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カテゴリ:浮世見聞記
太田記念美術館の「アニマル&モンスター かわいい・怖い・ちょっと変!」展を觀る。
![]() 浮世繪に描かれた身近な動物、珍獣、怪異の數々を集めた企画展で、いかにも泰平の世らしい諧謔味に富んだ繪柄のなかにも、容貌など肢体はなかなか冩實で、添えられた意味にも真理を衝いたものがあり、人間が愛玩する猫も野(外)に出れば肉食動物である、とは、何でもかんでも「カワイイ~」と撫でたがる人種への鋭い警告とも讀めて深い。 ![]() (※述者藏) 大地震のあとで大量に刷られた鯰繪には、ナマズが災ひの元凶として江戸庶民にイジメられてゐる構圖の多いなか、「復興景氣を招く」ありがたいもの、と捉へた作品もあり、モノは云ひやうと苦笑を誘ふ。 ![]() (※同) そして船のり德藏が沖で海坊主に遭遇しても恐れず驚かず、「世の中を生きるはうが怖い」と云って海坊主を去らせた歌川國芳の「東海道五十三對 桑名」の一枚は、まさに“憂世繪”の値打ちを高める大出来、災厄を笑ひに転化して吹き飛ばせる心こそ、浮世を泳ぐいちばんの武器なのである。 繪の宿命とは、その物体の“にほひ”までは傳はらない……、わけでもない、陸揚げされた鯨を囲む野次馬のなかに後ろを向いて鼻をつまんでゐたり、鼻を覆ったりしてゐる人を描き込むことで、こちらが鼻で直接感じられないものを視覺化して、どんなにほひなのかを傳へる。 私のやうな素人には、さういふ教示が嬉しいのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026.08.13 02:03:12
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