カテゴリ:雑記帖
8月14日のつづき。
バナナのはなしはまだありました。 野村胡堂の『随筆銭形平次』から。 バナナという奇なる果物を始めて食ったのは、一高へ入ってから のような気がする。恥ずかしいことだが、世の中にこんなうまい 物が、またとあるだろうかと思った。 野村胡堂が第一高等学校に入学したのは明治37年のこと。 そのころ貧乏学生だつた胡堂には当時の高価なバナナはなかなか 食べられませんでした。 が、ある時余分の学費ができたので「この時こそは」と大学正門 前の果物屋に飛んでいき、「五六百目」「あるいは一貫目」もの バナナを買ひ込んださうです。 そして友人と二人で校庭の草の上に寝転んで心おきなくバナナを 食べまくつたのでした。 その晩から、どんな猛烈な下痢を起こしたことか、大方の想像に お任せしてよいだろう。 六百目は2.25kg。一貫目だと3.75kg。 バナナ一本150gとすると15~25本。 二人で半分づつ食べたら一人分は7~12本(と半分)。 それは胡堂先生ちよつと食ひすぎかもしれませんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.08.28 01:49:19
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