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片栗の花

モルフォ蝶

モルフォ蝶
南米アマゾン河流域に生息する。この蝶は、コバルトブルー
の透き通るような青さとメタリックな光沢を持つ世界で最も
美しい蝶であると言われています。アマゾン河流域を生息地
とするこのモルフォ蝶は約80種類いるといわれています。
光沢をもつメタリックブルーの羽が有名な蝶ですが、実はこの
モルフォ蝶の羽には青い色はついていません。蝶の羽には
「鱗片」と呼ばれる粉のようなものがついていますが、その鱗片
の複雑な構造が、ある波長の光だけを反射させて、あの鮮やかな
青色を見せているのだそうです。

モルフォ蝶燐片SEM写真
(モルフォ蝶の鱗片のSEM写真)
この鱗片の断面を見てみるとシダ状の微少な突起が見られます。
これに光が入ると、この突起部分で反射、屈折、干渉を繰り返し、
ブルーの波長が増幅されるので、結果的に鮮明な深みのある
魅力的な色を発現します。

(モルフォトーンクロス)
最近の衣料用繊維に、多重偏平(マルチスパイラル)繊維と呼ば
れる種類の物がありますが、これは、このモルフォ蝶の鱗片
構造に学んだ物です。これに適した織物にサテンがあります。
モルフォ蝶の鱗粉の発色原理を応用したモルフォテックスを
シートクロスに織り込んだモルフォトーンクロス。モルフォ
テックスの発色原理は、繊維が光の干渉により発色するもので、
濁りのない澄んだ色が得られ、見る方向によって光の干渉度が
変わり色調が変化するのが特徴です。

モルフォ蝶の♂と♀ 
 
モルファ蝶はどうしてこんなに美しいブルーをしているのか
不思議に思いヒマラヤまで蝶を追いかけて採集しているという
蝶マニアの知人にメールで尋ねてみました。

モルファの雄は雌のために美しく着飾っているのですか?と
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蝶の雄の羽は鳥類と同じように美しい。
蝶の雌はほとんど動かないので、野外では採集されない。
雌は幼虫の餌となる植物から離れることはない。
(アゲハ蝶はカラタチとか山椒の木のそばを飛んでいる)
野外で採集した雌はほとんどが交尾済みです。
採集して腹部を解剖すると雄の精子を貯めた袋が複数ある。
(交尾の回数を示す。蝶は常に最強の伴侶を求めている)
雄は雌がさなぎから羽化するのを待って交尾をする。
キャベツ畑などで群れているもんしろ蝶は、まさに羽化
しようとするさなぎを待っている雄である。
雄は羽化直後は交尾をせず、数日おいて体質を改善して
から交尾をすると言われている。
野外では雄がきわめて積極的に雌を探して移動するので
雌が雄の存在をその輝きで見つけるということはない。

モンシロチョウの雌の羽は人には白く見えるが、雄には
紫色に見えている。昔は白黒テレビによくモンシロ蝶の
雄が雌と錯覚して画面にぶつかった。人間の見える波長
と昆虫の見える波長は違うのではないでしょうか。
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モルファ蝶の色は人には生きた宝石に見えても雌には
どのように見えるのでしょうか。
天敵に目立つ色はむしろ不利で、一説には熱を逃がすためとも。
仙台市科学館でのアマゾン熱帯雨林展を見てきましたが、
モルファ蝶のみならず、多数の多様なカラフルな昆虫等で
いっぱいでした。
熱帯雨林の多様な生物たちの存在は何を意味しているのでしょうか。
 


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