詩 T・o・k・y・o

T・o・k・y・o

人は誰も寂しくて
人は誰も悲しくて

光だけでは生きられない
希望だけでは生きられない
寂しく悲しい
生き物だから

Tokyo
眠る夜の街へ
Tokyo
誰もが集う

東京
そこは鮮やかな
一夜の夢で人を惹き
誰もを魅せる夜の街

それが T・o・k・y・o


誰の心も臆病で
誰の心も繊細で

触れば砕ける硝子のような
触れれば弾けるシャボンのような
脆く儚い
魂持つから

Tokyo
心癒す街で
Tokyo
誰もが憩う

東京
そこでは誰も自分を知らず
何の虚勢も飾りも要らない
裸の魂受け入れる夜の街

それが T・o・k・y・o


    朝露に濡れる
    誰もいない交差点で
    一羽の鳥が飛び立った

    青い鳩はビルを越え
    暁の空を駆ける
    街の目覚めを歌いながら


東京
短い夜が終わったならば
誰も自分の住処へ帰る
鮮やかな夢と安らぎを
路地裏の影に隠して
心を鉄の仮面で覆って
今日も人はそれぞれの
生という名の修羅の道
朝日の中で歩み続ける

Tokyo
蜃気楼のように
Tokyo
光を受けて霞む街

それが T・o・k・y・o

この詩は、斗宿さんのHPでキリ番444を踏んだ記念に頂きました。
ありがとうございました。(2004/5/13) 葵匠



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