長期化傾向にある税務調査日数 調査で「申告是認」は4件に1件
東京税理士会がほぼ毎年行っている「税務調査・書面添付アンケート調査」の2010年度結果(有効回答数1,474会員)によると、税務調査件数は2,516件で、有効回答数からみて1回答者(法人)平均1.7件(前回2.9件)の調査があったことになり、ここ3年間では最少だった。また、調査件数なしの回答は676通あり、うち関与先に調査がなかったのが590件。その他関与先がない74件、不明12件。法人税調査は2,002件(前回3,136件)あり、うち所得税の確定申告期に行われたものは98件で、4.9%(前回比0.1%減)となっている。 調査日数について、「1日」で終了したものは、日数が明記してあるもの2,357件のうち、516件で21.9%(前回比1.9%減)、「2日」で終了したものは、1,125件で47.7%(同4.5%減)と、合計で約7割となっている。一方、「3日~4日」が431件で18.3%(同1.6%増)、「5日以上」が285件で12.1%(同4.8%増)と、税務調査日数は長期化傾向にある。特に5日以上の割合は過去3年間と比べ最も高い数字となった。 調査結果については、内容記入のあった2,417件中「申告是認」が593件で24.5%(前回比1.0%減)、「修正申告」は1,759件で72.8%(同0.6%減)、「更正」は65件で2.7%(同1.6%増)。また、修正申告及び更正1,824件中、重加算税処分となったものは281件で22.8%(同1.1%増)だった。 今回の調査で、申告是認のうち書面で通知があったものは、59件で9.9%(同1.6%増)と、ここ3年間横ばい状態が続いている。