2005/01/19(水)01:33
オシリス・参宿・鼓星
すっかり人気のなくなった坂道を一人歩く。
道路脇の街路樹はすっかり葉が落ちて、冬の初めまでは葉の陰に隠れていた街路灯が道を広く明るく照らす。
見上げると、澄んだ夜空には冬の星が瞬いていた。
街灯の明かりに慣れた目ではそれほど多くの星は見えないが、南の空にちょっと俯き加減のオリオン座。
オリオン座は時と場所によって様々な名前や形を持つ。
エジプトでは使徒復活の神オシリス。
中国では参宿。
日本では鼓星。
他に、ウミガメ、罠、石斧にしとめられたタコ、
オリオンはギリシア神話に出てくる狩人だが、ギリシアでは雄鶏の足にも見えている。
同じものであるのに、人や場所が変われば様々な姿を現す。
人も同じのようなものなのかもしれない。
僕とは違った姿を見ている人もいるのだろう。
ふと、そんなことを思った。
冬の星座がゆっくりと西に動く空の下、
僕は道を先へ進む。