定時制教員のつぶやき

高校最初の夏休みは、ちょっと特別なものなのかもしれない。

ちょっと大人になったような気がして、中学とは別の自分にならなければという気持ちになるのだろう。

髪の色が茶色くなったり、
ピアスをつけるようになったり、
服装の趣味がちょっと変わったり、
言葉遣いが変わったり。

外見は大きく変わっても、話をしてみると夏休み前の彼らと変わっていなかったりする。

ちょっと幼くて、
ちょっと短絡的で、
ちょっと甘ったれで、
ちょっと人なつっこくて。

見た目が変わったのなら、中身も成長して欲しいと思う。
中身は見た目ほど急には変われないから、こっちは長い目で見ていこう。



あの子は何か変わったのだろうか。

１学期は真面目に学校に来ていた子が、２学期になってから一度も顔を見せていない。

夏休みに何かあったのだろうか。
長い間学校から離れているうちに、学校への気持ちも離れてしまったのだろうか。

担任がその子の母親と電話で話をしようとしたが、母親は夜働いているらしく、全く掴まらない。
留守番電話にメッセージを残してもなしのつぶてらしい。

全く見えない。

彼の姿も、
彼の心も、
彼に差し伸べる手も。