文楽『夏祭浪花鑑』@国立文楽劇場 17/07/27
国立文楽劇場で27日『夏祭浪花鑑』見てきた。歌舞伎では大抵省かれる磯之氶のくだりが入って分かりやすかった。磯之丞はホント、ダメダメ男で浮気はおろか、人殺しまでしちゃって、尻拭いに右往左往する主要人物たち。お父さんは皆、命を捨ててもとまで恩義を感じるほどの立派な人らしいのに。だからなのかしら?三婦、団七、徳兵衛の妻、三人三様のヤンキー妻っぷりが面白かった。三婦の妻は一番年上のはずだが、一番軽率。徳兵衛女房お辰は簑助さん。脚が弱ってらっしゃって、支える役の黒衣が付いてる。なのに人形は全くゆるがなくて流石。この間まで半径3m位フェロモンが漂ってたけど、その量は減ったかなぁ、でも綺麗、かっこいい。 燕三さんの襲名の『逆櫓』のとき ワタクシ、お筆(もち、簑助さん)の真ん前の最前列で、 フェロモン半径3mの中へ入っちゃったもんですから、 もうストーリーそっちのけで、お筆だけ見つめるしかなかったです。 何年か経って同じ演目見て、 お筆が「遺族に言ってはいけないこと」リストを 全部言っちゃうようなトンチキだったと初めて知りました。 それくらい簑助さんのお筆は色っぽくて美しかったです。 私が文楽を見始めた、40年近く前、立役の人形遣いは玉男、勘十郎、女形は文雀、簑助、四人で主要な役をまわしておられた。。’86年勘十郎さんが亡くなったあと、ずっと三巨頭が続いてた。外見も3人共全然ふけなくって、簑助さんは脳梗塞からも完全復活、永遠に続きそうな気がしてたけど、'06玉男さん、去年の文雀さんとなくなって…。 幕が開き、盆が回ったら、咲寿大夫さん出て来はって、歌舞伎では省かれる場面だったけど、ちゃんと語りわけもできてよかったです。4月は松王丸の声が高いかなぁと心配したのだけど、喧嘩場は荒事で童子の如くってな口伝があったかと(それは歌舞伎?)。咲寿大夫さんは、小学校の文楽体験学習で太夫になることを決め、13歳で弟子入りしはった美貌の若手太夫さんなので、お写真見たげてね。絵まで素人ばなれしてて劇場売店でタオル売ってたわ。 公式ブログ 千歳太夫さんの三婦のセリフの時の表情がむっちゃ楽しくて、ついそっち見てしまう。できることなら人形と両方見たいもんだが。大坂の地名がいっぱい出てきておもしろい。最後の殺し場は日本橋でんでんタウンあたり。幕切れの「八丁目さして」ってのは長町なのか?南へ逃げた?上本町八丁目だったら東へ?谷町かな?だったら北だ。