2010/10/08(金)00:31
◆シャガール展(上野・芸大美術館)
上野の芸大美術館で開かれている、
「シャガール-ロシア アヴァンギャルドとの出会い」
を見てきました。
ほどほどの込みようで、
ゆっくりじっくり観ることが出来ました。
一人の人を取り上げた展覧会では年代ごとに、
作風の変化がわかるから面白いです。
シャガールは1887年生まれで、
1985年に没ということなので、
98歳というご長寿だったんですね~。
シャガールといえば、晩年の、
馬や恋人たちやバイオリン弾きが宙を飛んでいる、
幻想的でふわっとした、
曲線的な印象が強かったのですが、
初期の作品はくっきりしたものが多く、
キュビズムの影響を受けたものがあったり、
マリーローランサンみたいな雰囲気の絵、
「緑色の恋人たち」なども新鮮な印象でした。
色彩は若い時から群を抜いて鮮やかで、
後期に至るにつれ明るさが増している印象。
1967年にはニューヨーク、メトロポリタン歌劇場で上演された、
オペラ「魔笛」の舞台美術を手がけたそうです。
すごい大仕事。このとき実に80歳ですよ~。
エネルギッシュですね。
舞台奥の大きな大きな背景幕
(展示されてるだけで10以上!)、
登場人物の衣装、大道具などなど、数々の、
直筆のデザインが展示されてました。
一緒に行ったお友達のMさんと、
オペラって見たことある?
言葉が分からないと面白くないんじゃないかな~?
なんて話していたら、
「字幕が入っているから大丈夫ですよ~」なんて、
話しかけてきた女性がいた。
魔笛の登場人物についても詳しく説明してくれて、
嬉しそうな表情がオペラって面白いんですよって、
物語っていた。
場所柄もあり、先生でらっしゃいますか?って訊いたら、
歌い手なんです、ということだった。
きっと楽しそうに歌うんだろうな~。
ふっくらとしてあったかい感じの女性だった。
ありがとうございます。おかげで倍楽しめました♪
(お顔を忘れないでおけば、どこかでお見かけするかも?)
シャガールは妻ベラをとても愛していて、
作品の中には彼女の姿がよく出てきます。
(写真で見てもとても綺麗な人)。
1944年(57歳)にベラが急逝したのちの作品、
「彼女を巡って」という作品もとても印象的でした。
1952年(65歳)には再婚しています。
「日曜日」という作品にその彼女が描かれてるんですが、
頬がピンクで少女のような感じでしたね~。
若そう!!一体いくつ違いだったのかしら…。
(と妻の立場の私たちは、つい気になってしまうのでした)。
展示されていた最晩年の作品は「イカルスの墜落」
77年(90歳)で完成したようです。
そのお歳でこんな大作を仕上げるなんて凄い!
98歳で亡くなるのですが、
その日もアトリエで仕事をしていたようです。
エネルギッシュで情熱的な人だったんだろうな~。
印刷物や写真で見知ってはいても、
本物の絵からはいつも、違う力が伝わってきます。
そのパワーを今回も貰えたような。
誘って下さったMさんに感謝です。
この展覧会、11日まで開催されています。
興味のある方はこの週末、行かれてみてはいかがでしょう?
上野公園をぶらぶら歩くのも、この季節いい感じですよ!!
(花見の頃のラッシュは凄かったけど)
絵を観て満足した後は、
芸大の学食でお昼を食べました。
豆腐のバター焼き丼、素朴ですが美味しかった。
外のテーブル席もいい感じでしたよ~。
そうそうこの美術館、
東京藝術大学大学美術館っていうんです。
大学が二つ重なるの。
大学院美術館ってのもあるのかな?
ミュージアムショップでは、
芸大のネーム入りのスケッチブックとか、
楽器柄や絵の道具柄のネクタイとか、
芸大グッズもありました!
画家って長生きする人と、
短命な人に分かれる気がします…。
ピカソが92歳、ミロが90歳、マチスとダリが85歳というのは、
よく知られているところ。
それにしても98歳はひときわご長寿ですね。
ゴッホ37歳、スーラ31歳、セガンティーニ41歳、
他にもけっこう居たような…。
命を削って描くような人と、
その逆な人がいるということでしょうか。
長生きの人はエネルギッシュで思うように生きていて、
(ストレスが少ない?)
世の中からも割合早く認められてる人が多い、
(よい生活をしている)ということも関係あるかな…?
日本人画家では、どちらかといえば洋画家は短命で、
日本画家は長命傾向、…なんて話もあるそうです~☆