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ふらっと

Operatio チェンバロ 5

ソロモンの地表に現れた巨大な2本足の物体は、お椀を上下にかぶせ、その中央に横に並べられたビーム砲が16門あるのが確認できた。その16門在る砲身からコンマ数秒の間をおいて発射され、それがあたかも噴き出した花火の様に拡散して見えるのも、各砲身がわずかずつ角度を変えて掃射するからであった。
 次々と連邦軍MSや巡洋艦などが殲滅していく・・・超巨大MAから放たれたビームの一つがベオグラードのMSデッキを貫く。だが、航行には支障はなかった。
「圧倒的じゃないか・・・あんな物が量産されたら・・・」
 ルロイ少尉のいう通りだ、あんな超巨大MAが生産され、運用されたら連邦軍に勝ち目は無い。早期にこの戦争を終わらせなければ、連邦は敗北する・・・シフォンは軍人として考えてはならない事と想像してしまった。
「各機一点照射ファイアー」
 クワトロの合図に合わせ、その場にいた連邦軍MS部隊が一斉に超巨大MAにビーム攻撃を仕掛ける。
 しかし、その何かが違う。やっぱりただ巨大なMAではなかった。
 ルロイ少尉の乗るジムが使用している精密射撃専用のR-4型ビームライフルが、放ったビームの一撃は確実に敵巨大MAの中心を捉えたかに見えた・・・だが。
「なに!!いっ今確かにビームを撥ね返したぞ」
 ターゲットスコープを後部座席に放り投げ、ルロイ少尉は叫んだ。
 ビーム兵器が使えない!?連邦軍の主力兵器は主にビーム兵器である・・・このままでは損害が増えるだけだった。
 巨大なMAは強力な磁界を発生させて、その強力な超巨大MAの主砲は一撃で連邦軍サラミス級宇宙巡洋艦を撃破し、後方に控える連邦軍第二艦隊旗艦「タイタン」に迫り来る。
 この超巨大MAには長距離ビームは通用しない。連邦軍はミサイル主体の攻撃に切り替えるが、超巨大MAの16門在る砲身から放たれるビームがその殆どを打ち落とす・・・。
 シフォンの右翼に映っていたルロイ少尉のジムが閃光を拡げていった、右翼モニターに味方機撃破サインが黄色で非常に示された。
「ちくしょー!」
 アービスの叫びが雑音越しに聞こえる。
 右翼モニターには「白いザク」の姿が映し出された・・・シフォンは思わず叫んだ。
「まさか、このタイミングで、「白狼」だと!!」
 最悪の状況だった・・・「白狼」と言えば、ジオン宇宙攻撃軍最強のエースパイロットである。超巨大MAに随伴する形で6機のザクの中に「白いザク」の姿が確認できた。
 サイクロン小隊は直ぐに攻撃目標を随伴する6機のザクに変更し、マシンガン発射とキャノン砲撃を同時に開始した。
 ザクのモノアイより少し下を狙えば、命中精度の高いマシンガンで容易に攻撃できより早く決着がつき、敵を近づける間もなく倒すことも可能だ。
 ザク5機は容易に破壊。残るは「白狼」一機だ。だが、先程の5機とは全く比べ物にならないほどの腕だ。こちらの砲撃を悠々とかわし、猛スピードで突っ込んでくる。
 シフォンは「白狼」の前に出て軽いステップのように右足を振り、斜めに回避すると牽制のビームスプレーガンを返す。避けられ、「白狼」の右腕に持っていたヒートホークで右腕が吹っ飛ばされる、直ぐにシフォンも反撃を始めており、残った左手のシールドを投げ捨てるとサーベルを抜いた。そのまま「白狼」の左腕に持っていたマシンガンを切り落とす。
一進一退の攻防が続く中、不意にその均衡が崩れた。巨大MAより後退信号弾が上がり、「白狼」もその信号弾を確認すると、距離を離し、ソロモン方面に後退を開始した。
 その「白狼」の後退を確認して、シフォンはヘルメットのバイザーを上げ、大きく息を吐いた・・・。
「逃げるのか・・・あれ以上戦っていたら・・・」
 しかし、後退信号弾は出したが、以前巨大MAの進行は止まらず、道連れを一人でも多く地獄に引きずり込むかの如く旗艦「タイタン」に迫り来る。その圧倒的な力で次々と巡洋艦を撃破し、ついには、巨大MAから放たれて主砲の一撃が連邦軍第二艦隊旗艦「タイタン」を捕らえた。
 だが、その直後、第13独立部隊のMS部隊により巨大MAを撃破する事に成功し、こうして戦いは、ドズル中将の搭乗するMAとティアンム中将の乗る旗艦「タイタン」が共に撃沈されるという劇的な幕切れを迎え、ジオン公国が誇る宇宙要塞ソロモンはたった1日の戦闘で陥落し、ジオン公国の最終防衛ラインの一角はもろくも崩れ去ったのである。


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