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ロマンチック中年男の独り言 DVDレビュー、収集物、趣味全般、日々想うこと

2020年03月06日
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カテゴリ:映画
本日は第43回日本アカデミー賞ということで、記念すべき?第40日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞(宮沢りえ)および最優秀助演女優賞(杉咲花)を取った『湯を沸かすほどの熱い愛』を再見しました?(1年くらい前に放送されたのを録画したもの:2019年5月2日テレ東関東ローカル)。


第40回日本アカデミー賞は『シン・ゴジラ』が各賞を席巻した回でしたから、もし『シン・ゴジラ』と別の年だったら最優秀作品賞や新人の中野量太監督が最優秀監督賞(および脚本賞)を取っていてもおかしくない名作だと思います。
第40回日本アカデミー賞は『シン・ゴジラ』が最優秀作品賞含む最多7部門で圧勝! Movie Walker 2017年3月03日 23:38

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』オフィシャルサイト

素晴らしかったです。二度目でしたがずっと泣きっぱなしでした。猛々しく(雄々しく?)も気高く海(駿河トラフ?)よりもまだ深い母親の愛情と家族の絆を描いた傑作です。

[お母ちゃん、絶対一人にしないから…(涙)] 評価☆5つ (☆5つが満点) A
公開 2016年10月29日 日本 125分 BD/DVDリリース 2017年4月26日
原作 (オリジナル脚本)
監督 中野量太(商業長編デビュー作)
脚本 中野量太
音楽 渡邊崇
主題歌 きのこ帝国「愛のゆくえ」
出演 宮沢りえ(幸野双葉)、杉咲花(幸野安澄)、オダギリジョー(幸野一浩)、松坂桃李(向井拓海)、伊東蒼(片瀬鮎子)、篠原ゆき子(酒巻君江)、駿河太郎(滝本:探偵)、遥(滝本真由、娘で探偵助手?)

2016年10月29日に公開された日本の映画。主演は宮沢りえ。脚本・監督は本作が商業用長編デビュー作となる中野量太湯を沸かすほどの熱い愛 ウィキペディア


始まりは銭湯の煙突でした。俯瞰で銭湯全景が写されて二階の物干し場に宮沢りえ(幸野双葉)が登場します。煙突のすぐ下の物干し場って、洗濯物が煤けてしまうのではないかと余計な心配をしましたが、それは本編ストーリーと全く関係ありませんでした(汗笑、銭湯主人が「蒸発中」なので煙は出てませんでした)。

この映画は同じアングルでふたつのシーンを描くのが特徴です。たとえば赤い車で静岡に旅行に行くシーンでクラクションを鳴らすのですが、霊柩車が弔笛を鳴らすシーンは全く同じアングルでした。

そんなシーンの繰り返しで「伏線とその回収」がロンド(輪舞曲)のように繰り返されるパターンになっています。ファーストシーンの煙突もラストに登場して、"衝撃"のエンディングとなります。

わかりにくい例えで恐縮ですが、私はコンピュータプログラムの「美しいコーディング」を思い出しました。IT企業に就職した平成元年は、ほとんどの新卒がコンピュータにまったく触れたことのない素人ばかりだったので、3ヶ月間の新人研修でコンピュータの"いろは"を勉強しました。

私はC言語を勉強したのですが、ほとんどものにならず(汗笑)、Hello worldとディスプレイに表示するプログラムをコーディングするのが精一杯でした(汗笑、私が担当したのは品質保証やシステム構築だったので、コーディングができなくてもなんとかなりました)。

Hello world ウィキペディア

で、「美しいコーディング」とは字下げやインデントがちゃんと対応していて、作成者以外がソースコードを追うときに見やすい書き方になっているということです。この映画はあるシーンがのちの別シーンにきちんと対応していて、伏線と回収が自然と理解される構成になっています。

そうして「あれっ?」とひっかかるシーンがあっても後にちゃんと説明されるので、理解が深まるとともに徐々に引き込まれていきます。そんなシーンがロンドのようにかろやかに続き、押し付けがましくもなく自然に進行するので最後まで飽きさせません。

そんな見せ方が商業長編作品を初監督したとは思えない中野量太の非凡を感じさせます


母娘二人の慎ましい家庭に突然悲劇が訪れます。

双葉は膵臓ガンのステージ4で余命2ヶ月?と診断されます。営業停止中の銭湯の空の湯船で嗚咽する失意の双葉は、お腹の虫を鳴らした安澄からの電話に「お母ちゃん安澄のために…、とびきり美味しいカレーつくるね(うろ覚えです)」と応えながら、残り少ない人生を安澄のために生きることを心の中で誓って生きる気力を奮い立たせます。


最初の「物干し台シーン」で双葉(宮沢りえ)が下着を干していて、変態スケベなオッサンの興味を引くのですが(汗笑)、安澄(杉咲花)のスポーツブラを眺めるシーン(「まだいいか…」)があります。それが後の「いざというときちゃんとした下着つけてないと恥ずかしいよ(うろ覚えです)」という双葉のセリフにつながり、さらにイジメを受けていた安澄が学校で"双葉譲りの遺伝子をちょっとだけ発揮して勇気を出す"シーンに繋がります。

その"安澄が勇気を発揮するシーン"もオッサンのスケベ心をくすぐる見せ方をするのですが、まったくいやらしく感じませんでした。泣きました。

そのシーンのまえに、美術の時間が終わった安澄がイジメ三人組から絵の具だらけにされるシーンがあります。

学校から連絡を受けた双葉が走って安澄を訪ねると全身絵の具だらけの安澄がうつむいて座っています。「…数えたら12色あった…(うろ覚えです、10色だったかも)」とつぶやく安澄のセリフが泣き笑いを誘いますが、「安澄は、何色が好き?…」「私は、…情熱の赤が好き…」という優しいセリフが、イジメにヒステリックに騒いだりしない"凛とした強いお母ちゃん"を感じさせました。

そしてお母ちゃんが好きな「情熱の赤」はたびたび登場して「衝撃のラスト」まで続きます。まだ小学校前に見える探偵助手滝本真由(遥)も、「双葉は赤のイメージ」だと見舞いに赤いバラを選びます。


話が前後しますが、双葉と安澄の二人だけの家族で話がはじまります。そこに探偵に頼んだおかげで居場所がわかった幸野一浩(オダギリジョー)が戻ってきて、逃げられた女の娘片瀬鮎子(次女:伊東蒼演)が加わります。

さらに静岡旅行で知り合った向井拓海(松坂桃李)も闖入?します。「赤い車が好きだから」とヒッチハイクする拓海は、ファーストシーンが横顔のヘラヘラした細目だったので、松坂桃李だとわかりませんでした(汗笑)。前(斜め前)のアングルでちゃんと目が見えてやっとわかりました。この人は「目ヂカラ」の人だと再認識しました。

次の?サービスエリアで拓海とは分かれるのですが、双葉にハグされる拓海のシーンがよかったです(泣)。"お母ちゃんのハグ"は最強だとつくづく感じました。お母ちゃんにちゃんとハグされた子供は絶対いい子になるはずだと…(涙)。

その日泊まった旅館のトイレで咳き込む双葉のシーンもショッキングでした。便器に覆いかぶさる双葉が崩れ落ちるようにカラダをずらすと、便器を染める「赤」が衝撃でした。

次の日3人はタカアシガニを食べます。ちなみにこの「タカアシガニ」は駿河湾の深海(駿河トラフ)などに棲息するのですが、20年近く前の海洋堂チョコエッグ(食玩)で一気に全国区になりました。私もタカアシガニだけで10個くらい集めました(汗笑)。

私より9歳年下の中野量太監督もその世代かもしれません。

食事した店で毎年4月25日にタカアシガニを送ってくるオバサン(酒巻君江:篠原ゆき子演)の正体が判明します。安澄は"衝撃の再会"?をします。これも伏線と回収がきっちり対応していました。

だいぶ前に手話のオバサンが財布を落として困っているシーンが織り込まれていて、安澄が説明(翻訳?)していました。酒巻君江との再会に「どうして手話ができるの?」と手振りで聞くシーンに「将来きっと役に立つからってお母ちゃんが…」というセリフ(手話)に君江が泣き崩れます。私も泣きました。

双葉に目標を与えてもらって、75台(?、うろ覚えです)を乗り継いで日本の最北端をたずねた拓海が、双葉の元に戻ってきて最初は二人だけだった幸野家は大家族になります(『時間ですよ』の「松の湯」松野家みたいな感じ?)。


双葉安澄鮎子(君江)の女子チームに対して、一浩拓海滝本の男子チームはどこかすっとぼけた飄々とした雰囲気を醸し出しています。それが女子チームが背負った悲しい運命を和らげて悲しいだけの映画にさせません(コメディ映画の面を多く担う男子チーム)。

一浩(オダギリジョー)は惚れっぽいのか、その時々の感情を大切にする人なのか(苦笑)、3人の女性と関わりを持ちます。家族で血の繋がりがあるのは実は一浩だけなのですが(鮎子はちょっと?…ですが)、一見いい加減に見える一家の大黒柱のおかげで、この映画はほのぼのした雰囲気が加わります。

いよいよ双葉は重篤となります。その前に「なにか欲しい物は?」と聞いた一浩に双葉は「エジプト旅行」と答えます。結婚前に約束して果たされてない「エジプト旅行」だったのですが、一浩は食玩のようなセコい(苦笑)ピラミッドをプレゼントします。

緩和ケア病棟(ホスピス)に入院した双葉を見舞いに行った安澄から「こんなセコいお父ちゃんに安澄や鮎子を預けなければならないなんてお母ちゃん不安だわ(安澄、うろ覚えです)」「言ってました(鮎子)」と言われて落ち込む一浩でしたが、それが"感動のお別れ"に繋がります(涙)。


「お母ちゃん、最近同じ夢ばかり見るの」というセリフが、あのシーンだったのかと気付かされたのもちょっとした衝撃でした。あのシーンの子供を「鮎子と勘違いさせるミスリード」をうまく使っていると思いました。


大家族になった双葉たちでしたが、最期の別れは最初に戻って双葉と安澄の二人きりでした。痩せこけた宮沢りえの壮絶な熱演でした(涙)。うつろな瞳で宙を見ていた双葉は目線だけ安澄に向けます。

宮沢りえの熱演に応える杉咲花も素晴らしかったです。横を向いて顔をぐしゃぐしゃに歪めた安澄でしたが、ぐっと飲み込むと精一杯の笑顔を向けます。

君江との再会により双葉から遺伝子をもらってない(双葉から生まれてない)ことを知った安澄の、「お母ちゃんを、絶対ひとりきりにしないから」というセリフが沁みました(涙涙、"衝撃"のラストシーンにつながる伏線でした)。


今際の際をみせず、お葬式のシーンに移ります。最期は正視できないほど壮絶な表情でしたが、ガン宣告されたときに嗚咽した空の湯船が極彩色の花々で埋められ、そこに横たわる双葉は悲しいほどに美しかったです(涙)。

最初で最後の女子チーム家族旅行に出た赤い車がクラクションを鳴らしたように弔笛を鳴らした霊柩車は、途中で曲がって河原に停まります。

「ダメですよね」「…です」「ムチャですよね」「…です」という一浩と滝本の緊張感のない会話が男子チームらしくてよかったです。

火葬場に行かずに銭湯に戻ってきた家族は、みんなで風呂に入ります(拓海は住み込みバイトなので風呂焚き係)。そこでタイトルの意味を理解するのですが、最初は泣きすぎて疲れたためか理解できませんでした。初見は煙の"あの色の意味"がわからなかったです(突飛な演出?ぐらいにしか思いませんでした)。

二度目の今回もボロボロ泣いてしまいましたが、理解できました。非常に良くできた脚本で演出だと思います。

しつこいですが『シン・ゴジラ』と同じ年の日本アカデミー賞だったのが惜しまれてなりません(汗笑)。


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最終更新日  2020年03月06日 20時10分20秒
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