カテゴリ:読書
巻の二 はてしなき珍道中
「やあ、いい風呂だ。だが、こっちの、どす黒い水がためてある方が、本物の風呂にちがいねえ。 きれいな方が、実は、きたねえんだ。ひゃあ、つめてえ…ように感じちゃうのが、狐の妖術なんだな。 うーん、…いい湯だ」 「おいおい、むちゃなことしやがる」 弥次さん、狐になんか化かされてたまるかいと、どぶの水をためた水槽に、わざわざ入り、ご満悦。 巻の二は、丸子宿から宮宿まで。 【目次】 川に橋がかかっていない理由 不思議な老人たちがいるものだ 幽霊が出る宿屋に泊まる なくしものは、いったいなんだ? おーい、坊さんやーいっ! 狐になんか化かされてたまるかい ハンバーガーには手を出すな けしからぬことなんかしやしねえ すべてのなぞはつながった!? 巻の三 いざ、京都・大坂へ 「なあ、だんなさん。あんさん方は、大金持ちやそうでんな」 「ああ、そうだ、そうだ。ほしいもんがあったら、いってみな。なんだったら、大坂のお城でも、買ってやろうか」 弥次さんと喜多さんが、大もりあがりに、もりあがっていると、よこで見ていた、別の芸者さんが、心配そうにささやいた。 「けど、おねえちゃん。このお客さん、ほんまに大金持ちやろか?着物のえりのところから、古着屋さんの値札が、出てまっせ」 巻の三は、桑名宿から、伊勢、京都、大坂(いまの大阪)まで。 【目次】 こりゃあたまらん、むしゃむしゃむしゃ 馬をかついで走れるわけがない 下の句は、おすきなものをご自由に うれし悲しや、ふたつの再会 お伊勢様に、なにをお祈りしたかって? なにはともあれ、にげろや、にげろ! 小判の雨をふらせてやろう! 師匠のそのまた師匠、あらわる しめっぽいお別れなんて、ごめんだぜ! 横田順彌、清水義範、小佐田定雄という巨匠()作家たちが三巻にわたって書き継いだリレー小説です。 私自身で一番身近に感じられるのはユーモア(ハチャハチャ)SFで学生時代楽しませてもらった横田順彌先生ですが、清水義範先生も「やっとかめ探偵団」でいっぱい笑わせていただきました。 最後の小佐田先生の名はなじみが薄かったのですが、プロフィールに「落語作家」とあって、現在放映中の「じょしらく」などでご縁があったな、と思いました。 昔から「弥次さん喜多さん」はよく話題になるので知っているような気がしていましたが、多少の脚色はあったとしてもひとつづきのお話として一緒に東海道を旅してみると、新幹線で数時間で行けてしまう道のりの距離や感触、それに旅情も味わうことができて、楽しかったです。 字の大きさも調度よくて、疲れ目から目が霞むようになってしまったおばさんにも読みやすかったです。 こういう感じの本がもっと増えればいいなと切実に思いました。
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最終更新日
2012.09.11 04:42:23
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