「炎上する君」西加奈子
【内容情報】(「BOOK」データベースより)恋に戦う君を、誰が笑うことができようか?何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化、奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語たち。【目次】(「BOOK」データベースより)太陽の上/空を待つ/甘い果実/炎上する君/トロフィーワイフ/私のお尻/舟の街/ある風船の落下★★ 恋愛 胸キュン 勇気がわく西さんの恋愛短編集を読みました。この本の帯に「熱烈な支持を受けた『きりこについて』に続く千変万化の輝きを放つ最新短篇集!」と書かれてて…。ブスブスと周囲に言われながらも、身近な人々からは溺愛されてたきりこが主人公の『きりこについて』は確かに面白かった!!てっきり、そんな雰囲気を持った短篇集と思ったら…この『炎上する君』はまったく違うシロモノでした。恋焦がれる様々な女の子が描かれてるんだけど…。抽象的な表現が多く、私にはイマイチ理解不能。物語の出だしは面白いのに。終わり方がねぇ…萎んでしまうというか。(By『ある風船の落下』?)恋愛小説と言うけど、非日常的なSFタッチなモノが多いです。表題作である、足がボーボー燃えてる「炎上男」は、都市伝説っぽいし。ストレスが原因で身体が膨れてしまう「風船病」etc…。だから、ちょっと理解不能(?)なシーンが多いのかなという気がします。一番のお気に入りは『舟の街』ですね。バス停・駅も無く、地図にも乗ってない「舟の街」は何処にあるのか分からない場所。「本当に参ってしまった」時に行く事ができる。主人公は「舟の街」に行く事が出来るんですが…この街が何とも癒される街、住民達!!こういう街に、私も迷い込んで見たいです!!『甘い果実』では、なんと!実在の作家、山崎ナオコーラさんが描かれてます。小説家を目指す主人公が、自分と同年齢でありながら、大活躍する作家山崎ナオコーラに嫉妬する話です。西加奈子さん…こんな風に、ナオコーラさんを描いても大丈夫なんでしょうか?(苦笑)