★ドイツ前回の旅行でたっぷり回ったドイツ。今回は通過。フランクフルト→ハンブルク→コペンハーゲン ポズナニ→ベルリン(11月3日~11月6日)→ルクセンブルク ◆私の一番長い旅[1/150] 92年7月7日(火) 11:10現在、成田からソウルに向かう機内。 機内食はおそば。空気がものすごく乾燥している。 気温は25.9度で、湿度はどんどん数値が下がって、今26%。 ノートを開いていると、紙の端がめくれ上がってくる。 KIMPO空港での乗り継ぎはきわめてスムーズ。 ゆっくり歩いていって、すぐフランクフルト行きに搭乗。 カメラを大きな荷物に仕舞って預けてしまったのと、 窓際席でなかったのがちょっと残念。韓国を撮ればよかった。 ソウルまでの便で、ドイツ語を8年間教えていたというおばさまと隣り合わせた。 ドイツ語を習ういいチャンスと思ったのだが、ソウル-フランクは通路を隔てた隣になる。 私の隣の女の人は一人で2席を占領している。 大韓航空は、この便でも日本語放送をする。 12:54離陸。1、2分のうちにみるみるソウルが下のほうに遠ざかる。 ちょっとかすんだ晴れ模様。 機内放送では18時ごろの到着するとのこと。早いと助かるな。 高度が上がるほど、空気は乾いてくるみたい。 今、外はずっと青空。 離陸してしばらくは、日本海沿いの海岸線を新潟あたりまで飛ぶ。 ここから直接飛べれば10時間くらいで着くのかな? 2席を占領していた左隣のおネーさんが、着陸の1時間ほど前から窓際の席を譲ってくれる。 赤坂で歌手をしていて、これまで5年日本にいるのだという。 ゴールデンウィーク1ヶ月と夏に2ヶ月デュッセルドルフに帰るのだそうだ。 ドイツで一番好きな場所は?と訊くと、 どこもない、ドイツ人はヘンだ、と言う。 日本の方がずっと好きなんだそうな。自分のことを変な外人といっていた。 けっこういいヒトじゃん、行動の割には。 18時にフランクフルト着。 降りる時、ドイツ語のおばあちゃん先生を見失い、会えなくなる。 荷物のところでもしばらく待ったが会えず、残念だがあきらめて出る。 入国審査、荷物受け取り、カンタンで実にスムーズ。 (2年前のイギリス入国の時は長蛇の列で、帰りのチケットを持っていない人は、 ものすごく時間がかかったりして、大変だったのだが) 18:53発のHbf(フランクフルト中央駅)行きに乗ることができる。 まだ明るいので、気分的にも余裕で、テレフォンカードを買ってから、 前回泊まった駅近くの安宿Goldener starnへ行くと、 Besezt(空き部屋なし)の札が。 まさかと思ったのだが...。しばし呆然としてから、駅のインフォメーションへ。 ホテルリストを貰うが、一泊当たりの値段が出ていない。この時点で19:40。 いすに座っている日本人の男の子に訊くと、やはり探している最中だという。 一緒に紹介してもらい、予約料を折半してもらうことに。 チーペスト!との、Hotel Glockshuberに、シングルを2部屋とって貰う。(それでも、65DM=約5395円←メッセ期間は85DM) 着いてみると、けっこうきれいなホテル。 それぞれの部屋に荷物を置いて、2人で駅まで食事をしに行く。 彼は、人文系が専門だったのだが、方向転換して家具を作る仕事をしているそうだ。 休職して、勉強のために4月半ばから北欧を回ってきたところで、北極圏にも行ってきたとのこと。 Hotelの食堂で11時ごろまで話す。 祈ってから電気を消すと、墜落睡眠だった。 ◆私の一番長い旅[2/150] 7月8日(水)晴れ フランクフルト 24,0℃、52% 5:25頃目が覚める。6:30ちゃんと起床。 洗面・シャワーを済ませ8時半に食堂へ。 すでに食事をしていたN氏と一緒のテーブルで食べる。 この宿は高すぎるので替わるべき、という意見で一致し、 10時ごろ宿を出る。 駅のインフォメーションでN氏が両替をする間、 荷物を守って待っている。 すごく疲れが出てきて、何も考えたくない、動きたくない状態。 これは2・3日ここで休まなきゃ駄目かも、と思う。 計画する気なんか全然起きない。 Gordner Sternに行くと、39DMで、シングルが2つ取れる。 でも、荷物は預かるが、部屋には11:30まで入れないという。 私は携帯用湯沸し(ドム・アパラート)を探しに行くことにする。 N氏は、帰国のリコンファームのために航空会社へ。 カイザー通りをずっと歩き、買い物をする。 先回の旅行で重宝したニベアのベビー石鹸が見つからなくて残念。 (シャワーからシャンプー、洗濯までこれ一つでOKだった) 広場のKauf Hofという大型店で、ドム・アパラートを見つける。 耐熱コップつき27.95DM、コップのない方は19.95DMなのだが、 後者は長くて器械自体が重い。高い方にする。 本当に疲れていて、熱が出そうな感じ。 昼のパンを買って、12:30頃戻る。 私は、43号室にする。 もう一つの39号室は、2年前私が最初に泊まった部屋ではないかと思う。 紅茶を入れ、洗濯をして横になる。 全く動きたくないのだが眠れない。目をつぶって夕方まで動かずに休む。 18:30夕食の約束をしていたので、誘いに来たN氏と、 近くの地元民のためのレストランという感じのところへ入る。 いろいろと話が弾み、仕事の話に始まって、統一教会、三浦綾子、 兄弟家族の話、家庭に関する考え方や、フェミニズムの話、 カラオケやさまざまな価値観の話にまで及ぶ。 とても面白い。(オムレツはすっかり火が通っておいしくなかった) 22時まで、時を忘れて話し、宿に戻る。 フロントで別れ、23時ごろ就寝。 ◆私の一番長い旅[3/150] 92年7月9日(木)晴れ 24℃ 58% ↓ホントはウムラウトがつきます。 フランクフルト市立美術館(Stadelsches Kunstinstitut)へ行く。 美術館はホントに色んな人の色んな作品がいっぱいで、本当に宝庫。 でも、人が少ない。 10cmくらいまで近づいて見るのも、後ろを気にせず後ずさって見るのも、日本の人気美術展では、殆んど不可能(出来てもメーワク)なので、 とってもゼイタクな気分。 天井の白いガラスを通した自然光で、しかも今日は晴れているので、 明るくて絵が見やすい。 そんな具合なので、私は辞書を引いたり、メモを取ったり、 真ん中のベンチに座って見たり、時には窓から景色を見たりしながら、 絵や彫刻を見るという、大層だらだらした回り方をしている。 これは、一人じゃないと出来ないよね。(結局6時間もいた) 誰もいないと思って、ほんの出来心で、 テラコッタの彫刻にそおっと触れようとしたら、 うしろから「Don’t touch!」と係員さんに言われ、 思わずホールドアップの姿勢になってしまった。 一体どこから見てたんだ? それにしても、最初の到着地を割合知ってるフランクフルトにしたのは、大正解だったと思う。 土地カンがあるので安心できるし、がつがつ回ろうという気にもならず、ゆっくり休める。 空港からのアクセスもいいし、ドイツ語も(だいぶ忘れてたけど)私には心地よい。 明日はハンブルクに発とうと思う。今朝方から元気が出てきた。 金曜だから、翌日コペンに行くなら、ハンブルクのAMEXで換金しておこう。 9:17発で、Hamburg Hbf.には12:56着。 ユーレイルパスも開始するから、7時に朝食をとって、8時には宿を出なくては。 N氏とのお別れはけっこう寂しかった。 今日の午後アウクスブルクへ行くというので、朝食堂でアドレスを交換し、 互いにお礼を言って、さよならをする。 別れ際に「あなたはさわやかな人だ」と言ってくれる。 でも、寂しい方が先で、ちっとも嬉しくない。 一度二人でいてしまうと、一人になるのがこんなに寂しいものなのかな。 一人旅の始まりに神様が緩衝を置いて下さったのかも。 でも、もう、一人で歩きなさいということなのだろう。 しっかりしなきゃ。 (注:ほのかな思いが生まれたことは確か。でも、もちろんプラトニックですよ~ん-念の為) ◆私の一番長い旅[4/150] 92年7月10日(金)雨 フランクフルト→ハンブルク 朝の支度に手間取ったが、8時前に宿を出ることができた。 駅の鉄道インフォメーションがすいていて、 パスの発行手続きがすぐできたので、8時にはすることがなくなった。 今日は雨。 待合室(温室のようなガラス張り)には、座って爆睡している人が大勢いる。 斜め前にはヨダレばかりかハナ水まで垂らして寝こけている 短パンに赤い革ジャンの女性。足が虫刺されだらけ。 私が乗る9:17ハンブルク行きは7番線。 バナナを買ったはいいが、硬くてむけない。下のほうからセメて、 ようやく食べられる。味は大丈夫。 鉄道警察の人が3人やって来て、切符のない人はここで座ってる事は出来ないと言う。 たくさんの人がざらざらと出て行き、一杯だった待合室はガラガラになる。写真撮っとけば良かった。 ハナ水ネーさんも、もちろん追い出されてしまった。 けっこう厳しいのね。ちょっと緊張の一瞬だった。 それにしても大量の荷物を持って旅行している人のなんて多いこと! 台車一杯で、駅から出たらどうやって運ぶの?って心配になるくらい。 9時ごろホームに移動。雨の日はやはり少しひんやりする。25.2度、58% ICEの一等車の車内はゆったりしていて極めて快適。 オープンの席に座ったが、コンパートメントもある。 9時20分、静かに出発。 充分休んだせいか今日は荷物(12・3kg?)がいくらか軽く感じる。 網棚にも一人で載せることが出来た。 (でも、後ろにそりぎみになると死にそうになる) 車内販売もあり。ミネラルウォーターを買う。 カッセルの少し前から晴れて、カッセル ウィルヘルムシェーエは快晴。この駅はとても近代的。 ハンブルクへは13時ごろ到着。 ここは駅周辺にいかにも危なそうな人がたくさんいて、危険な雰囲気。 それにしても、歩き方に載っていた宿が廃墟だったのには参った。 往復20分くらいは歩いたはず。やはり、荷物はロッカーに預けてから宿探しをするべきだった。 駅に戻り、インフォメーションで駅近くのHotel-Pension Remstalを紹介してもらう。 ホントに都会はつまらない。ここよりはフランクフルトの方がましだと思う。 ラートハウスマルクトへ行って、AMEXで両替。 川べりを少し歩き、広場で座ってアイス(アマレット、0.7DM)を食べる。 アーモンドエッセンスがきつく、クセのある味。 そのあと駅周辺から、スーパーマーケットを探すが、見つからない。 ポルノショップは掃いて捨てるほどあるのに!! 5時過ぎから急激に眠くなったので、夕食はマクドナルドで妥協。 味は日本と変わらない。ピクルスはちょっと硬かった。 そういえば、ハンブルクって、ハンバーグのもと? 本当はハンブルクステーキの本格的なのを食べればよかったのかな。 ここでは日本人をあまり見かけない。 あれっ日本人?と思うと、韓国か東南アジアの人だったりする。 宿に帰りシャワーを浴びるとさっぱりする。 「日本人には風呂がある!」ってCMがあったが、気持ちが分かる。 めちゃめちゃ眠くて6時頃から、8時頃までうとうとしてしまう。 半分眠りながらも、自分がどこにいるかちゃんと意識している。 ところでこの宿、確かにとても駅に近い。 きれいとは言い難いが、広めで天井も高い。 しかし私の部屋(Nr.7)はトイレとシャワーに近く、しょっちゅう水音がしてうるさい。 疲れてると妥協しやすいよね。 ここは北だから涼しいかと思えば、フランクフルトよりずっと暑かった。 インフォメーションで貰った資料によると、天候は北海に影響されるのだそうだ。 はがきを2通書いて投函。 |