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2016/04/28
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カテゴリ:私の本棚
キレイになりたい気持ちが最高の美容液。ワタシらしいワタシでいるために使っているものです


新美南吉の童話で一番有名なのは『ごんぎつね』でしょう。
4年生の国語の教科書に載っている定番の作品なので
誰でも一度は読んだことがあると思います。

新美南吉の童話にはきつねが主人公のお話が多いのですが
死の3カ月前に書いた『狐』という作品は
我が子の為には命をも投げ出そうとする
母の強さと愛情が溢れていて、大好きなお話です。

このお話は本を読んだり読み聞かせをするのも良いのですが
目を瞑って朗読を聞くと、いっそう胸に迫ってきます。
ここをクリックすると『新美南吉の狐』が聞けますので
是非体験してみてください。(25分48秒)

友達7人で連れだって祭りに出かける途中、文六ちゃんは下駄を買うが
そこに居あわせたおばあさんに
「晩げに新しい下駄をおろすと狐がつくというだに」と言われる。
子供たちはそんなの迷信だと言いながらも、
祭りの帰り道に文六ちゃんが「コン」と咳をすると
子供たちの心にあった「きつねつき」の疑心暗鬼がどんどん大きくなる。

文六ちゃん本人も
自分が狐につかれていたら両親はどうするだろうと不安になってくる。
その夜、文六ちゃんが
『もし、僕が、ほんとに狐になっちゃったらどうする?』
と聞くと、母親は、しんからおかしそうに笑う。

そしてなおも聞いてくる文六ちゃんに
『そしたら、もう、家におくわけにゃいかないね
からすね山の方にゆけば、今でも狐がいるそうだから
そっちへゆくさ』と答える。
さらに、『母ちゃんや父ちゃんはどうする?』と聞く文六ちゃん。

『父ちゃんと母ちゃんは相談をしてね
かわいい文六が、狐になってしまったから
わしたちもこの世に何の楽しみもなくなってしまったで
人間をやめて、狐になることにきめますよ
二人で、明日の晩げに下駄屋さんから新しい下駄を買って来て
いっしょに狐になるね
そうして、文六ちゃんの狐をつれて、からすね山へゆきましょう』

あぁ、いいなあと思う。
理想の母親像がここにある・・・

そして、その後のやりとりもホノボノとしているのだけど
もしも、猟師が鉄砲で撃ちにきたらどうするの?と聞かれた母親は
もし狐になった文六ちゃんが猟師に捕まりそうになったら
自分が身代わりになって猟師に捕まるので、その間に父ちゃんと逃げなさい
と言うので、驚いた文六ちゃんは

『いやだよ、母ちゃん、そんなこと。
そいじゃ、母ちゃんがなしになってしまうじゃないか
いやだったら、いやだったら、いやだったら!』
文六ちゃんはわめきたてながら、お母さんの胸にしがみつくのである。

4歳で実の母親を亡くし、継母に育てられた南吉は
『狐』の中のたとえ話の中に
ずっと求めてきた母親像を描いたように思う。

我が子を救うためには、自分の命を犠牲にすることを厭わない
究極の愛情表現に、本を読んだ子供たちは
親がどれほど自分を大切に思っているのか
物語を通して強く感じるのではないだろうか。

自分も3人の母親として
自分の命を投げ出しても我が子を守ることに何の躊躇もないのですが
しかし、実際に子供の立場になったとき、どうなのでしょう?

いかに愛情溢れた行為であっても
母親がいなくなった子供の淋しさを思うと
何が正しいのか分からなくなり
パラドックスが見いだされてしまいました。


 

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Last updated  2016/05/03 11:31:29 PM
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