「ツナグ」辻村深月
【送料無料】ツナグ価格:1,575円(税込、送料別)【内容情報】(「BOOK」データベースより)突然死したアイドルに。癌で逝った母に。喧嘩したまま亡くなった親友に。失踪した婚約者に。死者との再会を望むなんて、生者の傲慢かもしれない。間違いかもしれない。でも─喪ったものを取り戻し、生きるために会いにいく。─4つの再会が繋いだ、ある真実。新たな一歩を踏み出す連作長編小説。アイドルの心得/長男の心得/親友の心得/待ち人の心得/使者の心得★★★★★ 考えさせられる 切ない 浸れる 連作短篇集(実は私はこの位の長さが好き~♪)でした。都市伝説的な存在『使者(人々は「ツナグ」と呼ぶ)』に依頼すると死者に再会できるという…ちょっと不思議なオハナシ。ただし会う事が出来るのは生前に「一人」、死後に「一人」だけ…。これって相思相愛(!?)の仲でなければ、会う事は叶わないって事で、その確率って結構、難しいですよね…。たった一人「会いたい」と思うのが、両親、夫、恋人、子供etc…人生の中でたくさんの出会いが待ち受けてるわけで、それら今後の事を考えていたら、簡単には口に出来そうに無いです。望み通り。死者との再会を果たし、勇気を貰った人も居れば、一生心に残る傷をうけた人、新しい一歩を踏み出す人、様々な人間模様が、この一冊の本の中に凝縮されていて、満足できる、読み応えのある本だと思いました。特に気に入ったのは『長男の心得』でした。このお話は、卑屈な中年オヤジが主人公なんだけど、何歳になっても、不器用で素直になれない様を母親は「理解してくれてるんだナァ~」と感心しました。最後感動して、ホロリと来ましたね~。(#^.^#)最終話『使者の心得』は。ソレまで「死者との再会」を導いていた『使者』本人の話。『使者』は、先祖伝来の能力のようで…病床の祖母から男子高校生の孫へ…まさに、引き継がれようとしてる様子を描いてます。都市伝説的な、その謎多き『使者』が、極普通の男子高校生だったのには、ちょっと驚きましたが。(苦笑)連作短篇集の「総集編」として良かったと思いました。(『使者』の謎は謎のまま残しておいて…。数々の「使者との再会の物語」をもっと読みたかったなぁ。『使者の心得』が「完結編」っぽいので、この小説の続編は無いのかな?)にほんブログ村