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アロマ姉さん繁盛記from南房総

アロマ姉さん繁盛記from南房総

冷える男とほてった女

夏を楽しむお客様で、南房総の宿泊施設はてんてこ舞い。
真っ赤に日焼けした肌を惜しげもなくさらけ出した女性客のコンサルテーション シートには相変わらずの
「肩、首、背中のこり」にちから強くマル。その下の 「むくみ」にもマル。さらに「手足の冷え」にもマル。
とどめに「生理痛」 この人も、この人も・・・
(エエ~、真夏ダゼ~!冷えるンだったら、ちゃんと、服、きろよ~。 靴下はけよ~。
とミュールにスリップのようなワンピースのねえちゃんたちに、心で思っても、顔でニッコリほほえみ返す。)

真夏にこれほどまでに「冷え」を自覚しているお客さんが多いとは、びっくり。
そんな方は決まって背中にアロマオイルを塗っただけで手足が真っ赤に熟したトマト色になる。
普段、血液の滞っている末端に急激に循環がおこるようです。
冬場にこんなお客様は多かったのですが、この真夏にも、手足を真っ赤にする 方がこんなに多いとは、
本当にびくっくり。 パソコン、エアコン、薄着、やせ体型、夜型、冷たい飲み物、インスタント食品。
全てがからみあっているのでしょう。
こんなお客様には、サイプレス、ジュニパー、マジョラム、ラベンダー、ゼラニウ ム、 レモン、ユズの中から
選んでいただきます。

女性の「冷え」でのもう1例は、更年期がらみのお客様。
本人の自覚は「暑いのよね~。今も汗がじわじわ出てきて。」
背中にふれさせていただくと、凍り付くような冷たさ。 そして、首から上では流れ出る汗をかいている。
冷えて固くなったの鉄板のようなかちかちの背中、腰。 冷えながらも、背中全体で汗をかいている事も。
が、本人に「冷え」の自覚は全くなし。 さらに火照って眠れない。暑がりの私を何とかして欲しい。と・・・

さらに驚く事に「冷える男」の多さ。 これも自覚している方はほとんどいない。
「腰痛が・・肩こりが・・眠れない・・・」とおっしゃる男性。
「全くなにも気になることはない。」とおっしゃる男性も 背中にそーっとふれたその瞬間にまるで
パーシャル室の温度。 冷蔵庫の野菜室ではなく・・・ かちかちの背筋。腰。首。そして足首まで
パーシャル温度。
「冷えていますね~自覚は有りますか?」の問いかけに 「ええ~まさか~、暑がりです。」の答え。

この人も、この人も、と、冷えてる男がなぜこんなに多いのか?
パソコンによる凝り方は、他のものが原因での凝りとは明らかに違う。
単に目を使う。腕を使う。それだけでは語れない独特な凝りを感じる とても時代を反映しているような。

それとならんで、あの「夏場の冷え」「男の冷え」は時代のなにを象徴している のだろうか。
アロマセラピストは 人の素肌に素手でふれる事を許された(お客様から)かなり特種な職業だと思う。
指圧マッサージは着衣やタオルをとうしてふれる。 お医者様だって、ふれる部分は限られていて、
アロマセラピストほど 体中をくまなくなで回す事は無い。
エステシャンのオイルマッサージがかなり近い。が、エステシャンが見るのは、 大切にするのは
目に見える部分がほとんど。
エステシャン時代も、個人のアロマサロンをやっていたころも対象は女性のみ。
宿泊施設でアロマを行うようになってから、「女性同伴の場合のみ」という条件で 多くの男性の
トリートメントも行うようになった。だからここ1~2年の事だが 本当に男性の「冷え」にも驚かされている。

これらは、なんのメッセージを送っているのか? これから、時代とともに人間の冷えはどう変化して行くのか。
人の素肌に触れ続ける事のできる限り、見届けてゆける、 ほんとうに特種な商売だ。
こんな些細な事を喜び、不思議がる姉さんは、天職に気づいている しあわせもんだ。
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以下、中医学を学んだアロマセラピスト仲間のまんまちゃんのまじめな話し。

★冷えについて教えて下さい。中医学や東洋医学の考えを

了解!その前にちょいと基礎講座。
西洋医学=自然と人間、心と体を切り離した二元論。
東洋理論=人間の体を構成する臓器や器官、そして心を有機的なつながり        
のある存在(自然界の一員)と考える一元論(整体論)。       
 よって症状の現れている部分だけに着目せず必ず体全体の調和        
や歪み自然界の影響などを考えに入れ診断、治療。

★ この冷えを中医学ではどう解釈するのですか?

『腎虚』の人が増えたと考えます。
「腎」=臓器の腎臓ではなく、五臓六腑理論で「先天の気」(生まれ持った体質、      
体力気力など)が宿るところ。 「虚」=不足分 つまり、腎経絡のエネルギーが乏しくなって
新陳代謝が衰えた状態で、 足腰の冷えや肩凝り、水分代謝の低下によるむくみ、便秘、
下痢、腰痛、膝痛など。
湿度の高い日本の夏、水分を過剰に取ると体の中の「湿気」も多くなりすぎて、
排出が間に合わなく体内に滞ってしまう『水毒状態』。
それが体の熱源で温められ 『湿熱』という病理反応に現れる。
四肢の末端ばかりが異常に熱を持っている、 またはその逆で血が通ってないように冷たい!
(新陳代謝異常低下)

★ また時代を反映しているかのようにも感じるのですがどう思いますか?

・不規則な食生活(24時間あらゆる食べ物が買える状態)
・慢性的な睡眠不足(パソコン、深夜まで遊べる店・・遊ぶ人・・従業員・・)
・疲労(冷房など快適に思えるが実は体には急激な温度変化など大負担!本当は  
夏は汗をかいて熱を発散すべきなのに、一日中冷房の中で育てられている  
ベビーもいるとか・・・成長後、外界から見を守るコントロールが何処まで  
出来るのか?) 不摂生な生活を送る事により気・血・水を消耗し、年寄りでもないのに視力の低下、
聴力の低下、不妊、精力の減退、鈍い動作、腰のだるさ、記憶力の減退など老化に 似た症状が現れます。
(『腎』は成長や老化にも影響力が大きい)

★ あと、火照りについても教えて下さい。

> 1.ほてって眠れない女性。
> 2.極端な冷えの方にトリートメントするとえらく火照りますよね。 普段冷え切っている手足、腰が
> この2つのほてりについてご意見きかせてください。

「ほてり・のぼせ」の原因の一つは先ほどの『腎』そして、気血のめぐりを コントロールする『肝』の機能低下
ではないでしょうか? 『肝』の機能が低下すると血のめぐりが悪くなります。 そのため、
1.の部分的なほてりや、2.のトリートメントで滞っていた血のめぐり が一気に解消されてしまった為に起こる
現象では? ストレスで生理不順になったり、更年期に現れやすいイライラ、頑固な肩凝り のぼせ、ほてり等の
不定愁訴も『肝』の機能失調と考えられます。           

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こんなもんでいいかい?? これでも、かなり大まかに述べました。
東洋医学の診断、『証』(病気のタイプ)は かなり細かくて舌診や脈診も加え、100人いたら100種類の治療方針
「同病異 治」を考えると言われてます。 今日のは、ごく一般論です。 ちょっとは役に立ったかな? 
 の“まんま先生?”でした。
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編集後記
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ミュールを脱いで下さい。バレッタをお外し下さい。アンクレットははずれますか?
こんな言葉をお客様にかけている新米アロマセラピストにびっくり。
「すごいジャン、すごい言葉知ってるジャン。」

「ええ~、常識ですよ。」

「そうなの?いつも、”頭に止めてるぱっちん”をお外し下さい。とか”腕輪ははず れますか?”って言っちゃってるけど
・・・ね、なんて言うンだっけ、サンダルの 事。」 「ミュール。」「ミュール?」「ミュール。」「ミュール?」
いまだに正しく発音で きない姉さんです。

「ねえねえ、お客様が脱いでベッドの下にそろえてあるミュールさあ、もう、どんな んだろうって自分の足を
いれてみたくって、いつもマッサージしながら気になって、 気になって。」

「ええ?そうですかあ?ぜんぜん気にならないけど。おかしな事言わないで下さい よ。」

「そうかなあ?別に欲しい訳じゃないし、くれるっていっても、いらないけど、 1度、足を入れてみたい。
そんな気持、湧かない?毎回、違うミュール見るたびに足いれてみたくって、 うずうずしながらマッサージしてるんだよ。」

「やだ~、やめてくださいよ・・・」

この他人のサンダルに足を入れてみたいのは純真な子供の心があるからか?
はたまた、たんなるおばさんの心なのか? ふと、かんがえてしまった。


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