2011年12月02日

日出処の天子 全11巻    山岸凉子

カテゴリ:漫画感想
さて、こちらも借りた漫画のひとつ
もともとタイトルと聖徳太子のお話らしいというのは知っていたんですが
評価の高い作品でいつか読んでみたいと思ってたんですよね
読んでみて結構驚きました

もっと史実中心のお話なのかなとは思っていましたが
(史実にはある程度そってはいる内容なんですけど)
どちらかというと人間描写主体で、なるほどこれは少女マンガの系譜だと妙に納得した感じです
読み終わっての感想は素直に面白かったです
というか飛鳥時代を舞台によくここまで描くことが出来たなぁと思いましたね

お話としては、飛鳥時代を背景に、政治的策謀をめぐらす厩戸皇子に蘇我毛人(蘇我馬子の長子)をはじめとする蘇我家の人々や、崇峻天皇・推古天皇らが翻弄される形で話が進んでいく。
ということで厩戸皇子と蘇我毛人を中心に彼らの出会いから決別までを描いた物語ですかね

最初は飛鳥時代が舞台ということで名前や役職になじみがなくて世界観や単語になれるのが大変でしたね
でもそれが終わればぐいぐいと引き込まれて面白かったです
中盤以降は人間関係やら愛憎劇やらが色々とごちゃごちゃしてきて凄いことになりますしね
なんかもう色々と悪い方向やらにばっかりいくんで読んでてて先が気になっちゃいました
あとは朝廷の権力争いや家計図についてなども色々と知ることが出来て面白かったです

あと山岸さんの作品は舞姫 テレプシコーラは中盤にかけて読んでいたんですけど
この頃の絵柄のほうが好きですかね
テレプシコーラの頃はもう少し簡略化された絵柄なので
こちらのほうがきらびやかさを感じました
あとは書き分けがあるためか読みやすく感じました


ただ厩戸皇子は超能力者で同性愛者というかなり突飛な描かれ方をしてるんで、歴史ものに忠実という観点で読もうとするとアレかもしれません。
私自身教科書で見たひげの生えたおじさんのイメージしかなかったため
最初この作品の厩戸皇子を見たときはびっくりしました

ただ、ここまで今までのイメージと違う厩戸皇子もそれはそれで面白いと思います
(超能力うんぬんは実際そういう伝説的な部分もあったりするので)
また、どのキャラも生き生きとしてますしこの厩戸皇子のキャラがあってこそのこの作品なんでしょうね
それは読んでいてとても感じました
天才でありながら母との溝になやみ、真に思う相手には必要とされず
最初は能面のような笑顔だった厩戸皇子が、中盤以降は自分の思いに振り回されてついには嫉妬により行動しますからね

色々と汚い部分もありつつも人を惹きつけるキャラだったと思います
終盤読んでから最初を読むとちょっと驚きます
最初は特に何を考えているのかっていうのが分かりにくいキャラだったので
(毛人の目線での描写が多かったからでしょうけれど)

あとはもう一人の主役の毛人
しかしこの人も作中だとモテたよな
まぁ真に思う相手以外からの思いは彼を悩ますばかりだったんですけどね
特に実妹である刀自古郎女とのことは色々と
最初は兄おもいな妹ぐらいにしか思ってなかったんですけどね・・・
彼女の境遇を考えれば仕方のない部分もあると思いつつ最期に厩戸皇子にも魅かれていったのは少し気になったかな

あとは毛人と布都姫の恋
これでもかと障害が立ちはだかりまくり厩戸皇子にもじゃまされと散々な境遇でしたけど
ある意味この作品で唯一ともいえるぐらいのカップルだったかもしれませんね
(穴穂部間人媛も田目王子と幸せそうでしたけど)
あとは仮面夫婦に一方通行の恋やら色々と大変な恋ばっかりだったからな
まぁ厩戸皇子は厩戸皇子でどうしようもない思いに悩んではいるんですけどね

最後の終わり方としてはかなり切ないですよね
厩戸皇子はある意味半身を失って生きる目的も失ったわけですから
ただ2人の出会いで始まったこの物語は彼らの決別でくぁるのが妥当なんでしょうね
まぁ後半のあまりに嫉妬や感情に振り回される厩戸皇子の描写ってのはちょっと気になる部分ではありますが
(このあたりは女性作者らしい描き方だったと思います)
なんにせよ読み応えのある作品でした
名作といわれていたのも分かります
絵柄もあってか今読んでもあまり古臭さを感じない作品ですね


あと馬屋古女王も読みましたが
上宮王家の滅亡を描くこの作品である意味本当に日出処の天子は終わったんでしょうね
本編での登場人物は名前しか出てきませんが
その後のお話ということで楽しめました
厩戸皇子があの後一生をかけて築き上げたものがこうやって滅んでいくとなるとなにやら物悲しいですけどね






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最終更新日  2011年12月02日 21時45分54秒
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