植物にいやされて＊園芸日誌＊

ためしてガッテン！（2007/6/13放送）より
「骨粗しょう症の新真実」

骨がスカスカになる「骨粗鬆症」
寝たきりの原因となる太ももの骨折は、この15年で倍増している。
対策には「骨の材料となるカルシウムをとること」だと思いがちですが、
去年、骨粗鬆症学会が発表したガイドラインには
「カルシウムの効果には限界」との内容が…
さらに、血管に“骨”ができて心筋こうそくの原因になることや、
骨密度が高くても骨折してしまう人がいることが
最近の研究から分かってきました。

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＜オープニングクイズ＞
問題：スーパーサウルスの骨の特徴は？
答え：穴が開いている

問題：骨を強くする効果が小さいと言われるスポーツは？
答え：水泳
※浮力のため、陸上での運動と比べると、
骨を強くする効果は小さいと言われている。
ただし、足腰が衰え、陸上での運動に転倒などの危険がある
お年寄りなどには、勧められるケースもある。

問題：破骨細胞の働きを抑える物質は？
答え：女性ホルモン

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「血管に骨ができていた！」
50代、60代の女性10人で骨密度の検査をしたところ、
骨粗しょう症の方が1人、予備軍が2人見つかった。
しかも、骨粗しょう症の方のX線写真を見ると、
なんと動脈にカルシウムがたまっていました。
心臓の専門家に尋ねると「血管に骨ができていてる」といいます。

※番組では、血管にカルシウムが付着した状態を「血管の骨」
これは、組織の面から見ると骨と酷似しているため。
血管に骨が実際にできるわけではない。

＜血管にできた骨＞
血管に骨ができることは「血管の石灰化」と呼ばれている。
この現象は血管の中にカルシウムが付着するというもので、
動脈硬化の人によく見られる。
X線やCTを使った撮影や、エコーなどの検査で調べられる。

骨のカルシウムが足りないのに、血管にカルシウムが付着する
この現象は「カルシウム・パラドックス」と呼ばれ、
大規模な調査でも確認されている。

なぜ、骨にあるはずのカルシウムが血管で発見されるのか？　
その理由は、血管細胞、骨芽細胞、破骨細胞の3つのうちのどれかにある。

「破骨細胞のお仕事」
血液中のカルシウムは、食後しばらくすると減ってしまう。
そのため、破骨細胞は骨を壊してカルシウムを血液に加える。
逆に余裕のあるときは、骨芽細胞が骨に蓄える。
骨はカルシウムの貯蔵庫なのだ。

実はカルシウムは、心臓などの筋肉を動かすのに欠かせない物質。
破骨細胞と骨芽細胞は、血液中のカルシウムの量を調整している。
ところが、年をとると腸からのカルシウムの吸収率が落ち、
不足することが多くなる。
そこで、骨を壊してカルシウムを取り出すが、
破骨細胞の働きが活発になりすぎると、
やがて骨粗しょう症になってしまう場合がある。

では、なぜ血管の中にカルシウムがたまってしまうのか？
「カルシウム不足」の危険信号を受けると、血管の細胞は、
なぜかカルシウムをため込んでしまう。
血管の細胞と骨芽細胞は、同じ細胞から生まれた兄弟のようなもので、
血管の細胞も骨を作る能力をもともと持っているためだと考えられている。
血管にカルシウムがたまると、その部分が傷つきやすくなる。
血液のカルシウムが不足すると、骨が弱くなるだけでなく、
動脈硬化のリスクまで増やしてしまう。

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「骨太なのに骨折」
愛知県に住む67才の女性は、去年、犬の散歩中に
地面に手を一瞬ついただけで手首を骨折してしまった。
しかし、病院で測った骨密度は、同年代では正常の89%。
本人も骨には自信があったという。

最近の研究では「骨密度で説明できる骨折のリスクは70%程度」
では、残りの30%はどんな原因なのか？
破骨細胞は、骨を壊すのにおよそ20日間かかる。
その後、骨芽細胞が骨を再生さるが、それにはおよそ90日間かかる。
この間、骨のつくりかえられている部分は、
小さなへこみができているような状態で折れやすくなっている。

破骨細胞の活動を抑える女性ホルモンが減ると、
破骨細胞は歯止めがきかなくなり、骨を作りかえている
“工事中”の部分が増え、骨折するリスクが高まる。

骨のつくりかえられている部分が多いかどうかは
「骨代謝マーカー」という検査で調べることができる。
骨が壊されるときに出る分解物が尿にどれくらい含まれているかを調べる。

＜骨密度以外の骨折のリスク＞
同じ骨密度であっても、下のような項目に当てはまる人は、
その分だけリスクが高まる。
・過去にささいなことで骨折したことがある人　2倍
　※交通事故などの骨折は含みません
・親の骨折（親に太ももの付け根の骨折の経験がある人）　2.3倍
・喫煙習慣のある人　1.3倍～1.8倍
・日本酒換算で1日2合以上の飲酒の習慣のある人　1.3倍～1.7倍

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＜発見！骨太食材＞
去年発表された『骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン』によると
「カルシウムの摂取量を増やす、あるいはカルシウム製剤を服用するだけで、
　骨粗鬆症の治療、　すなわち骨量の増加や骨折の予防が
　期待できるわけではない」とある。どういうことなのか？

私たちが食べたカルシウムは腸から吸収される。
ところが、年をとると吸収率が下がってしまうため、
カルシウムだけをとっていても不足しやすくなる。
しかし、291人の女性の骨密度と食習慣の関係を調査した研究者が、
骨に良い食材の組み合わせを見つけた。

「野菜、魚、キノコ中心の食生活の場合」
これらをたくさんとっているグループは、
あまりとっていないグループと比べて、
4%ほど骨密度が高い傾向にあった。
野菜にはカルシウムが、
魚やキノコにはビタミンDという物質が含まれている。

ビタミンDには、次のような効果がある。
・骨芽細胞の働きを助ける
・腸からのカルシウムの吸収をよくする
・尿でカルシウムが捨てられないようにする
・筋肉に作用し転倒しにくくする

「大豆中心の食生活の場合」
これらをたくさんとっているグループと、
あまりとっていないグループの間で違いは見られなかった。
このような食生活は、塩分を加えることが多いためと考えられる。
ナトリウムを摂り過ぎると、カルシウムが一緒に捨てられてしまうため。

「運動と日光浴も効果あり」
運動は、カルシウムが骨につくのを助けるため、良いと考えられている。
番組ではウォーキングをおススメしていた。

日光浴も、皮膚でビタミンDが合成されるため、おススメ。
ただし、日光の浴びすぎは、熱中症や皮膚膚がんのリスクを高めるため、
1日20分程度までにするのが目安といわれ、それ以上は注意が必要。

＝注意＝
カルシウムをとっても意味がないということではない。
むしろ、厚生労働省が定めているカルシウム摂取目標量と比べても
不足しているため、積極的な摂取をおススメ。
ただし、年をとるとカルシウムの吸収量が落ちてしまうため、
より吸収を高めるという視点から、
ビタミンDをあわせてとることをすすめるもの。

　

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