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胡散臭いドイツ語講座

胡散臭いドイツ語講座


まえがき
このページでは、ガンダムシリーズに出てくるドイツ語を私の生半可な知識でごく簡単に解説しています。ちなみに私のドイツ語力はかじった程度なので、訳語が適切でない場合もあると思いますが、大目に見てやってください。あと、管理人の憶測もありますのでここに書いてあることを完全に信用しないでください。
ここにないドイツ語兵器(なんじゃそりゃ)があればお知らせ下さい。わかる範囲で調べます
Seed系はさっぱり兵器を知らないのでわからないのですが、ご要望があれば調べます。


見方はこんな感じで。

・名前(ドイツ語でのスペル:ドイツ語での発音):意味
 ひとこと。

例:ガンダム(Gundam:ガンダム):ガンダム
...例が例になってないですね。

ちなみにドイツ語での発音はだいたいです。
日本語の発音とは違う部分もあるので厳密にカタカナで再現するのは無理でしょう。


○ケンプファー(Kämpfer:ケンプファー):闘士、戦士の意
 まずはケンプファーです。確かに闘士って感じですね。kämpfen(「戦う」という意味の動詞)の語形変化で人になります。erをつけて人になるってのは英語と似てますね。

 余談ですが、旧ドイツ軍(ナチスの頃の)爆撃機(Ju87、Ju88など)は Kampfflugzeug (カンプフフルークツォイク、カムプフフルークツォイク)というらしいです。ただ、爆撃機・攻撃機については国によってカテゴライズに揺らぎがあるんで詳しいことはわかりません。

○シュツルムファウスト(Sturm Faust:シュトゥルムファウスト):
 適訳がいまいち思い浮かびません。直訳すると、嵐のようなげんこつ、急襲するこぶしです(笑)。Sturmは英語でいうStormですね。これとほぼ同じ形をした実在する兵器が"Panzerfaust"(歩兵用対戦車砲、対戦車擲弾発射器)なのでそれと同じ訳でいいのでは。まぁ無理して訳しなくてもいいか。

○リックドムIIの"II(ツヴァイ)"(zwei:ツヴァイ):英語の"two"
 そのまんまです。ちなみに"second"に当たるのは"zweit"。ただ、ドイツ語は格変化や修飾する名詞の性などで語尾が変わる(例:第二次世界大戦;der Zweite Weltkrieg)ので、使うのはオススメできません。私もうまくつかえません(笑)。

○スタークジェガンの"スターク"(stark:シュタルク):"強い"の意
 珍しく連邦のMSです。"stark"は英語の"strong"に当たる言葉です。英語にも stark という単語があり、これはスタークと発音するようですが、意味が「(死体が)硬直した」とか「殺風景な」といった意味なので、違うと思います。おそらくドイツ語の stark でしょう。

○ヤクトドーガのヤクト(Jagd:ヤークト):英語で"hunt"、狩りの意。
 有名(?)な戦車「ヤークトパンター(Jagdpanther)」のヤークトです。ヤークトパンターは駆逐戦車(Jagdpanzer)に分類されます。「駆逐する」という意味を持つことがわかります。でも駆逐艦って"hunter"ではなく"destroyer"なんですよね。ドイツ語だと"Zerstörer"です。しかし、WW2当時、ナチスドイツでは"Zerstörer"は重戦闘機(Me110(Bf110))を指したようです。

○ゲルググJの"J(イェーガー)"(Jäger:イェーガー):英語で"hunter"、狩人の意。
 ドイツ語で「狩る」という動詞!"jagen"(ヤーゲン)の変化です。変化する時にaがäになります。äをアーウムラウトといいます。aの発音はアーですが、äの発音はエーです。

また余談ですが、ナチス時の戦闘機(Bf109など)はJagdflugzeug(ヤークトフルークツォイク)といいます。狩る飛行機というわけですね。ただし、上述のKampfflugzeug、Jagdflugzeugという呼び方・分類はナチス時代のドイツに限った話らしいので、現在はどのような呼び方をするかわかりません。おそらく爆撃機であればBomberと呼んでいるのではないでしょうか。

○ドムトローペンのトローペン(toropen:トローペン):熱帯地方の意。  これもわかりやすいですね。英語の"tropic"に相当すると思います。でもドムトローペンのサンドブラウンカラーは、熱帯というより熱砂地帯(砂漠地帯)のほうが合う気がするのは私だけでしょうか?

○ノイエ・ジール(Neue Ziel:ノイエツィール):新しい目標の意。
 英語で言えば、"new goal" といったところでしょうか。まさにジオン再興のためのMAでした。

○ジーク・ジオンのジーク(Sieg:ズィーク):勝利の意。
 これもドイツ語だったんですね(おそらく)。これも第三帝国時代にジーク・ハイル(Sieg Heil:勝利万歳、勝利に幸あれ)というフレーズがあります。

○シュトゥルム・ウント・ドランク(Sturm und Drang:シュトゥルムウントドランク):疾風怒濤
キワモノガンダムシリーズ、機動武闘伝Gガンダム(私は好きですよ?)に出てくる、シュバルツ・ブルーダー駆るガンダムシュピーゲルの必殺技ですね。Sturm und Drangの和訳として有名なのは「疾風怒濤」です。このコトバは元々、18世紀後半にドイツで見られた革新的な文学運動のことです。文学に興味ないので詳しくはわかりませんが、この時代の作品としてゲーテの『若きウェルテルの悩み』などがあるそうです。って、シュバルツ・ブルーダーもガンダムシュピーゲルもドイツ語やん!

○シュバルツ・ブルーダー(Schwarz Bruder(?):シュバルツ ブルーダー)
はい、謎の覆面男です(笑)。果たしてその正体は...!? で、ちょっとネタばれを含むので、ここからは文字を反転させて読んでください。シュバルツ・ブルーダーという名前を訳しても意味ないだろって感じですが、その意味は「黒い兄弟」、"Black Brother"なんですね。つまりこっそり兄弟だと名乗っちゃってる...ドモンはきっとドイツ語できなかったのでしょう。しかもよく調べると元々シュバルツ・ブルーダーなる人物がいて、その人の肉体を借りてるというような設定だそうです。いい名前を持ってる人がいてよかったよかった(笑)。

○ガンダムシュピーゲルの"シュピーゲル"(Spiegel:シュピーゲル)
ついでにシュピーゲルも調べてみました。これも一応見えなくしときます。反転させてください。その意味は「鏡」"mirror"です。この物語でのシュバルツの位置・意味を考えるとなかなか深い意味を持っているように感じられます。こうして考えるとGガンダムっていろいろ考えてあるんですね!ただのアツイアニメではなかったのですね(笑)。ちなみにこのGガンダム、放映当時は嫌いでした(こんなのガンダムじゃない!派でした)が、今は許せるようになりました。大人になったからなのか、スーパーロボット大戦での大活躍からなのかはわかりませんが...。


オマケ(コレもドイツ語?)
○ツィマッド社(Zimmad)
最近は「ツィマット社」と書かれるようですが、私はツィマッド社と言い張ります(笑)。 ですが、ドイツ語っぽく発音するならツィマットの方が正しいです(汗)。

○ドライセン(Dreizehn?)
ドイツ語で"13"を"Dreizehn"(ドライツェーン)というんですが、どうなんでしょう? 偶然の類似ですかね? と思って調べてみたら"Dreissen"と書くみたいですね。ドイツ語っぽい書き方ですが、辞書には載ってませんでした(初級者用の辞書なので、大辞典などにはあるかも)。Dreizehnから作った造語の可能性も残ります。


あとがき
 ドイツ語が多いのはジオン公国の設定背景としてドイツ第三帝国が影響しているからでしょうか。 しかし、私はジオンの兵器体系においてはナチスドイツよりも旧日本軍の兵器群も浮かびます。とくにザク=零戦(緒戦の優位性→敵に鹵獲・研究される→老兵化)のイメージが...あとはゲルググなんかも紫電改や疾風のイメージがありますね。大戦初期と末期の兵士の練度の違いや学徒出陣もありましたし(学徒出陣に近いのはドイツにもHitlerjugendがありますね)。ただ、末期に高性能機を次々輩出できたのはドイツに近いかなぁとも思います。日本は最後まで新型エンジンの遅れに泣かされたようですし。←兵器へのイメージについて、違うぞ!!とかいって怒鳴らないでくださいね。私の勝手なイメージですので...(;^^)

 しかし、史実と架空のお話を比較してもあまり意味のないことだと思います。それは、私が、何かを創るうえで完全なオリジナルというものは存在しないと考えており、創作物はみなそれ以前に存在した何らかのモノ(史実や、先にできた創作物)に影響を受けていると考えているからです。
まぁ、でもいろいろ勘ぐるのも面白いといえば面白いですよね。この文章書いているときもいろいろ勘ぐって書いてみては、削除するという作業を繰り返しました。

 ところで、私は大学で第2外国語にドイツ語を選んだわけですが、その理由は簡単、いままで一番興味のある外国語だったからです。それは何故かって? ここまで読まれた方はもうお分かりでしょう。そう、ガンダムシリーズには数多くのドイツ語が登場するからです。また、ナチスドイツの兵器が好きだったこともそれを後押ししました。しかも私にドイツ語への興味を抱かせるのに決定打であったモノがあります。それは新世紀エヴァンゲリオンです。このアニメもまたドイツ語だらけ(例:ネルフ=Nerv:英語のnerve、ゲヒルン=Gehirn:英語のbrain)です。当時中学生だった私は英語は嫌いでしたが、ドイツ語には興味があったわけです。(まぁ、大学でドイツ語かじって、話せるようになることを挫折したことは内緒です)
 一応ドイツ語を学んだ私ですが、ガンダムに使われるドイツ語の発音が元の言語に忠実でないのは重要なことだとは思っていません。というのも、ガンダムは未来のお話です。言語は時代と共に変わり行くものであり、むしろ宇宙に進出して時を経るうちに発音が変わった...などと妄想している方が面白いのではないでしょうか。...ってことはサイド3はドイツ語圏の移民なんですかね?とまたそこから妄想が膨らみます(笑)。

以上、最後までこの胡散臭い駄文にお付き合い頂き有難うございました。

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