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エリアマーケティングと釣りのおはなし

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2006年07月12日
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1. ポスティングとは?

チラシ配布・ビラ配り・宅配屋さん(厳密には違う)etc、呼び名は色々ありますがこれらをカッコ良く?表現しているのがポスティングです。
  
チラシの歴史は江戸時代までさかのぼり当時は引札と呼ばれていました。引礼は町中でも配る(現在の街頭配布)と同時に一軒一軒(現在の軒並配布)で配られていたと言われています。
かわら版が新聞の原点ならば引礼はポスティングの原点であり、まさに現代広告の起源とも言えるでしょう。

ちなみにビラという言葉の語源は紙なのでひらひらしているからビラという説と英語でbill(ビル。勘定書やポスターなどに文字を書いた紙片を指す)という言葉から由来しているという説、またチラシは当時の引礼を撒きちらすという事からチラシと呼ばれるようになったという諸説あります。またポスティングは和製英語で、英語でpostやmailがそれに該当しますがingは呼びやすい様に日本独自で付加したものでしょう。

参考として、皆さんが折込と言っているものはものは新聞に挟み込んで新聞配達員が限定された購買者に宅配するものですからポスティングではありません。新聞折込とポスティング厳密には別の種類になるのです

既にブログにてお伝えしているエリアマーケティングも同じですが、ポスティング等のエリア販促について私の経験上、その知識があるないでは反響を含めた費用対効果に大きな差が出てきます。

少し話しはそれますが現在皆さんの多くは宣伝のほとんどを広告業者任せにしていませんか?
さすがにリクルートレベルになると資金力を持って果敢なチャレンジを繰返し膨大なデータを蓄積しています。
例えば今大流行しているホットペッパーもその創刊数年前に360(サンロクマル)というエリア情報誌を発刊しながら数々のデータを集積し辿りついた情報誌です。

その様な情報誌であれば企画力と認知度ありきなので、掲載すればそこそこの効果が得られると思います。しかし、自社チラシにそれは通用しません。いくらチラシ内容が優れていても投函方法によっては効果が無い時もあり、また内容がそこそこでも反響大という事もあります。

Circulation 物事の全ては円を回るが如く循環しています。商業においても商品販売→購入→利益→商品製作・仕入→商品販売と常に同じ流れの繰返し。
企業主の皆さんは自社商品に力を入れるは当然の事ですが、全ての流れ、特に購入に至るまでに注意を置いているでしょうか?

そこで現在進行中のエリアマーケティングと並行して平成ポスティング考で皆さんがあまり知らない知識を得ていただいたら、という思いで連載?をスタートさせたいと思います。


2. ポスティングの役割

今は誰でもインターネットが使える時代になりました。インターネットで商品購入している人も多数見受けられます。しかし、それでも自宅のポストには毎日多くのチラシが投函されています。(首都圏では一日10種類以上という事もあります。)デジタル化時代にも関わらずチラシが減らないのはなぜなのでしょうか?

平成16年度の統計によると国内における小売業の事業所総数は約1,230,000件(会社以外の法人も含む・平成18年度日本統計年鑑)です。この内50人以上の事業所は全体のわずか1.2%10人以上の事業所を含めても14%に過ぎません。残りの8割強が10人以下の小規模展開での事業所、1,000,000件以上です。

その中には「うちは宣伝なんかしなくてもいいんだ。」という店舗主も多く存在しますが、それらを9割差引いたとしても現在国内で100,000件以上の小売業者は何かしらの宣伝で集客を期待していると考えられます。

インターネットでの宣伝は手軽に見られるという利点がありますが1台のパソコンで見るのでなにせこれは数が多過ぎます。インターネットにて宣伝効果を出す場合、検索エンジンに登録するかリンクを張る事が有効だと思いますが検索エンジンは初めの5ページくらいで普通の人は見飽きてしまいます。
リンクは数多く張るか有力サイトに登録しなければ効果が期待出来ません。
また最近はブログを利用している方も多く見られますが、これにしても1~2年前ならいざ知らず現在のブログ数は公私を含めると膨大な数になり、斬新なアイデア・優れた文章力、そして相当な労力をかけなければ企業として競争出来ない状態です。
  
「いや、そんな事はない。成功例もたくさんあるではないか。」というご意見もあるでしょう。確かに成功されている業者も多く存在していますが、逆に失敗例はほとんど皆さんのもとには届いていないのが現実です。それはネット関係だけではなく企業成功例におけるほとんどだと考えます。

ちなみ私が以前所属していた地域情報誌は現在国内最大部数を誇っています。その成功例を目に耳にして「これは良いビジネスアイデアだ。自分もこれで稼ごう!」と数億の出資金を集めて後に続こうと試みた方も多く知っていますが、ことごとく失敗しています。

そういう後続の情報誌創刊にも深く関わった事もあるのですが、ほとんどの社長さんが成功例だけで動いていたのですね。これについては「数億も出資させてこんな事しか出来ないの?」というあまりにも稚拙な例も多くあったので機会があればお伝えします。

私は現在国内最大部数の地域情報誌の立上げメンバーでしたが、ある程度のラインに乗るまで5年近くかかりました。失敗談も嫌な経験も数知れずですが、その様な事例をそのままメディアに伝えるでしょうか?常識で考えればNOですよね。華やかな成功例の影には多くの失敗があるのです。

成功に向けて突っ走る事はある意味起業家の鉄則だと思うのですが、同時に単純な事から再学習していく人が成功に辿り着くのではないのでしょうか。
人間というのは面白い生き物である事について少しでもかじると全てを知った感覚になってしまう傾向があります。例えばある場所に半月程度滞在しただけで「俺ここ何でも詳しいんだぜ。」みたいなね。

話しを戻しますが、100社だったら100社成功するなんて不可能なのです。せいぜいその内の5社程度が良い効果を得るのが現状だと思って下さい。つまりよくて5%です。その辺を間違えてしまうと宣伝は失敗してしまうと考えた方が無難でしょう。

次に口コミです。数年前の東京都資料によると購買意欲を刺激する一番の宣伝方法は口コミと説明されていました。これには私も賛成で人から人へ伝わっていく形が消費活動の中心を形成している事は事実だと思います。
しかし、この場合誰がが商品告知を見てからはじめて口コミが発生するという事、つまり媒介だという事は忘れてはいけない点です。
  
実際口コミだけで成功している企業もありますが、彼らは「既存とは違う全く新しい方法」「強引な説法」のどちらかを利用しており、特に後者は色々なトラブルがついて回ります。多くの人が平均的に出来る手法では無いでしょう。

新聞折込はポスティングと比較すると利用頻度が高く、また確実に新聞購買者(消費者)の手元に届くという点では信頼度の高い方法です。
あえて欠点をあげるとすれば購読者・配布範囲が限定されている事と同時に手元に届くチラシの種類が多過ぎる事でしょうか。

ある町丁目が1,000世帯あるとして読売新聞でも平均で500世帯はカバー出来ていません。その場合は複数の新聞で補う事が出来ます。また、各新聞販売店はテリトリーがあるのでピザや寿司の宅配業の様に独自の商圏を作っている場合、販売店のテリトリーとの微妙な誤差により若干の無駄が発生します。

皆さんも知っての通り(特に首都圏では)朝刊の折込が一度に10種類、日によっては20種類以上という事もあります。その場合、は全てのチラシに目を通すでしょうか?スーパーや家電店のチラシはまず見ますよね。しかし、他はよほどの事が無い限り内容を見ずに捨ててしまうのでは?種類が多ければ必要以外のものには興味を示さないのが動物の行動パターンというものです。
 
また最近はインターネットの普及により新聞を購買しない世帯が年々増加傾向にあります。新聞と同じ記事内容、またテレビ番組表を電子版として自宅のパソコンで見る事が出来るからです。
  
その様な中でポスティングの役割は基本的に世帯のほとんどに宣伝物を投函するので上記手法をカバー出来る唯一の方法として有効なツールと言えるでしょう。

インターネットではプリントアウトしなければ持ち歩く事が出来ません。これも人間の習性で例え紙でも手に取った感触というのは大切なようです。
また情報誌は1ページ程度枠を取らない限りは宣伝内容を全て伝える事は困難で、それをするには高い広告料金を支払わなければなりません。
その様な部分をカバーしているのがポスティングであり、だからこそデジタル化まっしぐらの現在でも未だ需要が高いのでしょう。(これについては日本人の風習が大きく左右していると思いますがこれもまた別の機会に。)
 
ここまでで言っておかなければならない事はポスティングが一番有効な宣伝方法では決して無いという事です。皆さんが宣伝をする時に一番有効だと思う方法を選ぶのが良いのですが、広告代理店等の業者任せではなく自ら学習・検証する事でより高い費用対効果が得られると私は確信しています。






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最終更新日  2006年07月13日 03時04分04秒
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