有坂放浪記

３日程前から、mameちゃんが激しい下痢で寝込んでる。
ＶＩＳＡの為に大使館に行く以外は大体寝てる。

昨日の夜から俺の腹も雷のような音がしてる。
今日の朝は完全に水である。

頭の中で、６回も試験を受けた獣医細菌学各論がグルグル回る。
「激しい水溶性下痢から来る極度の脱水により死亡」
とか
「経口感染により伝播」
とか
「長期にわたって排菌」
とか。


mameちゃん；3～4日にわたる激しい水溶性下痢
　　　　　　　　　⇒抗生剤、断食でも回復しない。
俺；原因不明の突然の腹痛⇒激しい水溶性下痢。
　　「米のとぎ汁様」と言えなくもない。
例えばこの原因生命体がmameちゃんから俺に伝播したと仮定した時の感染力、
地理的条件、症状などから
ある禁断の単語が頭の中で選出された。

コレラ........。
コレラ？コレラってVibrio Choleraeの？
検疫感染症じゃん。やばくね？
隔離？

とここまで頭が暴走してきたところでmameちゃんが一言。
「なんか治ってきたみたい。」

ということで、
コレラはそんな生易しいもんじゃないぞってことで、
俺らは単なる食あたりってことで、
許してもらえませんかね？
じゃあそういうことにしておきましょう。
コレラって、ねえ。コレラなんてそんな、ねえ。

どうせ最近俺らの中で流行ってた、あのサンドイッチ。
素手で生野菜ぶち込んでるいかにも危険なあの。
その素手で金受け取ってみたりさー。
あれだろ。どうせ。


まあ、そんなこんなで、
ＶＩＳＡ出来次第ポカラに向かおうと思ってたけど、
少なくとも今日は無理そうです。

ちなみにmameちゃんは、断食＆水分補給の鉄則を忠実に守り、
俺は断食を試みるも匂いに負けて、朝から食いまくってます。
「俺は人間本来の持つ回復力に賭ける！」
と、ブラックジャックのワンシーンのような台詞(言い訳)をして、
夕飯も旨いものを食う気でいます。

先生。ごめんなさい。
いくら下痢でも、断食は無理です。
少なくともこの街では......。