カテゴリ:雑記帖
6月10日の折口信夫の歩きながら眠るくせの話の中で、
「電柱にぶつかつたりしなかつたんだらうか。」 と書きました。 実際にぶつけた話をどこかで読んだやうな気がすると思つて 記憶を探つたらなんと折口ではなく黒田官兵衛(如水)でした。 ぶつけたのはもちろん電柱ではありませんが。 司馬遼太郎の『播磨灘物語』にかういふところがある。 あの日、宿に帰って考えこんでいたとき、不意に柱に 頭をぶつけた。梁がきしんだかとおもうほどの音がして、 やがて髪の中から血が滴った。 善助がおどろき、すべるようにして官兵衛のそばにきた。 「癖だ」 と、官兵衛は善助を追いやった。 「若き日日」の章から。 善助は栗山善助(のちの栗山備後守利安) 血が滴るほどだから、かなり痛烈にぶつけたのですね。 ぼくも考へごとをしながら歩くことが多いので気を付けよう。 ところで、この話は何か資料に基づいて書かれてゐるのでせうか。 それとも司馬遼太郎の創作なのでせうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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