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物欲☆あんず雨

物欲☆あんず雨

第3回『終わりなき入札』

リアルタイム視聴時は、第1話の衝撃度に比べて、ややトーンダウンしたかのように思えていたサンデートイズ編。が、今回改めて鑑賞し直しまして、鷲津さんの過去や変貌の理由が、随所随所で効果的に明かされて行く構成に、ただもう驚嘆するばかりでござりました。
「ハゲタカ」バンザイ語りは、あとでまたさせていただくといたしまして、ネタバレへっぽこレヴュー、こたびも長文御免で行かせていただきます…。

第3回『終わりなき入札』

ホライズンの計画を出し抜いた芝野健夫の画策により、現社長・大河内瑞恵は解任、その息子・伸彰が新社長に据えられ、サンデートイズは企業再生への第一歩を踏み出す。
まずは裁判所に民事再生の手続きを行い、弁護士・遠山が再生に関する手続き等、取り仕切る事となる。

再生のためのスポンサーとして名乗りをあげているアイアン・オックス社は、三葉銀行系列のファンド。
サンデー買収に向けて着々と動いて来たホライズンとしては、引き下がるわけには行かない。
『最大債権者』という権利を行使し、あくまで対抗すると宣言するホライズン代表・鷲津政彦。

ホライズンのほうがスポンサーとしてふさわしい事を主張すべく、急遽、記者会見を開く鷲津。
会見場には、東洋TVの記者として三島由香の姿も。
ホライズンに否定的な質問が殺到するなか、ズバリ拝金主義では?と突っ込む質問に、「お金を稼ぐ事が、いけない事でしょうか?」と、開き直り発言で返す鷲津。
自分たちが行おうとしているのは、正統なルールに則った企業再生。多額の報酬も、それによって得られる正統な利益。資本主義の日本で、そこに何か問題があるのか、と鷲津は(かなりキレぎみに)言い放つ。(傍らでハラハラしているアランが可愛いっス♪)

記者会見を開いた事で、逆に世間での印象を悪くしてしまったホライズン。
(『しまった、マスコミ向きじゃなかったな~~俺…』と反省したらしい)鷲津は、マスコミを使って巧みに世間の同情を買おうとしている、サンデー前社長・瑞恵の姿をTVで見て、彼女を利用しようと思い立つ。
瑞恵が隠れ住むホテルへ向かい、「もう一度、社長に戻る気はないか?」というエサで釣る鷲津。

ホライズンと組んだ瑞恵、三葉&アイアンオックスと伸彰、どちらの再建案も甲乙付け難い状況。
弁護士・遠山は、サンデーのスポンサーを『サドンデス方式の入札』で決定することを、双方に申し渡す。

入札に向けて、それぞれに作戦を練る両陣営。
再生後の利益を考慮に入れて、スポンサーとして出せる額の上限をはじき出す双方。その額、どちらも190億。

連日の算定作業に疲れたらしい姿の鷲津が、ふらりと社外へ出る姿を目撃した由香は、彼を尾行。
隠れ家のようなバーで、ピアノを爪弾いている鷲津。いつもの、『ビシッと決めた背広姿に、勝負メガネ』ではない、7年前を彷佛とさせるかのような、ワイシャツ開衿姿。

ようやく、鷲津と話す機会を得た由香は、拝金主義で通している鷲津の本音を聞き出そうとする。
多くを語りたがらない鷲津に、父・三島健一の話を持ち出す由香。
彼女は、生前の父が、悪いのは貸し渋りを命じた銀行で、鷲津は悪くない…と言っていた事を伝える。(それを聞いてたなら、『帰れ!人殺し!!』とまで言わないのでは??)
父の信頼を裏切らないで…と、言いおいてバーを出る由香。

その足で由香は、工事現場で働く西野治の元を訪ねる。(前回の、芝野さんと同じ順序ですな)
ITソフト会社を興したいから、食事も切りつめて貯金しているという治。
旅館を奪い、結果的に治の父を死に追いやった鷲津のことを、憎んでいないのか?と問う由香に、むしろ感謝していると返す治。平穏無事であれば、その一生を片田舎の旅館で送る事になったであろう治。虚勢でなく、波瀾の直中にある今の状況を楽しんでいるかのようなフシも…。

瑞恵が滞在しているホテル。サンデートイズ社製の、丸い穴の空いた木枠のような古い玩具を手に取り、眺めている鷲津。モノクロの写真を、複雑な表情で見つめている瑞恵。屈託なく、口を丸く開けて、母と共に写真に収まる幼い日の伸彰。その写真を伏せ、鷲津に、入札での勝算度合いを尋ねる瑞恵。
五分五分と答える鷲津に、瑞恵はある書類を差し出す。それは、息子・伸彰が、常務・百瀬と結託して行っていた横領の証拠。当然、三葉銀行も周知の不正。
息子を売ってまで、社長に返り咲くことを強く望む瑞恵…。

そのリーク情報を、由香に渡す鷲津。それが世に出れば、明らかにホライズン有利に事が運ぶ。
スクープすれば、当然、由香の手柄にもなるが、鷲津に利用されるという点に引っ掛かる由香は、ウラが取れないと発表出来ない、と反発ぎみに鷲津に言いおく。

情報のウラを取ろうと、由香が接触したのは芝野。動揺する芝野は、由香にしばらくの猶予を求める。

不正の片棒を担いでいたサンデー財務担当・百瀬は、天下りの元・三葉行員。
三葉の重鎮・飯島亮介の部下だったという。
飯島本人に不正の事実を問いただす芝野だが、逆に揉み消しを厳命され、苦悩する。

由香に、不正の事実は無い、と告げる芝野。それが上からの指示だと気付いた由香は、父の話も持ち出し、銀行のやり方を非難する。(『三島さんの事は忘れた事がない』と、芝野さん。ウソつけ~、履歴書見るまで鷲津さんの事すら忘れてたくせに~~)
あくまで自分は『銀行員』だから…と、改めて不正事実を否定する芝野。
信頼を寄せていた芝野に裏切られ、涙を流す由香。つらそうに去る芝野に「それで、いいんですか!?」と、由香は必死に言葉を投げ付ける。

芝野から確証が得られなかった由香は、他の関係者にあたるべく、入札当日の最終ニュースまでねばる事を上司に告げ、引き続きサンデー周辺をあたる。(そのまま発表してもいいのでは?とも思ったり。万一間違ってた場合、名誉毀損とかで訴えられるからかしらん…)

夕刻、遠山の弁護士事務所(たぶん)で、いよいよ始まったサドンデス入札。(なぜ夕方5時から?とプチ疑問)(昼間の会社業務にひびかないようにという配慮??)
最低入札額の120億円から始め、上乗せ出来る金額は1億円以上。持ち時間は20分。
まずはホライズンが提示した121億円から、戦いが始まる。

事務所の中の、向かい合わせの部屋にそれぞれ陣取り、上乗せ金額を決めて戦う双方。
以降、アイアンの提示額に、必ず1億円ずつ上乗せして行くホライズン陣営。
(それぞれの部屋で決めた金額を紙に書いて、別室の遠山弁護士に見せに行く…という形なのですが、鷲津さんの紙には必ず『四つ折りシワ』が付いていて、律儀っぽい雰囲気がうかがえたりも♪)(『億』の字を、鷲津さんは漢字で、アイアン側は『オク』とカタカナで…というところでも、双方の違いを見せております)

サドンデス入札が続く中、スクープのウラを取るための奔走を続けている由香。
サンデー常務・百瀬にコメントを求めるも、断られ続ける。(不正を働いた本人なんだから、しゃべるほうがおかしいのでは??由香、真っ向勝負し過ぎ…)

過熱する入札合戦のさなか、時折TVに目をやり、ニュースを気にする風情の鷲津。

深夜11時、刻々と近付く、最終ニュースの終了時間。
入札額は、いよいよ双方が『限界』とはじき出した『190億』に届こうとしている。
米国本社の意向厳守のホライズンは、それ以上は絶対出せないだろうと踏むアイアン側。しかし自分たちは、日本のメンツにかけても、多少の無理はできる、とアイアン代表・日下部。

何時間も続けて来た終わりのない入札合戦に、変にハイになってしまったらしいサンデー社長・伸彰。上擦った声で、社長権力への憧れを、芝野に熱く語り始める。そもそも不正の件で伸彰に嫌悪感をおぼえていたらしい芝野、たまらずに部屋を飛び出しロビーの自動販売機に向かう。

暗いロビーの中、そこだけが明るい自動販売機。(第1回の、西乃屋旅館の自動販売機を連想)
何度コインを入れても、返却口に戻って来てしまう。取り憑かれたように、コインを入れ続ける芝野。そうするうち、由香の涙と言葉が彼の脳裏によみがえって来る。
耳に残る由香の叫び。「それで、いいんですか!?」

結局、百瀬からのウラを取れなかったことで、由香のスクープは単なるお騒がせとなり、ニュースとしても流せず、局内の顰蹙を買う。
身の置きどころが無い風情で、上司に謝る由香。直後、携帯の着信音。
ディスプレイには『芝野健夫』の文字。

部屋へ戻って来た芝野に、さらなる金額の上乗せを告げるアイアン・日下部。急かす伸彰。
何かを言いたそうにしながらも、ただ立ち尽くすばかりの芝野。

一方、上限の190億を既に提示してしまった事で、あとが無いホライズン陣営。
アイアン側がそれ以上の額を乗せてくれば、ホライズンの敗北は決定的となる…。
重い空気の室内に、ついにTVから流れる、サンデー新社長・伸彰の横領発覚スクープ・ニュース!

結果、アイアンは入札から降り、勝利に沸き返るホライズン陣営。
崩れ落ちる伸彰。
誰もいないロビーの、暗闇に光る自動販売機…。(自動販売機のマインドコントロール、恐るべし!?)

治を呼び出したらしいファミレスで、スクープをものにしたものの、浮かない顔の由香。
ホライズンの味方をしたのでは…と、素直に手柄を喜べない彼女に、「いい仕事したんだから」と盛り上げる治。いつになく上機嫌の彼は、由香の前に300万円の札束を並べる。
ついに、会社設立のための資金を手にした治は、嬉しそうにつぶやく。「あいつと勝負か…」

サンデーの社長室に戻り、ご満悦の瑞恵。だが手許には、それまで滞在していたホテル代200万余の請求書が。口座を止められている瑞恵は、それを用立てるよう鷲津に頼む。
貸しても良いが、担保は?と、鷲津。リークの件で鷲津に恩を着せた気でいる瑞恵、面喰らいつつも笑顔で言う。「担保はァ~、あたくしよォォ~」(瞬間、大ダッシュで社長室から脱出したかったであろう鷲津サン…)(が、そんなそぶりは一切見せず)鷲津は、「あなたに200万の価値は無い」と言い捨てる。

激怒する瑞恵に、自己破産を勧める鷲津。自己破産をした者は、自動的に社長では居られなくなる…。
鷲津に利用されていただけだった事を、ようやく悟った瑞恵。
以前眺めていた、丸い穴のある木製玩具を瑞恵に示しながら、鷲津は、その穴の大きさが、幼少時の伸彰の口と同じ大きさである…という話を始める。(精査の過程で知ったのでしょうな)

サンデーのおもちゃは、その穴を通す部品を絶対に使わない。子供が、おもちゃを飲み込まないように…。

木製玩具から出発したサンデートイズ。その創業部門を、伸彰が捨てようとしていたからこそ、もう一度社長として返り咲きたかった瑞恵。伝わらなかった愛情。金のせいで、どこかで歪んでしまった家族。

彼女は涙を流しながら、口を開けた伸彰と自身が写るモノクロ写真を、愛おしそうに撫で続ける。
サンデーは自分たちが建て直す、と淡々と言いおいて辞す鷲津。「社長業、ご苦労様でした」という一礼を残して…。

土壇場で裏切ったことを、飯島に叱責される芝野。
人生の折り返し点は過ぎた自分だが、残りの人生、言い訳をしながら生きて行くには長過ぎる…と、芝野は、飯島に辞表を提出する。

長年勤めた三葉銀行を、感慨深げにあとにする芝野。
銀行前に車を停めて待ち伏せしていた鷲津、芝野をホライズンに誘う。
「一緒に、日本を買い占めましょう」と、傲慢かます鷲津に、おまえと自分は違う、と拒否する芝野。

「一緒ですよ」意味ありげに言う鷲津。「あなたと私の考えは一緒だ」
そして付け加える一言。「あなたは、私なんだ…」

(第3回 終)
     
         ☆   ★   ☆

第3回最後の、芝野さんに向けた鷲津さんの一言、「あなたは、私なんだ…」を、今回改めて聞いて、「なんなのぉ~?それって、告白~~!?」とも思うてしまいましたり。
(『ある層』を狙ってる気配が…)

マイ邪念はさておき、サドンデス入札の終盤、芝野さんが自動販売機前で激しく葛藤するシーンをじっくり観直して、芝野さんの『エンドレス・コイン投入』と、『終わりなき入札』という構図が、見事に連動している演出である事に気付き、遅まきながら、深く深~~く感じ入った次第であります。

…なんかもう、このドラマ、どうかしてます。凄過ぎます。

どのシーンを取っても、1回だけの視聴で通り過ぎるのがもったいないです。
編集の都合上、切ったであろうシーンも、全部見せてほしいです。『ディレクターズカット版アルティメットDVD-BOX』にして、早く発売して欲しいです!!(神南城に懇願せねば~~)

ドラマを、好きな時に何度でも繰り返し観られる時代に出会えて良かった~~と、強く思う作品であります♪


☆↓本放映視聴直後の、リアルタイム感想です。(2007年03月04日Up)

放映前から気になるドラマでござりましたゆえ、あわや放映前に帰宅出来ないかと思われた第1話目の晩、駅から小走りで間に合い、出仕事の荷ほどきもそこそこに、TVに向うたものでござりまする。

やや難解めの経済用語も飛び交う骨太の社会派ドラマ、物知らずの私め、時折「???」となりながらも、物語自体にはあっという間に引き込まれ、1時間を短く感じるほどでござりました。

第1話めはとにかく、老舗旅館の経営者・西野を演じた宇崎竜童さんの、文字通りの鬼気迫る演技によって、全体の印象が埋め尽されてしまっております。
経営者としての才覚を持たない人間が、よかれと思って為した事がことごとく裏目に出て、ある日突然、己の能力の無さと『お金』の無さを、同時に、しかも徹底的に思い知らされてしまう…。

『男の絶望』というものが、これほど端的に表現された描写、初めて観る気がいたします。
旅館を手放さない為の『2億』という金額を突きつけられ、動顛のあまり、薄暗い館内の自動販売機から『小銭』を掻き集める西野。その演出と映像の色調にも息をのみました。

西野が迎える『ある結末』までの、宇崎さんの表情演技、ほんに壮絶でござりました…。
一瞬たりとも見逃せない緊張感に、ドラマ終了後はドッと疲れが出てしまい、しばし呆然とするほどでござりました。

この1話めで魂を持って行かれ過ぎたせいか、2話目は少々トーンダウンしてしまったようにも思われたのでござりまするが、それは舞台設定のせいなのだと気付きました。

1話目は、『小銭』という小道具のおかげで、庶民にもわかりやすい『お金の無さ』が伝わったのですが、2話目は、乱脈ズサン経営で危ない企業(玩具メーカー)とは申せ、社長一族がセレブぶった生活をしていたりする描写があるぶん、私めクラスの庶民にはピンと来ない『危機』だったのでござりましょう。

昨晩の3話目は、2話目での『対決』が継続された形だったのでござりまするが、ドラマの端々にけっこう深みのある描写(『玩具木型の丸い穴』エピソードにはグッと来ました~~)が増えて、この先の展開がますます楽しみになっております。

で、冒頭、宇崎さんの話にばかりなってしまいましたが、ドラマ全体に関しましては、主人公・鷲津を演じる大森南朋さんの不思議な存在感に魅了されまくっております♪

そもそもこのドラマ、予告を見た折の、「あ、保険のCMで『イイ感じの夫』やってる人が、悪役をやるんだ~~」という興味から、気になるようになった次第。

いかにも人の良さそうな、見た目、いわゆる『ギラギラオーラ』が無い感じの人が、『ハゲタカ』な役をやる…という起用ぶりからして、「このドラマ、面白いかも‥…」と思わせるものがありました。

で、実際ドラマが始まってみて、回を重ねるごとに『鷲津』という男の、独特の魅力が増して行っている感じです。
彼の魅力、どう表現したら良いのかわからないのですが、とにかく、大森さんの『不思議に、イイ感じの雰囲気』が、鷲津の『非情なんだけれど、悪ではない』といったような、複雑で、どこか捉えどころのない設定にぴったりハマっているように思われるのです。

柴田恭兵さん演じる『芝野』と鷲津のさらなる対決や、IT企業の社長として鷲津の前にあらわれる『西野』の息子役・松田龍平さんの変貌ぶり等、この先も見どころ満載の予感♪

『芝野』という人物に関しましては、『あんな事件』があったのにもかかわらず、昔のファイルを見るまで、かつての部下・鷲津の事を忘れているというところ、ドラマ開始早々おおいにツッコんだものでござりまするが、実は、この人のこういう『天然の冷淡さ』が、このドラマ最大のポイントなのでは…とまで、深読みを始めている今日この頃であります。


第4回『激震!株主総会』へ続きます。



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