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カテゴリ:心・あがり症・摂食障害・うつ・帯状疱疹
本当は怖い家庭の医学(診察日:2月5日 )より
『本当は怖い元気のよさ~背後に広がる闇~』 I・Mさん(女性)/48歳 主婦 主婦として家事を完璧にこなしながら、 娘の学校のPTAの役員も務めていたI・Mさん。 前向きな性格の彼女は、地域のボランティアが 人手不足と聞けば、翌朝から参加。 「頼られるうちが花」と自ら進んで用事を増やしていましたが、 ある日、PTAのプリント作りで徹夜をしてしまいます。 それにも関わらず、翌日、眠くも辛くもなく、 すこぶる調子がいいことに気付いたI・Mさん。 徹夜明けでテンションが上がっただけと思っていましたが、 やがて次々と奇妙な行動をするようになります。 (1)徹夜明けなのにとても調子がいい (2)衝動的に大量の買い物をする (3)衝動的に深夜に電話をする そんな状態が1週間続いた頃、絶好調は終息に向かったが… それから1年、余裕はないはずなのに頼まれると PTA会長を引き受けてしまいました。 「忙しくてもなんとかなる」と前向きに構えていました。 しかし予想以上に多忙な毎日でした。 (4)早朝に目が覚める (5)食欲不振 (6)ひどい倦怠感 病名 ⇒ 双極性うつ病 <なぜ、元気のよさから双極性うつ病に?> 「双極性うつ病」とは、いつも元気に見える人が何らかの原因で 憂うつな気分になり、社会生活に支障を来たす心の病。 現在、推定患者数は20万人以上。 近年、うつ病と診断されている患者の5人に1人が、 実はこの病ではないかと考えられています。 I・Mさんがこの病に襲われてしまった 最大の要因は、彼女の性格にありました。 「明るく元気で社交的」「失敗してもくよくよしない」というI・Mさん。 こうした性格の持ち主は『高揚気質』と呼ばれ、 実は最も双極性うつ病にかかりやすいタイプなのです。 そもそも高揚気質の人は、自分の体力や気力に自信があるため、 次々と仕事を安請け合いしてしまう傾向にあります。 つまり、この安請け合いによるオーバーワークが、 I・Mさんの脳に過剰なストレスをかけ続け、 神経伝達物質が不安定になったことで、病を発症したと考えられるのです。 では、双極性うつ病、通常のうつ病と一体どこが違うのでしょうか? 例えば、通常のうつ病の場合、ストレスを受けると、 気分が塞ぎこんで、病を発症します。 ところが、双極性うつ病の場合は、ストレスを受けると、まず気分が高揚。 そして更なるストレスがかかった時、今度は気分が塞ぎこんでいきます。 そう、これはいわゆる躁(そう)うつ病の一種なのです。 I・Mさんの場合、元々高揚気質の持ち主のため、 普段から気分がハイの状態で保たれていました。 発病のきっかけとなったのは、プリント作成のための徹夜作業。 この徹夜によって、ストレスが彼女の許容範囲を突破。 この病の最初にして最大のポイントである、 あの「軽躁(けいそう)状態」となってしまったのです。 徹夜明けなのにとても調子がいい、衝動的に大量の買い物をする、 衝動的に深夜に電話するなどの症状は、 すべて「軽躁状態」になっていたための行動。 しかし軽躁状態はやがて自然に終息。 でも実はこれこそ、双極性うつ病の最大の罠。 軽躁状態が消えた後、普通の状態が長く続くため、病に気付きにくいのです。 この段階で大きなストレスを受けなければ、特に異変は生じません。 しかし、I・Mさんの場合、症状が落ち着いた1年後に、 PTA会長という大役をまたも安請け合いしてしまいました。 その結果、ストレスが再び許容範囲を突破し、 ついに、「重いうつ」のスイッチが入ってしまったのです。 従来、うつ病は、「真面目で責任感が強く」「神経質でくよくよ考える」 といった性格の人がかかりやすいと考えられていました。 ところが双極性うつ病は、これと正反対の性格の人が陥りやすい病なのです。 あなたは明るく元気な性格の持ち主ではありませんか? 自分の気力や体力を過信し 仕事を引き受け過ぎてはいませんか? そしていつもより 妙に調子がいいと感じたとこはありませんか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.02.10 21:08:04
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