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カテゴリ:漫画
細かい絵柄に温かい笑顔の表情がとても上手い。加えてこの漫画も舞台が北海道ってことで読んでるうちに親近感が湧いちゃいました。そんなほんわかしている漫画だったのにいきなり愛憎ドロドロ漫画になるとは夢にも思いませんでした
お話は祖母が亡くなり下宿「麒麟館」の大家になる嵌めになった妙。麒麟館に行く途中、行き倒れになっている女性、菊子を拾う。旦那と揉めて家を飛び出してきたという菊子だが話を聞くとその旦那は妙の初恋の人だった。わがままな妻の家出と思い秀次に会った妙だが実は信じられないほど冷たくて嫌な奴だった…。 もうね、私はこの漫画が痛くて痛くてたまりませーん。本当に菊子の旦那で妙の初恋の秀次は最低の野郎でしたね。根性が悪いです。冷たくてサドスティックで肉体的精神的暴力を与え今で言うドメスティック夫なんでしょう。菊子を妻にしたのも「大人しく従順でしかも過去があるから」というだけで自分に都合がいいからと言うだけ。本当にこんな最低野郎は最悪だ!と思いつつも不思議とたまに垣間見える優しい瞳に心が揺れ動くサザエでありましたほら私Mっ子だから 菊子さんを見ると「忍」の一文字が浮き出てくるみたいに耐え忍んでいるんすよ。 特に痛かったシーンが秀次側の方で葬式だか法事があってそれに菊子だけが出席。内情を知らずにただたんに家出をしているとしか見えない菊子に親類達は「よくも顔が出せたもんだ」状態。それでも我慢の菊子。すると秀次の母親が不躾なのはしょうがない。この子の母親はレイプされて生まれた子が菊子だからとみんなの前で言うシーン。 涙をこらえて我慢をした菊子がもう痛々しくて痛々しくて涙が止まりませんでした。 だからこそ、その後に秀次の母親が菊子や麒麟館の住人達に秀次の悪事を聞かされ気づき菊子の信条を察したシーンがかなり感動してこれまた泣きました(笑)味方になったというわけではないけれど菊子が報われてよかったなぁと思ったんです。 その秀次の悪事を知った時の母親のセリフ「親の信頼を裏切ってあんたは!」というシーンがすごく印象深かったですやはり秀次の母親もいい子ちゃんな秀次に対して「うちの子に限って」状態だったんですね。 特に今の世の中一人っ子が多い中で子供を猫かわいがりする親たちも多くなるのは当たり前。秀次のような母親が山ほどいるんだろうなぁと思うとちょっと切なかったです。 菊子と火野のラブストーリーよりもやはり秀次と妙の関係の方が面白くて気になりましたね。ケンカをして言い合ってお互いイライラしながらも無視できない存在。ただ残念なのがもうちょっと秀次が妙を愛し始めるシーンを描いてほしかったなぁ。あとラストの妙と秀次の再会も見たかった。 見た目か弱いが芯が強い菊子と見た目豪快、勝気だが恋となると臆病な妙の対照的なキャラクターもよかったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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