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テーマ:お勧めクラシック(497)
カテゴリ:おしばい
確か私の持ってた『椿姫 ハイライト』CDは
彼女のヴィオレッタだったはずと引っ張り出してきた。 えーとアルフレードは誰だっけ? わっは~!ルチアーノ・パヴァロッティでしたよ。 ジャケットには二人の顔が描いてあるのに 男の方はすっかり忘れていた~。ごめんよ~。 これ、「ああ、そは彼の人か~花から花へ」のところで 聞いていてヴィオレッタがかわいそうで泣いちゃうのだった。 高級娼婦の生活でしか生きていけないと思ってたけど アルフレードが純愛をささげてくるので、 ふと、この愛に生きれば神様に許されるのかしらと一旦考える。 しばし、その歌を歌うものの、我に返り 「ははっ!」と笑って「花から花へ」と自分の享楽的な生き方を歌う。 そこへアルフレードの歌がまた聞こえてくる、 それでも「花から花へ」を歌おうとするんだが、 また聞こえてくるアルフレードの歌、その繰り返しの末、 最後は耳を塞ぐためのように歌いあげて幕が閉まる。 昔、ビデオを借りてみたゼフィレッリ監督、ドミンゴがアルフレードの ドミンゴ、ハンサムなんだけどねぇ、 後ろ姿になると突然ごっついおっちゃんになってしまうのであった。 椿姫のテレサ・ストラタスは細い人でした。 これは最終幕のアルフレードとその父が駆け付けるのは ヴィオレッタの幻覚ってことになっていて、 彼女は立ちあがってカーテンを握って倒れ、 自分で自分の人生に幕引きをするんであった。 ヴィヴィアン・リー主演の『美女ありき』の幕切れと一緒だったな。 最近のオペラで流行りの 身も蓋もない人生そんな美しくもないぞって演出では なおのことこの流れらしいのだが、 それじゃぁ、あんまりヴィオレッタがかわいそうだ。 いっそのこと、この1幕の終わりで彼女は喀血で窒息死して なおのことヴィヴィアン・リーなわけです 臨死の幻想の中で思いつく限りの最良の余生を夢見た 願っても得られないと思っていた真実の愛を得て、しばらくは愛の生活を送り、 自分以外の者のために自己犠牲を払って、生きてきた意味を作ってから死ぬと ってことの方がまだいいんじゃないか。 そんなことを思わせるような ジョーン・サザーランドのヴィオレッタだった。 大体ね~、最近流行りのオペラ演出って違うよね。 バレエの新演出はいいと思う。 男ばっかりの『白鳥の湖』は私も見て大変感動した。 でも、バレエには音楽しかないんである。 オペラには厳然とテキストってものがあるでしょ。 それもシェイクスピアみたいに可塑性のあるテーマではなく、 がちがちに固まったメロドラマの。 それをバレエのマネしたのかなんか知らないけど、 演出家が小手先の新解釈でいじっていいものできるとは思わない。 そもそもバレエの指揮者は振付家の指示で 演奏の仕方を変えたりするんだけど、 オペラで一番偉いのは指揮者であって、演出家はその下でしょ。 いやぁ、オペラ見たことないんだけど、桁違いに高いしさ、 でも、新聞とかで評見ると思うの。 それから、『椿姫』のCD、最近のものをもう一枚持ってるんだけど、 これが楽しくない、こんな暗い「乾杯の歌」なんか聞きたくない。 ジョーン・サザーランドのは最盛期の声ではないようなのだけど、 高音から低音まで自在に使いこなして美しい、 パヴァロッティがまた美声で歌いあげるので、 聞いてて爽快感がある、なおかつ泣いちゃう。 私は大体が、仁左衛門と玉三郎のファンだからね~、 明るくて華やかなお芝居でなおかつ深い解釈の そういう芝居が好きさ~。 笑うところでは笑って泣くとこでは泣く。 深刻な顔すりゃえらいなんてことはないんである。 もったいぶって暗い芝居をして それで演技派気取ってる役者が一番嫌い。 ジョーン・サザーランドさんは その美声と技巧と演技力も素晴らしいし、 ちょっと顎の長い顔立ちも好きなんだけど、 プライベートの写真がいつも気取らず笑っている。 よく知らないけどなんだかよい人なような気がする。 どうぞ安らかにお眠りください、どうもありがとうございました。 ~~~~~*~~*~~*~~~~~ 私は『のだめ』のオペラ編を楽しく読むために、 『魔笛』のCDがほしいのだが、 上に書いたような理由のためにどのCDを買えばいいのか なかなか踏ん切りがつかないのである。 『魔笛』にへんな解釈なんかクソ食らえである、 峰くんが主張するようにおなか抱えて笑えればいいのだ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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