2010/08/27(金)20:30
ほとんど切らない!食道ガン手術
みんなの家庭の医学(放送日:2010年8月24日)より
切らずに治せる!患者に負担の少ない最新手術スペシャル
7月28日 サザンオールスターズのの桑田さんが
食道ガンを患っているという衝撃の告白をしました。
しかし 毎年定期健診を受けていたため幸い早期発見だった。
そんな桑田さんを襲った食道ガンとは…
食道ガンは喉と胃をつなぐ食道の壁にできるガン。
食べ物を飲み込みづらい 飲み込むと痛い等の症状を伴うが
初期にはほとんど症状がない厄介な病。
食道ガン リスク問診はたったの2つ
1)毎日お酒を飲んでいる
2)喫煙者である
また過去に長期間喫煙していた
両方該当した人は食道ガンになりやすいレッドカルテ
飲酒による食道ガンのリスク
日本酒の場合
毎日1合以上 2.6倍
毎日2合以上 4.6倍
喫煙による食道ガンのリスク
過去喫煙者 3.3倍
現在喫煙者 3.7倍
進行食道ガンのステージ2の患者さんの術後写真をみると
胸30センチ・腹20センチを開く大手術だった
患者は10時間以上の手術に耐え 約1ヶ月間の入院生活を送る。
術後も3ヶ月の療養が必要だった
ところが近年 ある画期的な手術法が開発された
手術の傷跡が最小限になり 入院期間も半分になった
ほとんど切らない!食道ガン手術
食道がん治療の名医、村上雅彦先生
(昭和大学病院 一般・消化器外科 教授)率いる
日本随一の消化器外科チームが、新しい手術法で大きな成果をあげています。
その手術法とは「胸腔鏡・腹腔鏡下 食道切除術」
<胸腔鏡・腹腔鏡下 食道切除術>
もともと、胃ガンや大腸ガンで行われていた腹腔鏡手術を応用。
身体に開けた穴から医療器具を入れ、
胸とお腹を開くことなく食道ガンを摘出する手術。
7月某日 病院を訪れた51歳の男性佐藤さん。
4日後に食道ガンの手術を控えた患者さん。
喉の異変から食道ガンが発見された。
ガンが食道の中で増殖し転移の可能性もあるステージ3。
5年生存率 約50%の進行ガン。
家族は奥さんと中学校2年生の娘さん。
まだまだ頑張って働かなくてはいけません。
生かされる手術ではなく生きる手術をして欲しい
早く退院して仕事もして稼げる それができる手術を求めていた。
2日後 手術についての説明があった。
従来の食道ガンの手術は食道を全摘出し
その代用として胃の管を作りつなげる手術でしたが
今回は穴をいくつか開けるだけ。
【手術の流れ】
1)右脇腹に5つの穴を開けていく。
2)背中から器具を入れ、食道を周囲の臓器から切り離していく。
カメラマン カメラで身体の中を映し出す。
助手 臓器を押さえたり 血液を吸引する等 手術をサポート。
執刀医 食道を周りから切り離す。
3)お腹には3つの穴と7cmの切込みを入れ、
周囲の臓器から胃をはがしていき、胃と食道を外に取り出す。
7センチの切り込みから 直接手をいれ手で保護しつつ
胃と食道を取り出し 患部を切り取る
4)胃の一部を使って、食道の代用として食べ物を通す管を作り、
もとの食道とつなげる。
手術中 最も大事なのは3人の医師のチームワークとなる。
手術当日の佐藤さん
午前9時に手術室へ
午前9時40分手術開始
午後4時5分手術終了
かかった時間はおよそ6時間半
従来の手術の半分の時間
出血量はコップ1杯分
術後30分後 家族と対面して会話
手術翌日 一般病棟に戻り 歩く練習
退院は2週間後の予定
やっぱり治りも早いの?
早いというよりも 患者さんの負担が少ないので回復が早い