部屋の歴史
部屋の荷物のほとんどを実家へ。
残った家具も近日中に貰われていく。
部屋が空になり、
入居時部屋を見に来た時の状態に戻っていく。
あの頃は、
何かから逃げて、
新しい何かを始めたくて、
隠れるように、企むように引越した。
この部屋は、
俺の秘密基地でした。
いつも窓は開いていました。
トイレの水を流すと、お風呂のお湯が熱湯になりました。
洗濯機専用の部屋がありました。
押入れをいじると隣りの住人が暴れました。
プレステは常につきっ放しでした。
ベットと壁の隙間には漫画がたくさん落ちてました。
壁は仮面が並び、一番高い位置にはパーマ屋の生首がありました。
入居時からガラスが割れてました。
ある時は雀荘で、
ある時は怪しい会合の本部、
ある時は酔っ払い仮宿舎で、
ある時は塾でした。
この部屋の歴史は、
俺の周りの人達によって作られました。
彼等、彼女等が、
文句言いながら好き勝手にやって、
最高の部屋となりました。
皆さん、感謝です。
俺は引越します。