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テーマ:映画館で観た映画(8996)
カテゴリ:浮世見聞記
シネマート新宿で、映画「万博追跡」を觀る。
![]() 父親を自分が生まれる前に亡くし、日本で母子家庭に育った“中華民國”人の若い女性が、今まで人を介して生活の資金援助をしてくれた謎の人物に恩返しをするため、大阪萬博で“中華民國館”のホステス(案内役)をしながら戀人と共にその恩人を探し求める臺湾制作の劇映画で、實際に昭和四十五年(1970年)に千里丘陵で開催された大阪萬博の會場で實際にロケを行なふなど、演出ではない本當の會場の活況がそのまま記録された貴重な映像資料でもあり、父も行ったEXPO’70は私も大いに關心があるので、樂しみに觀に行く。 日本では昨年に大阪で開催された映画祭において2Kレストア版(修復版)で初上映され、今回が初めての劇場公開。 もともと臺湾でのみ公開された作品なので日本人役も臺詞はすべて支那語、外國人目線特有の奇妙なニッポン風俗はある意味でお約束、若き日のジュディ・オング扮するヒロインの林雪子は初めはニッポン人なのか“中華民國”人 なのかはっきりわからず、なぜか場面ごとに髪型がロングになったりショートになったりと目まぐるしく變化するはアラ不思議、萬博會場内でつひに恩人らしきを見かけて戀人と一緒に追跡する場面では、多くのパビリオンのほかエキストラではない實際の見物客たちの姿がドキュメンタリータッチで映し出され、記録用映像からでは見えない臨場感に私も萬博にゐるかのやうな錯覺を樂しむ一方、追跡してゐるはずの二人が途中でなぜかすっかりデートの雰囲氣になってゐるなど、謎の多いのもまた醍醐味か。 ![]() (※當時の記念繪葉書より 述者藏) 事の發端は太平洋戰争末期の上海で起きた悲劇にあると解き明かされるあたり、戰後二十五年だった當時はまだ近い歴史だったことを偲ばせ、登場人物たちの臺詞のなかにのみ登場する蒋介石が、“德”をもって全てを丸く納める結末も、やはり臺湾の時世を感じて興味をそそり、そう云ふ意味においてもなかなか記録性に富んだ、觀る価値のある快作であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026.07.11 10:20:26
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