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2005年01月06日
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カテゴリ:新しい視点の本
五木寛之著 元気 人は皆元気の海に生まれ元気の海へ還る

『人は皆大河の一滴である。その一滴に宿る「いのち」とはなんだろう。
病んだ時代に元気に生きることは至難のわざであるが、
しかし、一滴の希望でも、それが大河の水源になる。
本当の元気はそこから発するのではあるまいか』

(大河の一滴となることを確信して、ひとつのコトバを発信しましょう。
 一滴の希望でも世の中を変える力となるでしょう。)

『暗愁』と言う言葉は鎌倉時代から文化人の間でずっと大切に使われて
きて、明治を彩るいきいきした言葉として色々な人が使いました。
『暗愁』を感じるものこそ立派な人間、人間の大事な資格だと言う
思いがあった。それが富国強兵の「進め1億火の玉だ」という時代には、
この言葉は抑圧され抹殺されていった。

人は皆暗愁を抱えて生きているのだという時代と、そういうものを
心に持っているのは病気だ、良くない、追放しろと言う時代。
人が暗愁を感じるとき表に出すといじめにあい、のけ者にされ、
隠さなければいけない時代。人々が必死で暗愁と言う思いを隠し
ながら、つくり笑顔で生きていく、そういう無理した社会が戦後の
何十年かでなかったか。

 自殺3万人、日本の戦後は長寿社会であると同時に世界に冠たる
自殺大国になった。前向きで明るく元気良くを善とし、暗いとか憂い
を感じるとか、悩むとか、それを悪としてそれを拒絶した一方的な
社会の欠陥が、今、目の前の足元に黒くぽっかりと口をあけている。
明るさ、強さ、そういうものだけでなく柳のようにしなり、屈して、
曲がることによって雪を振り落とし、春を待つと言う生き方もある。

(敗戦後の苦しい時代にこそ人々の目はギラギラ光り、荒々しい
 活気とエネルギーに溢れていたのです。)





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Last updated  2005年01月06日 11時17分31秒
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