トマトを毎日食べると肝臓の脂肪が減る?最新研究と夏におすすめの食べ方
「トマトを毎日食べると、肝臓の脂肪が減るって本当?」健康診断で肝臓の数値が気になったり、最近お腹まわりが気になったりすると、毎日の食事でできることを知りたくなりますよね。実は2026年、トマトを毎日食べた人で、肝臓への脂肪蓄積を示す指標がより大きく低下したという研究が発表されました🍅とはいえ、「トマトを食べれば脂肪肝が治る」という意味ではありません。今回は管理栄養士ゆきなべが、・最新研究でわかったこと・トマトと肝臓の関係・トマトの栄養・夏のおいしいトマトの選び方・忙しい日でも作れる簡単レシピ・上手な保存方法まで、毎日の食生活に取り入れやすい形でまとめます。■ トマトを毎日食べると肝臓の脂肪が減る?2026年7月30日、医学・栄養学誌「Nutrients」に「POMOSANO Study」というランダム化比較試験が発表されました。対象になったのは、MASLDのある成人79人です。MASLDとは「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患」のことで、簡単にいうと、代謝異常などと関連して肝臓に余分な脂肪がたまっている状態です。研究では参加者を、・トマトを食べるグループ42人・トマトを食べないグループ37人に分け、6週間比較しました。トマトを食べるグループが毎日食べた量は、生トマト200g+トマトソース50gです。その結果、肝臓にどのくらい脂肪が蓄積しているかを評価する「CAP」という指標は両方のグループで低下しました。中央値で見ると、トマト群 -35dB/m対照群 -18dB/mとなり、トマトを食べたグループのほうが低下幅が大きい結果でした。■ では「毎日トマト=脂肪肝改善」なの?ここは、とても大切なポイントです。今回の研究から、「トマトを食べれば脂肪肝が治る」とまでは言えません。研究期間は6週間、対象者は79人です。さらに、肝脂肪を示すCAPでは差が確認された一方、・体重・BMI・体脂肪・肝臓の硬さ・FIB-4・血糖・血中脂質・肝酵素など、多くの項目では2つのグループの間に明確な差は確認されませんでした。つまり今回わかったのは、「一定条件のMASLDの成人では、トマトを継続して食べることが肝脂肪の指標に良い影響を与える可能性が示された」という段階です。今後、より多くの人を対象にした長期間の研究が必要です。■ なぜトマトと肝臓の関係が注目されているの?トマトといえば、鮮やかな赤色ですよね🍅この赤色の代表的な成分が、リコピンです。リコピンはカロテノイドの一種で、抗酸化作用を持つ成分として知られています。今回の研究でも、トマトに含まれるリコピンやβ-カロテン、ポリフェノールなどの成分と、酸化ストレスや炎症、脂質代謝との関係が考察されています。ただし、「リコピン=脂肪肝を治す成分」と考えるのは早すぎます。食品にはさまざまな成分が含まれています。一つの栄養素だけを見るより、トマトという野菜を食事全体の中でどう取り入れるかを考えることが大切です。■ トマト100gには何が入っている?日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によると、「赤色トマト・果実・生」可食部100gあたりは、エネルギー……20kcalたんぱく質……0.7g脂質……0.1g炭水化物……4.7g食物繊維……1.0g食塩相当量……0gカリウム……210mgβ-カロテン当量……540μgビタミンC……15mgです。水分は94.0g含まれています。トマトは、そのまま食べられて調理の手間が少ないのが大きな魅力。忙しい日に、「野菜がちょっと足りないな」と思ったときにも取り入れやすいですね。■ 8月は夏秋トマトを楽しめる季節トマトは一年中スーパーで見かけますが、本来は夏野菜として親しまれてきました。現在はハウス栽培などによって一年を通して出荷されています。農林水産省では、トマトを大きく、冬春トマト……12月~6月夏秋トマト……7月~11月に分けています。8月はちょうど夏秋トマトの時期です🍅生のトマトを冷やして食べるだけでもおいしい季節ですが、トマトスープトマト煮カレーパスタソースなど、加熱料理にも大活躍します。■ スーパーで迷ったらここをチェックおいしいトマトを選ぶときは、・表面にハリがある・全体の色づきがよい・持ったときに適度な重みがある・大きな傷や傷みがない・ヘタがみずみずしいものを目安にしてみましょう。ただし、トマトは品種によって色や大きさ、甘味、酸味が違います。「真っ赤なら必ずおいしい」というわけではありません。サラダなら甘味のあるもの。煮込み料理なら酸味やうま味のあるもの。料理によって使い分けるのも楽しいですよ😊■ 生と加熱、結局どちらがいい?これはよく聞かれる質問ですが、どちらも上手に取り入れてOKです。生トマトの最大の魅力は、手軽さ。洗って切るだけなので、朝食お弁当夕食の副菜にも使いやすいですよね。一方、加熱するとかさが減り、一度にたくさん食べやすくなります。加工用トマトは、生食用トマトより水分が少なく、加熱すると甘味やうま味も生かしやすい特徴があります。トマトソースやトマト缶を使えば、忙しい日でも料理に取り入れやすくなります。加工品は商品によって食塩や糖類などが加えられている場合があるため、栄養成分表示もチェックしてみてください。■ 忙しい日におすすめ①「トマトとツナのさっぱりサラダ」火を使わず、5分ほどで作れる副菜です。【2人分】トマト……200gツナ水煮……70g玉ねぎ……40g青じそ……4枚オリーブ油……小さじ1と1/2酢……小さじ2しょうゆ……小さじ1【下準備】トマトは食べやすい大きさに切ります。玉ねぎは薄切りにし、辛味が気になる場合は水にさらして、しっかり水気を切ります。青じそは細切りにします。【作り方】①ボウルにトマト、ツナ、玉ねぎ、青じそを入れます。②オリーブ油、酢、しょうゆを加えます。③トマトを崩さないように、さっと和えれば完成です。【失敗しにくくするポイント】玉ねぎやツナの水分をしっかり切ると、味が薄まりにくくなります。【おいしく仕上げるポイント】調味料は食べる直前に和えると、トマトから余分な水分が出にくくなります。【時短ポイント】玉ねぎを省いてもOK。ミニトマトを使えば、さらに手軽です。【栄養ポイント】ツナを合わせることで、トマトだけでは少ないたんぱく質を補いやすくなります。<1人分の栄養価・目安>エネルギー……約80~90kcalたんぱく質……約6~7g脂質……約3~4g炭水化物……約7g食物繊維……約1.5g食塩相当量……約0.4~0.5g※使用するツナやしょうゆなどの商品によって変わるため目安です。■ 忙しい日におすすめ②「トマトと卵のふわふわスープ」朝ごはんにも夕食にも使える一品です。【2人分】トマト……200g卵……2個絹ごし豆腐……150g水……400ml鶏がらスープの素……小さじ1ごま油……小さじ1/2こしょう……少々【下準備】トマトと豆腐は食べやすい大きさに切ります。卵は溶いておきます。【作り方】①鍋に水、鶏がらスープの素、トマト、豆腐を入れて火にかけます。②煮立ったら、溶き卵を細く流し入れます。③卵がふんわり固まったら火を止め、ごま油とこしょうを加えます。【失敗しにくくするポイント】卵を入れてすぐに混ぜすぎないこと。少し固まってから、やさしく混ぜるとふんわり仕上がります。【時短ポイント】トマトは皮をむかなくて大丈夫。ミニトマトなら半分に切るだけなので、さらに簡単です。【栄養ポイント】卵と豆腐を加えることで、野菜だけのスープよりたんぱく質をとりやすくなります。<1人分の栄養価・目安>エネルギー……約140kcalたんぱく質……約12g脂質……約8g炭水化物……約6~7g食物繊維……約1~1.5g食塩相当量……約0.8~1.0g※鶏がらスープの素などの商品によって変わります。■ 忙しい日の夕食におすすめ③「鶏むね肉とトマトの簡単蒸し煮」フライパンひとつで作れる主菜です。【2人分】鶏むね肉(皮なし)……200gトマト……300gしめじ……100gにんにく……1片オリーブ油……小さじ1と1/2塩……1gこしょう……少々【下準備】鶏むね肉はそぎ切りにします。トマトはざく切り。しめじは石づきを除いてほぐします。にんにくは薄切りにします。【作り方】①フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて弱めの火にかけます。②香りが出たら鶏むね肉を入れ、表面を軽く焼きます。③トマトとしめじを加えてふたをし、弱めの中火で蒸し煮にします。④鶏肉の中心まで十分に火が通ったら、塩とこしょうで味を整えます。【失敗しにくくするポイント】鶏むね肉を厚く切りすぎると火が通るまで時間がかかるので、そぎ切りがおすすめです。鶏肉は中心部まで十分に加熱してください。【おいしく仕上げるポイント】トマトから出る水分とうま味を利用するので、水をたくさん加える必要はありません。【時短ポイント】カット済みのきのこやミニトマトを使えば、包丁を使う時間も短縮できます。【栄養ポイント】鶏むね肉からたんぱく質、トマトやしめじから野菜やきのこ類を一緒にとれる主菜です。ご飯を組み合わせれば、夕食としても整えやすくなります。<1人分の栄養価・目安>エネルギー……約170~180kcalたんぱく質……約25g脂質……約4~5g炭水化物……約8~9g食物繊維……約3g食塩相当量……約0.5g※食材の大きさなどによって変わるため目安です。■ 夏のトマトを上手に保存するには?夏はトマトが傷みやすい季節。農林水産省では、気温が高くなる5~9月ごろは野菜室での保存を紹介しています。冷蔵するときは、①トマトを1個ずつキッチンペーパーで包む②ヘタ側を下にする③ポリ袋に入れる④冷蔵庫の野菜室へ入れるという方法があります。農林水産省が示す冷蔵保存期間の目安は7~10日ですが、これはあくまで目安です。トマトの熟し具合や保存状態によって変わるので、状態を確認しながら早めに食べましょう。■ 食べきれないなら冷凍も便利たくさん買ったトマトは、傷む前に冷凍しておく方法も便利です。ヘタを取り、洗ったあとの水分をよく拭き、・丸ごと・ざく切りなどで保存袋に入れて冷凍できます。冷凍すると解凍後の食感は変わるので、生のサラダより、スープカレーミートソーストマト煮パスタソースなどの加熱料理がおすすめです。使い切れないと思ったら、早めに冷凍しておくと食品ロス対策にもなります。■ 毎日食べるなら「トマトだけ」にしない今回の研究では、生トマト200g+トマトソース50gを毎日摂取していました。でもこれは、「健康のために全員が毎日250g食べるべき」という意味ではありません。研究で使われた量と、一般の方への推奨量は別だからです。例えば、朝ミニトマト+ゆで卵+パン昼ご飯+魚や肉+トマト入りサラダ夜ご飯+鶏肉とトマトの煮込み+野菜料理など、普段の食事の中に自然に取り入れてみましょう。■ 管理栄養士ゆきなべのひとこと健康情報では、「○○を食べたら△△が改善した!」という部分だけが目立つことがあります。でも研究を見るときには、「誰を対象にしたの?」「何人で調べたの?」「何週間続けたの?」「何が変わったの?」「変わらなかったものは?」まで確認することがとても大切です。今回のトマト研究も同じです。79人を対象にした6週間の研究で、肝脂肪を示す指標には興味深い結果が出ました。一方で、体重や肝臓の硬さ、血糖、脂質など、すべての項目が改善したわけではありません。だからこそ、「トマトは肝臓にいいから、たくさん食べよう!」ではなく、「毎日の野菜の一つとして、無理なく取り入れてみよう」くらいがちょうどいいと思います😊■ 肝臓が気になるときほど大切なのは食事全体肝臓の脂肪が気になると、「何を食べればいいの?」という答えを、一つの食品に求めたくなりますよね。でも食生活では、野菜を増やす。魚や大豆、肉、卵などからたんぱく質をとる。甘い飲み物やお菓子のとり方を見直す。アルコールとの付き合い方を考える。適度に体を動かす。必要に応じて体重管理をする。こうした生活全体の積み重ねが大切です。トマトはその中で、とても取り入れやすい野菜の一つです🍅■ 今日からなら「一品プラス」でOK最後に、今回のポイントをまとめます。🍅 2026年のランダム化比較試験では、MASLDの成人がトマトを6週間毎日食べたところ、肝脂肪を示すCAPの低下幅が対照群より大きかった🍅 ただし「トマトを食べれば脂肪肝が治る」と証明されたわけではない🍅 トマトにはリコピンのほか、カリウム、ビタミンC、β-カロテン、食物繊維なども含まれる🍅 生、スープ、煮込み、トマトソースなど、忙しい日でもいろいろな方法で取り入れられる🍅 食べきれないトマトは冷蔵や冷凍を上手に活用する🍅 肝臓を考えるときは、トマトだけではなく食事や生活習慣全体を見るまずは今日、いつもの食事にトマトを一品プラスするくらいから始めてみてはいかがでしょうか。忙しい日は、ミニトマトを洗って添えるだけでも十分です。健康のための食事は、完璧にするより、無理なく続けられる形を見つけることが大切です🍀健康診断で肝機能異常を指摘されている方や、脂肪肝などの診断を受けている方は、食品だけで自己判断せず、医師など医療専門職に相談してください。管理栄養士ゆきなべとして、これからも毎日の食事や栄養、旬の食材を無理なく楽しむヒントをお届けしていきます。「あとで作ってみよう」と思ったレシピがあれば、ぜひ保存して活用してくださいね😊みなさんはトマトを食べるなら、そのまま・サラダ・スープや煮込みどの食べ方が一番好きですか?🍅【参考資料】・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」・農林水産省「トマトまるごと まるわかり!」・農林水産省「おいしさをもっと長持ちさせる 夏野菜&果物の保存術」・Effect of Tomato Consumption on Liver Steatosis in MASLD: A Randomized Controlled Trial(POMOSANO Study), Nutrients, 2026愛知産 訳ありトマト約3kgりX1ケース奥三河高原の夏秋トマトになりました。