国宝! 現存する日本最古の医学書「医心方」
日本アロマ環境協会誌からの一部抜粋を含みます。日本最古の医学書として国宝に指定されている本書は平安時代の宮中医官・丹波康頼が中国隋・唐時代の百数十に及ぶ文献を引用してまとめあげ984年に朝廷へ献上した全30巻の医学書です。丹波康頼 著 / 槇 佐和子 翻訳医心方(巻1 A)著者:丹波康頼価格:32,400円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る 本書にある「可梨勒丸」という薬についての記述です。インドの神様・帝釈天の処方とされるこの秘薬は「一切風病の治療薬」としてカリロクの果皮に人参や大黄、桂心など13種類の生薬を合わせハチミツで練って丸薬としたものです。風病というのは神経や臓器に様々な病を引き起こす万病のことですきま風のごとく身体に邪気を送り込み頭痛、発熱、脚気、中風などを発病させるため「風は百病の長なり。その変化するにいたって万病となる」と恐れられました。その処方でのカリロクの分量は多くありませんでしたが薬の名称とされていることからこの実が珍重されていたことがわかります。またこの本には、麝香などの香料を調合した匂い袋で鬼を避ける人妖怪や毒虫、虎を遠ざける人また修行者が自らの体臭を芳しくしたり妨げとなる欲望を断ち切るなどとても興味深い方術も記されています。奈良時代体が弱かったと伝えられる聖武天皇を気遣って朝廷には様々な妙薬が集められました。天皇の崩御後は皇后によってそれらは東大寺正倉院へ納められましたが宝物目録のひとつ「種々薬帳」には異国からの植物、動物、鉱物性香薬が一巻にまとめられて記されています。仏教伝来と共に不可欠なものとして渡来した沈香、白檀、丁子、桂皮など、様々な香料は薬と同様に管理されていました。なぜなら神々が愛する香料植物には人知の及ばない不思議な力が宿っておりそれらは病を癒す生薬と考えられていたからです。やがて霊験あらたかなカリロクの実を収めた袋を御簾や柱にかけたりその形を象牙や石で模り飾ることで邪気を祓う風習が生まれました。室町時代になると美しい白緞子や白綾などで仕立てた華やかな掛け香「可梨勒」が製作されるようになっていきました。五色に染められた組紐を長く垂らした雅な掛け香は床柱や書院に飾られ、その神秘的な馥郁たる芳香を放って集う人々の心身までも浄化していきます。・・・ということらしいです。学生時代に学習したような内容もありますが個人的に平安時代から室町時代までの文化や風習などに興味があるので想像・・いえ、妄想力を刺激されますがこれって気軽に読めるお値段ではないのですね。。図書館にあるかしら?全巻揃えると新品定価で80万以上?とりあえず私はこっちかな。精油の科学は少しだけかじっているのでこういうのも気になります。【楽天ブックスならいつでも送料無料】こわくない有機化合物超入門 [ 船山信次 ]これも毒草・薬草事典著者:船山信次価格:1,028円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る