込み時代に、編集様からご教示いただいた量なのであります。 この量の文に、登場人物のキャラ表を添付して、パッと見の雰囲気といたしましては、開いた大学ノートの片側にプロット文、片側にキャラ表…という感じとなります。 持ち込み時代は、これで『3作品ぶん、毎週』プロット持ち込むのが、デビューを目指す者のスタンダードな行動…と言われ、当初、仰天したものでござりました…。(遠い目) (↑デビューまでの道のり…ってな苦労話?は、またいずれ…) もはや時効ゆえ(たぶん時効)書いてしまいまするが、ノート片側くらいの量にまとめなされ…というのは、「それ以上長くなると、読んでる方が眠くなるから☆」との、編集様のお言葉だったのでありました…。 ゆえに、上記のようなご経験がお有りでない作家さんの場合、プロット段階で、ほぼ全編の、登場人物のセリフを書き出されておいでだったり、もっと申さば、あたかも「これってもう、一作の『短編小説』…」というほどの、詳細描写アリのプロットをお書きのかたもおいでな訳でございます。 さてさて。 そのプロットやキャラ表を元に、編集サンは、「これをこの作家が漫画にしたら、どういう風に仕上がるのだろう…」と、想像しながら、次の段階『ネーム(絵コンテ)』に入らせて良いものかどうか、吟味なさる訳であります。 そうそう、「プロットでなく、いきなりネームにして見せてはダメですか」という声も、新人に限らず、時折あるそうなのですが…。 よほどのベテランでない限り…よほどの毎度ギリギリスケジュールな連載作家でない限り、やはりプロットのやりとりは、編集サンにとって、必須でありたい過程のようで…。 ネーム(絵コンテ)段階のご説明の折に、その雰囲気をお判りいただけるかと思われるのですが、ネームにまでしてしまっての、その段階での、構成そのものの変更等の大直しは、作家にとってもかなりな労力。 プロット段階で、ストーリーの大まかな枠組みを、作家・編集双方で、きちんと把握・認識しておくのは、大事なことかと思われます。 「『文章』で人に伝えられるものなら、わざわざ『漫画』にはしない」(ゆえに、プロットは書きたくないぞよ☆)と仰せになられた、剛の漫画家さんもおられたようでありますが…。 プロット書きという行為自体が、けっこう好きな私めにとりましては、己が画力を省みず妄想を開陳できる段階でもあり、ツボ過程その1…という感じなのであります☆ ☆☆プロット添付のキャラ表 ☆☆ 前段で、プロットの書き方は作家それぞれに違いが…などと書きましたが、プロットに添付の『キャラ表』も千差万別の様相なのでは…と思われます。 洗濯物を干しつつ…。 そういえば、こないだ「桃山灰神楽」のキャラ表を久々見て、「わ~~!灰笹クン、別人…☆」などと、赤面いたしましったっけ…などと思い出し…。 赤面モノだけに、Upはやめておこうかとも思いましたが、恥など既に、数多かきまくりの身 …と申します訳で、ここは一番、キャラ表の現物をご覧いただいちゃいましょう…との運びであります。 …フッ…。 (照れ苦笑いしながら、目を泳がしまくっております現在) 明石、本編より『美形キャラぶってる』じゃん☆ タイトルが『仮題』だったり、(やっぱり豪姫は出ないです)などと、打ち合わせ時の大言壮語?を訂正していたりする文が興味深いですな☆☆ あと、秀家の姉上に『小笛』なんて名前付けてたんだ~~なんてな、本人がすっかり忘れていた設定にも遭遇。 などと、照れ妄言は脇に置いておきまして…。 キャラ表としては私め、たぶん、モノスッゴクいい加減に描いている部類に入ると思われます。 アニメの設定資料のように、登場人物全員の立ち姿をきちんと描いて、身長差なども一目瞭然になるようにしておいでの方や、名前と年齢、簡単な性格設定だけではなくて、『星座』や『血液型』など、女子の必須興味事項をも細かく設定して、余さずご記載の方も…♪ この、キャラ設定をどこまで詰めておくか…ということも、作品の行方を左右する大事なところではあるのですが、それも、作家によってかなりな相違がありましょう。 どこまで…という辺りでは、脚本ノウハウ本のどれかで、「その登場人物が、(作中の活躍年代より)10年前にはどういう状況で(何を考えて、何をしていたか)」「10年後にはどういう状況にあるか」まで、考えておくヨロシ…といったような事が書かれていた記憶がありまするが…。 短編作品では、そこまでは詰めないよな~、自分…などと思う私ではあるのですが、このところのように、歴史上実在する人物をキャラとさせていただく場合、その点は見え過ぎてしまっている訳で…。 とは申せ、上記キャラ表の「桃山灰神楽」、かの主従に十余年後訪れる『怒涛の事態』など、何となく忘れて描いちゃっていた私めだったのでありました☆ (設定、詰められてても、ダメじゃん!!) おっと。余談ばかりの駄文となってしまひましたな…。(平伏~~) |