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カテゴリ:新しい視点の本
五木寛之著 元気 人は皆元気の海に生まれ元気の海へ還る
『人は皆大河の一滴である。その一滴に宿る「いのち」とはなんだろう。 病んだ時代に元気に生きることは至難のわざであるが、 しかし、一滴の希望でも、それが大河の水源になる。 本当の元気はそこから発するのではあるまいか』 (大河の一滴となることを確信して、ひとつのコトバを発信しましょう。 一滴の希望でも世の中を変える力となるでしょう。) 『暗愁』と言う言葉は鎌倉時代から文化人の間でずっと大切に使われて きて、明治を彩るいきいきした言葉として色々な人が使いました。 『暗愁』を感じるものこそ立派な人間、人間の大事な資格だと言う 思いがあった。それが富国強兵の「進め1億火の玉だ」という時代には、 この言葉は抑圧され抹殺されていった。 人は皆暗愁を抱えて生きているのだという時代と、そういうものを 心に持っているのは病気だ、良くない、追放しろと言う時代。 人が暗愁を感じるとき表に出すといじめにあい、のけ者にされ、 隠さなければいけない時代。人々が必死で暗愁と言う思いを隠し ながら、つくり笑顔で生きていく、そういう無理した社会が戦後の 何十年かでなかったか。 自殺3万人、日本の戦後は長寿社会であると同時に世界に冠たる 自殺大国になった。前向きで明るく元気良くを善とし、暗いとか憂い を感じるとか、悩むとか、それを悪としてそれを拒絶した一方的な 社会の欠陥が、今、目の前の足元に黒くぽっかりと口をあけている。 明るさ、強さ、そういうものだけでなく柳のようにしなり、屈して、 曲がることによって雪を振り落とし、春を待つと言う生き方もある。 (敗戦後の苦しい時代にこそ人々の目はギラギラ光り、荒々しい 活気とエネルギーに溢れていたのです。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年01月06日 11時17分31秒
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