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カテゴリ:kirunaboのつぶやき
先日の予告通り日帰りハイキングをしてきました。

天気はまずまず。風があって半袖ではちょっと寒いかな?というくらいの気温。午前中は晴れていましたが、午後は薄雲がずっと広がって、ハイキングにはもってこいの条件でした。

朝一のナルヴィーク(Narvik)行きの電車は、夏の間は代行バス運転なので、駅まで行って07:35のナルヴィーク行きのバスに乗り込みました。キルナから乗った乗客は10人程度でしたが、途中のアビスコ(Abisko)からガイドを含めた13人と個人トレッカーやハイカーが20人近く乗り込んできて、バスは一気に満員近くに。

午前09:30に、ロクタショッカ(Låktatjåkka)駅に近い欧州道10号線(E10)の道端に降りました。この駅へのアクセスはトレッキング用のトレイルのみ。だから、電車もここには停車しません。


loktastn

一緒に降りたバスの同乗者達の一部。彼らにはこの後一度も会わなかったので、別方向にあるロクタショッカ山小屋の方に行ったと思われます。


それにしても、一人で(日帰りとはいえ)ハイキングしたのは、5~6年ぶり。久々の山に心もウキウキ。


vassichokka

見えている山はヴァッシショッカ(Vassicohkka)。ニルスの不思議な旅でお馴染みのアッカ隊長率いるガンの群れの最終目的地。私達は山スキーで冬にしか登ったことがないので、夏の間どんなところか知りませんし、今回の目的地でもないです。


目的地はトロールフェーン(Trollsjön)。シェルケヴァッゲ(Kärkevagge)というヴァッシショッカ(上の写真)とゲアルゲチョーロ(表記はサーメ語のみでスウェーデン語のものはなし、)の間の谷間、その谷の行き止まりにトロールフェーンがあります。

トロールフェーンは、前回も記した通り、スウェーデンで透明度が一番高く、34m下の底まで見え、かつ、スウェーデンで一番冷たい、氷河湖(の名残り)です。


stigmottrollsjon

トロールフェーンへのトレイルは、氷河が残していった大きな岩がごろごろ。シェルケヴァッゲの谷間は到底歩けませんし、谷底はデルタや湿地帯になっていて、さらに歩けません。今回は行きは、ゲアルゲチョーロ側のトレイルを辿っていきました。


夏のこの時期は、ここシェルケヴァッゲに来たことがないと思っていましたが、2003年に実は来ていました。その時は夫と一緒で、今回の行程とは逆で、ヴァッシショッカ側から登ってトロールフェーンに行き、そこからゲアルゲチョーロ側を辿ってロクタショッカに戻る、というものでした。

どうして2003年と言う年を覚えているかというと、この年のもうちょっと早い時期に札幌での国際学会に出席していて、夫はその時一緒に初来日。で、札幌滞在中にカメラやカメラの周辺機器を大量購入して、それらを初使用のためにハイキングしたのがシェルケヴァッゲだったからです。夫は、この時期(大体7月頃)の、ここシェルケヴァッゲでしか見られない植物(主に高山植物)を、新しいカメラを使って撮影したかったのです。

今回の私のハイキングの目的は、実は高山植物。トロールフェーンも目的ではありますが、以前夫と来た時には注意を払っていなかった植物を自分でちゃんと確認したい、と思った訳です。
撮影した(高山)植物は、フリーページに紹介しています


trollsjon

写真撮影で結構トレイルを外れて寄り道した割には、12:00前にトロールフェーンに着いてしまいました。まだ、が残っているのにはびっくり!それにしてもどうです、このさ。これで天気が良かったらもっと映えた色になったと思うのですが、世の中には、こんな『青色』があるんだぁ~と見惚れた一瞬でした。


トロールフェーンに着いた時、一番風が強く、そして一番雲が厚かったので、お昼ご飯はヴァッシショッカ側のトレイルのどこかで取ろうと思い、写真をいくつか撮ったあと、さっさとこの場をあとにしました。


renor

この日「やけに、トナカイの(新しい)糞や足跡が多いなぁ~」と思っていたら、どうも、山に移動する前のトナカイの放牧期間が始まっていたようです。谷間のあちこちでトナカイの群れをみかけました。とにかく、寒いところが好きなトナカイ達、残雪の上で食後の休憩、う~ん、気持ちよい!?


もうちょっとしたら、本格的に山移動をするトナカイ達。正確には、移動させるのは飼い主のサーメの人々であって、トナカイの自主性ではないのですが・・・。ゲアルゲチョーロ側では気づきませんでしたが、ヴァッシショッカ側のトレイルに来た途端、あっちでもこっちでもトナカイ、トナカイ、トナカイ。

ヴァッシショッカの方が湿地度が高いのですが、植生もゲアルゲチョーロのはちょっと違うのか?ヴァッシショッカ側では何千頭ものトナカイ達が草を食んでいました。

この日気づいた他の動物は、山雷鳥(ライチョウ)(fjällripa、フィエルリーパ)の雄、そして、下の写真のヨーロッパムナグロ(ljungpipare、ユングピーパレ)。ライチョウの方は写真を撮れませんでしたが、ユングピーパレ(ムナグロなんて、何か可愛くない名前なので、こっちを使います。尚、ユング=ヒース、ピーパレ=ピーピーと鳴くもの)の方は、人を恐れない性質みたいで、割合近くでも写真撮影が可能です。


ljungpipare

ヨーロッパムナグロなんて可愛くない名前だと思うので、私は断固、ユングピーパレ(ヒースでピーピー鳴くもの)の方を使います。その鳴き声、もの悲しげなピーピーなのです。


山レミング(fjällämmel、フィエルレンメル)が今年は戻ってくると、とある機関のレポートに載っていましたが、シェルケヴァッゲでは1匹のレミングの死体を見かけただけで、活動のあとは一切みかけませんでした。本当に今年は戻ってきているのかしら???

帰りは、ヴァッシヤウレ(Vassijaure)駅から。ちょっと遅れてきたけど16:26のルーレオ/ストックホルム行きの電車に乗って、キルナへ。今年は夏が遅いのか、電車の窓から見えるラッポーテン(Lapporten)も至るところに雪が残っていました。

vassistn

lapporten

【上】ヴァッシヤウレ駅の方を望んでいます。駅舎が分かりますか?駅の背後に広がる湖がヴァッシヤウレ。多分、ニルスやアッカ達の仲間はこの周辺に営巣したのだと思います。
【下】電車の中から見たラッポーテン。電車はアビスコ東(Abisko Ö(stra)、アビスコオェストラ)に停車中。



:その後調べた結果、Kärkevaggeのオリジナル(サーメ語表記)がGeargevaggiであることに気づき、したがって、ゲアルゲチョーロは、スウェーデン語風にはシェルケチョーロと判明しました。






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最終更新日  2008年07月13日 22時42分29秒
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