読売「歴史のかたち」と『獅子の棲む国』
昨日の夕刊を、母が「あろちゃん、この記事見てみー」と取っておいてくれました。理解のある母です。読んでる本に大鳥さんが載ってたりするとすぐ教えてくれます。リエさん曰く「娘の恋路を応援してくれてるんですね」。 ………恋路??で、その記事なんですけど。歴史のかたち 「皇女の御輿をみる」恋路とは関係ありません(笑)。京都御所に唯一の、葵の御紋入りの品がこの輿だそうです。「大奥」見て、家茂公と和宮様のラブラブっぷりにキュンキュンしたわたしとしましては(笑)、この記事で「和宮様の棺から出てきた若い男性の写真は有栖川宮ではなく、家茂公だ!」と決め付けてくれてるのは、非常に嬉しゅうございます。史実の解明に決め付けはタブーかと思いますが、わたしは史実に近いかどうかよりも、より自分好みの説を信用する姿勢ですので(笑)。記事には、和宮様の和歌が2首載ってるんですが、嫁入り前のイヤイヤ感溢れるネガティブな歌(そりゃー婚約者と婚約解消させられて、江戸なんぞに嫁入りさせられるんだもんね…)と、家茂公が亡くなったときの健気な歌(せっかくの美しい贈り物も、あなたがいないんじゃ何の意味もない、という感じ)がすごく対照的。あと、記事の最後で勝海舟が語ってる天璋院様との仲の話も良かったです。買ったまま置いてある、『天璋院篤姫』を早く読もうと思いました。(しかしパラパラ拾い読みしたところ、篤子様が標準語だったのでちょっとションボリしました。ええ、わたし、方言フェチですから)(実は大奥’03を見たがってた理由も、菅野ちゃんの薩摩弁目当てだったり…)それにしても、家茂公はホントに人気者ですね。こないだの慶喜公の話といい。幕府の権威が失墜しかかってる大変な時期に、17歳で将軍になり21歳で亡くなったという悲運の将軍でしたが、こないだ読んだ『徳川将軍の意外なウラ事情 家康から慶喜まで、十五代の知られざるエピソード』なんて本を見てみても、唯一くらいの勢いで悪いこと書かれてなくて、その点だけは良かったなあと。よーけ積んである読みかけ本の中から、1冊読了。『獅子の棲む国』(秋山香乃/著)文芸社『歳三 往きてまた』の秋山さんです。会津藩家老・山川大蔵(浩)を主人公に、戊辰(会津)戦争~降伏~斗南移住~西南戦争を描いた小説。主人公その2は藤田五郎こと、斉藤一。相変わらず密偵業やらされてます(笑)。山川だけを主人公に描くには、西南戦争までの流れがわかりづらいため、明治6年の政変のあたりはほとんど大久保利通(と、大久保に密偵させられてる斉藤)が主人公。そーなると、どうも薩摩にも同情的になっちゃって、しかも西南戦争終結(西郷とその側近の全滅)で話が終わるものだから、イマイチ主人公に感情移入できませんでした(苦笑)。判官びいきかな?実は忠臣蔵モノ好きじゃないし(だから年末にフジでやった綱吉公のドラマは、四十七士が正義って描き方してなくて気に入った)、『歳三からの伝言』(北原亜以子/著)もイマイチ好きな話じゃなかったし、たぶんわたし“敵討ち”が苦手なんだろな。賊軍に仕立て上げられた会津藩士たちが立ち直ってくドラマとしては、広沢さま(大河で近藤さんが「様」付けしてたので)とかのほうが、好みかも知れない。広沢さまは、廃藩置県後も不毛の地・斗南に残り、洋式牧場を成功させるのです。カッコイイです。とはいえ、そこは秋山さん、そこかしこにニヤニヤできるエピソード満載でした(笑)。『獅子の棲む国』ニヤニヤポイント大鳥さんの作戦を「他所もんの力は借りたくない」と退けた佐川官兵衛、作戦当日寝坊。おい。降伏謝罪書を、中村半次郎(…読めもはん)、やっぱ史実だったの? (時間をかければおいにも読めもす。じゃが、気の毒じゃち)と、筵の上に座らされた容保親子に気を使って、読んだフリしてさっさと会見を切り上げる中村。ちょっといい奴。女ごころがわからない上に、恋する男ごころもわからない山川。↑ここでの恋する男ってのは斉藤。時尾ちゃんを他の男に紹介されそうになって大狼狽。カワイイ。斉藤に髭を褒められ(お世辞だけど)少女のような恥じらいを見せる大久保卿。カワイイ。木戸から「参議になれ」と言われ、ふるるるると首を振って「無理です~」と泣きつく伊藤。擬音がカワイイ。黒田ちょろりと登場。作者さんは箱館好きだと思うので、いい奴っぽいです黒田。会津嫌いの山田顕義に散々イビられる山川。ビジュアル的には、ポメラニアンにものすごい勢いで吠えられてる柴とか、そんな感じ(笑)。次はポメ…じゃなかった、山田市之丞(顕義)の小説読もうかな~。『五稜郭を落した男』。秋山さんのです。秋山さん、近藤モノとか沖田とか藤堂とかの小説も出してるのに、そっちには食指が動かないあたり、わたしは生粋の新選組ファンってわけじゃないんだろね(笑)。最近立て続けに会津モノ(『会津残照譜』『散華・会津藩の怨念』『獅子の棲む国』)を読んでますが、実際興味があるのは大鳥さんと箱館の仲間たちと、官軍なら薩摩です。薩摩は藩論が二転三転してるのが面白い。こないだの「組!」オフのときに、確固とした信念のあった長州と違って、薩摩は調子がいいからキライだという意見も聞きましたが、その薩摩が西南の役でやられちゃってるのは、なんか皮肉じゃなーと。長州では、今のトコ伊藤&井上あたりが気になる(微妙にマニアックな人選)。山田も長州ですが。あと、地味~に気になってるのが、唐津。これはほんのり新選組関連です。同じ理由で桑名も気になる。蝦夷地に渡るときに新選組に編入した、唐津藩士や桑名藩士が気になるらしい。京都新選組が現地や江戸で徴募した隊士らと違って、新選組に入りたくて入ったわけじゃない(笑)ってのが、興味の対象です。実質上解雇されても、主君について行くために、新選組に入るわけですよね。『開国の騎手 小笠原長行』、ちゃんと箱館転戦まで書いてるらしいけど、2,400円か~。圭介なら即買い価格なんだけど。『桑名藩戊辰戦記』も2,900円か~。圭介なら即買い価格なんだけど。あと、『新選組写真全集』って本が欲しいんだけど、絶版で、アマゾンの中古販売でもプレミアついちゃって10,000円以上する…。原価3,500円が。目次のラインナップがおいしいんだわ、新選組モノといっても、どーやら前述の途中入隊組がメインみたい。どうしよう、圭介なら許容範囲価格なんだけど(笑)。…ってか、大鳥さんはともかく、新選組ファンの友達もできないわけだよねー、これじゃ。