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トンイ長いあらすじ(小説風)完全版一覧1~60話 byちょびかじり コピペ厳禁よ

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2019年06月08日
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コムゲの摘発が進むにつれて、父さんはトンイを家の外へ出したがらなくなった。

留守のときはケドラの父さんの家に預けてから出かけた。

楽しみにしていた正月の門安婢 (ムナンビ)役も、父さんのお許しがでないままだ。

門安婢 (ムナンビ)と言うのは、婦人に代わって正月の挨拶をする下女のことだ。お屋敷に行って、美しい絹の衣装を着られるとっておきのチャンスだった。しかもその衣装は貰えて、御馳走だって食べられる。

なのにトンイがいくら寝ころんで泣きわめこうが、父さんは厳しい顔をしてダメの一点張りだ。

こうなったら何が何でも門安婢になってやる……

父さんの心配をよそにトンイは決意した。

幸いにも家を抜け出すのは簡単だった。最近父さんと兄さんがなぜか留守のことが多かったからだ。

ある日、トンイは屋敷の使用人に連れられていった。

娘の嫁ぎ先へ行かせる門安婢がハシカになり、ちょうど代役を探していたという。

座敷で待ちかねていた年配の奥方様は、こくりとおじぎをしたトンイを、品定めするようにじろりと見た。
トンイの藍色の上着ときたら色あせて毛羽だち、何度ほころびを直しかわからないくらいだ。髪は額の分け目から小さく飾り編みをして、まあ小奇麗にはしてあった。

「これがお前の話していた子か?」

「はい……」

使用人は申し訳なさそうに答えた。

「どこの何という者だ?」

奥方は今度はトンイに直接質問した。

「私はパンチョンから来たチェ・トンイと申します」

奥方は思わず絶句し、使用人を睨みつけた。

パンチョンといえば賎民の村だ…

「この娘はとても賢い子ですよ」

使用人の女はこの期に及んであたふたと言い訳を口走った。
実はさんざん探しまわったものの相応の娘が見つからず、急場をしのぐために連れて来たのだ。

奥方は改めてトンイの顔を見た。
確かに賢そうな顔立ちだが、使いものになるかどうか見極めることが肝心だ。娘の嫁ぎ先に失礼があっては困る……

「どうか私にやらせて下さい! 奥方様に恥はかかせません。挨拶文だけでも少し読ませ欲しいのです」

トンイのたっての頼みもあって、奥方は情けをかけてやった。そうしていかにも早く済ませたそうに、使用人に飾りダンスの小引き出しから挨拶状を持ってこさせた。

「一度だけ読ませてやろう。そのまま帰っては心残りだろうからな」

読み始めて早々、トンイは挨拶文の出だしでもう言葉を詰まらせてしまった。

「もうよい! しょせんその程度のものか!」

さすがに堪忍袋の緒が切れたらしい。今にも追い出そうとする勢いだった。
ところがトンイは意外なことを口にした。

「私読めます。……けど、漢字に誤りがあるのです」

「何? 誤り……?」

「はい。ここは形でなく“通る”の字で、またここは“曙”でなく、おめでたい瑞の字を書きます」

「見せよ」

奥方は驚いて挨拶状をトンイの手から取り上げると、卓上机をバンとたたいた。挨拶状すらろくに書けない使用人に呆れかえったのだ。

一転してトンイに対しては、満足そうに微笑みかけた。

「フリガナがついているのに漢字も読めるとは。たいしたものだな」

さっそく衣装あわせをさせようと、世話係の若い女がトンイを別室へと連れて行った。

まず紫の絹地で袖が三色の横しまの服を着せられた。胸と背にツバキのような刺繍がペアになっている。
額には光る玉をちりばめた丸い小皿の髪飾りをつけ、後ろのおさげから赤いリボンを垂らした。

トンイは嬉しそうに、小箱の鏡台の前でくるくるターンして膨らんだピンクのスカートを何度も眺めた。なんたって門安婢の役が終わったあとには、このきれいなお洋服が一式貰えるのだ。
世話係の女が、明後日までに丈を直しておくからとトンイに約束してくれた。


ソ・ヨンギ従事官は憂うつであった。トンイの父、チェ・ヒョウォンのことだ。果たして無事でいるのか……

今ではソ・ヨンギの所属する捕盗庁に取って代わって、なぜか重罪人担当の義禁府がコムゲの捜索に異様なほど熱をいれていた。

賎民村への捜索指示を与えるのは、南人派の大物オ・テソクの甥で野心家のオ・ユンであった。

ソ・ヨンギが高官殺しの捜査に向かう途中で、商店街の小さな路地に入ったときのことだ。

おめぐみを求めて、みの虫のような格好をした男が近づいて来た。

野ざらしの長髪に覆われて、顔はほとんど隠れている。深い目つきをした若い男だ。どす黒い一枚着は白かった名残は微塵もない。

男はついさっきまでリンゴをかじっていた手で、通りすがりのヨンギの手をぎゅっと握りしめてきた。

これはただの浮浪者ではないな……と瞬間的に思った。
大胆かつ無礼な犯行だったが、その手の力強さにヨンギは強い意思を感じとった。

手をそっと開いてみると、小さなメモ紙が残っていた。

赤・壁・松・下の四文字の暗号……

ヨンギは部下たちに悟られないようして、若い男の方をちらりと振り返った。

「無礼者めぇ!」

ちょうど大きな声と共に、若い男が護衛に突きとばされ、鍋屋の縁台へ倒れ込むところだった。
だが次の瞬間には、もうふっと路地から姿を消してしまったのだ……


夜、部署に戻ったヨンギは、暗号の文字を頭に浮かべながら、ゆっくりした足取りで見回りをして歩いた。

緑色の枠の障子……赤い柱と壁板……
部署の敷地の境に瓦つきのレンガ塀があり、その上空から枝が一本下りていた。

それが松だと気づくのと、レンガ塀と柱の隙間から「だんな様…」とささやかれたのが、ほぼ同時だった。

ヨンギはとっさに駆け寄り、ヒョウォンの手を熱く握りしめた。

彼が笠で顔を隠しているのを見て、やはり義禁府に追われていたかと心が打ちのめされた気分だった。

隠れ家をぜひ提供してやりたい。
そう申し出たヨンギに、ヒョウォンは小さく肩を丸めて言った。
「だんな様、めっそうもありません。手前のことはどうかご心配なく。それより見て頂きたいものがあります……」

と懐から折り畳んだ長半紙を差し出した。

「今回の事件を私なりに調べてみたのです。殺された南人三名それぞれの部署では互いの不正を荒探ししていたようです。はじめ手前は、高官殺しは西人勢力の仕業かと思いました。が、実は南人派内部による犯行ではないかと……」

ヨンギはそれを聞いてハッとした。

ヒョウォンと別れたその足で実家へ立ち寄り、ヨンギの父ソ・ジョンホに相談した。

「確かに疑わしい。私が出向いて王様に事実を伝えるとしよう。しかし王様は今日の午後、崇陵 (先代の王、顕宗の墓)へ出かけられた。明日参拝されたあと、治療のためそのままお泊りになるのだ」

父ソ・ジョンホは王様を追い掛けるつもりらしい。ヨンギと同じく責任感が強いだけに、ひどく気が高ぶった様子だった。

「ところでひとつだけ聞きたいことがある。そなたにこれを伝えたオジャギンとやらは信用できるのか?」

「ご心配なく。誰よりも信頼できる者です」

ソ・ヨンギはきっぱり答えた。

だが部署に戻ったヨンギに、部下からヒョウォンの違う一面を聞かされた。

夜も遅いし、護衛のつもりでこっそり部下に跡をつけさせたのだが、驚いたことにヒョウォンは道が行き止まりになると、がれきの壁を忍者のように蹴りあがり、集落の闇へと姿を消したというのである。

プロの尾行に気づくほどの軽い身のこなしは、これまで知るヒョウォンとは違う。

何か釈然としないものを埋めるように、ヨンギは明日の計画に全神経を集中させた。

雪が掻き乱れるなかを、ソ・ジョンホをのせた輿が王様を追って、少数の護衛兵と共に山腹へ入った。

その道中で起こった事件の速報に、ヨンギが思わず顔をしかめたのは、最初、部下の言った意味がよくのみ込めなかったためであった。

「コムゲが御父上様の輿を襲ったそうです。その場でオジャギンのチェ・ヒョウォンが捕まりました。あのオジャギンはコムゲの頭だったのです!」


同じ頃、下僕は門の前を掃き清め、嘉の字と猫みたいに愛らしいトラの絵を別々に貼った。赤いトサカと紫の長い羽尾を持った鳥の絵も、いかにもおめでたい。

青い空には正月らしく松の空き地に凧が三つ浮かんでいた。丸い穴の空いたのや、三色のストライプのもあがっている。
外は人通りが多く、子連れの家族などが出店の前で足を止めた。

「新春の門出にあたり、皆さまのご健康とご繁栄を心よりお祈りします」

門安婢のトンイは屋敷の主人へつつがなく挨拶を済ませた。
あとは「末長く幸福と成功がもたらされることを祈る」という主人の返事を、向こうの屋敷へ戻って伝えれば無事任務は終わりだった。

ご褒美にと控えの間へ一膳の御馳走が用意された。誰も見てなかったので、トンイは両方の手でつまんで、むさぼるようにして食べた。
残りは風呂敷にでも包んで貰って、父さんと兄さん、それに友達のケドラへのお土産にしたら、きっと喜んでくれるだろうと思った。


2011/4/24更新


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最終更新日  2020年01月08日 10時49分49秒



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