カテゴリ:Night
夏の終わりをいつまでも引き摺っているかと思えば、
いきなり秋のど真ん中に放り出されたり、西からは桜の便りが届いたりする。 そんな冬以外の季節がぎゅっと詰まったこの時期でも、 青い蜜柑はゆっくりと秋の装いをまとい始める。 人間たちの戸惑いをよそに、季節はどこかで進んでいる。 ゆっくりと日は傾き、どこかから夕焼け小焼けが聞こえ始める。 生徒昇降口に立っていると、三々五々生徒が集まってくる。 徒歩でやってくる生徒、バイクで来る生徒、車で来る生徒。 生徒は僕の横を通り過ぎて学校の中に消えていく。 黙ったまま目を合わせない生徒や、だるそうにチラリと見てそのまま通り過ぎる生徒もいるが、 挨拶をしたり、今日やる内容を聞いてくる生徒、 立ち止まっていろいろと話しかけてくる生徒もいる。 やがて校門に続く樹々の影がゆっくりと広がり、辺りを包み始める頃、 ライトを点灯させたバイクや車が増えてくる。 校門の外に目を遣ると、通り抜ける車の明かりがさっと現れては消え、 その向こうには家族を照らす家々の明かりが見える。 振り返って見上げると、校舎の二階に4つ並んだ蛍光灯の明かり。 灯し頃、 定時制の「今日」が始まる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.09.29 00:40:31
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