低地限界。
映画「免許返納!?」を觀る。最近では「帰ってきた あぶない刑事」で觀た舘ひろし主演と云ふことで樂しみにはしてゐたが、案の定いまの邦画のレベルの低さがモロに出たシロモノ。古稀を迎へた往来のアクション俳優が、親友のバイク事故をきっかけに始まった運転免許を返納するしないの騒ぎを主筋に、亡き愛妻との約束、育児放棄されて成長した親友の息子が絡むなど、思惑と約束と意地が織りなすコメディ、とのことだったが、脚本と演出がいかにもお若い世代目線からの偶像的な高齢者像で、かういふテのものは同世代目線からでなくては共感どころかだだの揶揄にしか映らない。「あぶない刑事」をイメージした場面やデコトラなど、高齢者世代が現役だった70年代から80年代を思ひ起こさせやうとする“小道具”類も、いかにもその時代を肌で知らない世代らしい觀念的な描き方で、さほど才能もない若造が高齢者を題材に映画を作らうなどとするとかうなる、と云った限界ぶりがありありとしてゐて、笑ひの要素も作ってゐる當人たちは面白いと思ってんだらうなァ……な薄っぺらい体たらくで却って失笑、主演が舘ひろしでなければ、丸メガネの地味系女子の扮装から時折女っぽさがこぼれるマネージャー役の西野七瀬の好助演がなければ、あまりのつまらなさに間違ひなく前半で席を立ってゐるところだった。自分の魅力をまるで引き出せないこんな制作連中を相手に仕事をしなくてはならない舘ひろしが、氣の毒にすら思へた。