カテゴリ:Midnight
車のタイヤが水をはじきながら走る抜ける音が聞こえる。
窓の外を見ると、静かにそぼ降る雨が夏の名残を濡らしていた。 理想の授業というのは、教師1人1人違う。 生徒が一切喋らず教師だけが延々と話し続ける授業がいいという教師もいれば、生徒はいくら喋っても構わないが課題をキチンとこなして試験で点数も取ってくれればいい授業だという教師もいる。 ある教師には理想の授業を進めていても、たまたま覗いた別教師にあの授業はダメだと言われることもある。 僕にとって理想の授業は何かと考えると、「ライブのような授業」ということになるだろうか。 大切なところの説明はキチンと聞いてくれるが、こっちが話題を振れば生徒の方からいい反応が返ってくる。また、授業中に分かりにくいところがあれば生徒が質問してくれて、その質問を発展させる形で僕は授業を膨らませていく。 生徒たちとの一体感を感じられる授業。 授業中、生徒との一体感が感じられると、体温が上昇する様な感じがして、声のトーンが少し高くなり、高揚感が体中に満ちていく。 ちょっとした「ハイ」状態になるのだ。 そんな状態になると、僕は途端に饒舌になる。 予め考えてきた授業中に話すことはあっという間にしゃべり終わり、頭の中に思いついた話題を、思いつく端からどんどん喋っていく。脳みそもハイだから、いくら喋っても話題がどんどん思いつき、泉は枯れることはない。 教師がそう言う状態だと生徒も乗ってくるのか、僕の話に茶々を入れたり、説明中に思いついた鋭い質問をぶつけてくる。そういう茶々や質問が僕を刺激し、頭の中に話したいことがどんどん溢れてくる。 こんな授業ができると、授業後は快い疲労感に包まれながら職員室に戻る。椅子に体を預けるように座ると、机の上のマグカップを取り上げ、すっかり冷めたコーヒーを一口すする。 冷めたコーヒーが火照った体に心地いい。 もっとも、こんな授業はなかなかできない。 生徒が授業を聞こうとする姿勢も必要だし、授業に参加しようという意識も必要だ。 そして一番重要なのは、そういう生徒の姿勢や意識を引き出す教師の意欲と情熱と準備だ。 僕はこういう理想の授業は一度も経験はないが、それらしきものは数回ある。 その数回に支えられて、僕は今日も図書室に籠もって資料を漁り続けている。 ******************************************************* 昨日ご紹介したmomo-mid.comには、他にも素敵な曲もmidiがあります。 今日からいくつかご紹介していこうと思います。 岩間芳樹作詩 新実徳英作曲 「聞こえる」 ちょうどこの曲が書かれたのは、旧ソビエトや東欧諸国の社会主義体制が崩壊したりイラクがクウェートに侵攻して湾岸戦争が起こった激動の時代でした。 そんな時代に生きる若い高校生に、不安の中でも一歩を踏み出す大切さを教えてくれる曲だと思います。 不安な時代は今も続いていますが、この曲は今も多くの人に歌い継がれ、歌った人たちを幸せにしています。 なお余談ですが、この曲は1991年に発表されましたが、詩人がこの詩を完成させたのはイラクがクウェートを侵攻する前だったそうです。 やがて作曲者の手によってこの曲が完成した直後に湾岸戦争が起こり、ほどなくしてあの有名な体中が油で汚れた海鳥の写真が新聞の紙面に載りました。 関係者はこの写真を見て腰が抜けるほど驚き、発表直後には一部から「湾岸戦争を予言した曲」と呼ばれたそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.08.24 02:37:51
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