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第7官界彷徨

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2013.04.14
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 蔓日日草です!藪の中でも美しい。

 NHKラジオ第二、古典講読の時間は今年は「平家物語その魅力的な人物に迫る」という題で、駒沢大学教授の櫻井陽子先生です。

 最初に建礼門院徳子さま。

 彼女の思いは「灌頂巻」に詳しく書かれています。
 この巻は平家物語の最後にあって、割と読みやすい。読み易さ的には源氏物語の宇治十帖みたいな感じかな?

 作者が肩の力を抜いたのかもしれない。
 灌頂というのは頭に水をそそぐ仏教儀式の一つだそうです。

 文治元年3月24日に壇ノ浦で平家が滅亡し
 4月下旬に徳子さまは吉田の荒れ果てた無人の庵に移されます。
 そして5月1日、早くも髪をおろします。
 戒師には長楽寺の上人を頼み、お布施がないので安徳帝の直衣を渡します。

『いまはの時までも召されたりければ、その御移り香もいまだ失せず。御形見にと西国よりはるばると都まで持たせ給ひしかば、』
 安徳帝を偲ぶよすがにと絶対に手放すつもりはなかったけれど、他にお布施にするようなものが見当たらなかったし、安徳帝の菩提ためになるかもしれないと思われたのです。

 長楽寺の上人は、これを受け取りその御衣を幡にして仏前に懸けられたとのことです。

 徳子さまは29歳、仏門に入っても嘆きの尽きることはありません。迷いつつの読経です。

 7月9日、大地震が京を襲い、吉田の庵も壊れてしまいます。
 人目を避けて長月の末に、信隆、隆房の北の方になっている妹たちのはからいで、小原山の奥の寂光院に移られます。
 
*岩根ふみ誰かは問はん楢の葉のそよぐは鹿の渡るなりけり

 の、読経の日々。

 文治2年卯月二十日過ぎ、後白河法皇が思い立って小原を訪問なさいます。
 壇ノ浦で亡くなった人たちの一周忌に少し遅れた頃でした。

 初夏の草の生い茂るなか、上皇がたずねると、女院は花摘みに行って留守でした。
 仏間の様子、居間の様子を見つつ待っていると、女院の御制らしい歌が目に留まります

*思ひきや深山の奥にすまひして雲居の月を余所に見んとは

『傍らを御覧あるに、御寝所と覚しくて、嶽の御竿に麻の御衣、紙の衾なんど懸けられたり。
 法皇御涙を流させたまへば、供奉の公卿殿上人も、皆袖をぞ絞られける。
 ややあって、上の山より濃き墨染めの衣着たりける尼二人。
 法皇あれは如何なる者ぞと仰せければ、』

 女院と先帝の御乳母、大納言の典侍の局なのでした。
 
 気づいた女院は消え失せたい思いで、立ち尽くすのでした。

 女院は上皇に、都を出てからの辛い日々を語ります。

 生きながら六道を経巡った日々。
 もはやこれまでという壇ノ浦で、母の二位の尼から、生きて平家一門の後生を弔ってくれるように言われたこと。

 平家の人々を失って身柄を移送されているとき、明石の浦という所でまどろんでいると、昔の内裏よりも立派なところに帝や一門の人々が並んでいて、ここはどこですか、と問えば二位の尼が「竜宮城というところです。後生をよくよく弔ってください」という夢を見、その後はいよいよ経をよみ、菩提を弔っているけれど、一人残された孤独、生き残ってしまったという罪の思いにさいなまれていることなど。
 
 夕陽が西に傾いた頃、名残は尽きないままに上皇はお帰りになります。
 女院は思いもかけぬ自分の心に気づき歌を詠みます。

*此の頃はいつ習ひてか我が心 大宮人の恋しかるらん
 
 迷い、執着、煩悩から逃れられない、昔の栄華を恋しく思う自分にあきれはてている女院の素直な心。
 今が辛い、過去の栄華が懐かしいという、弱い心をさらけ出しつつも、息子の後生をひたすら願う一人の母になったのです。
 過酷な状況の今になって、やっと母になれたのかもしれない徳子さまなのでした。

 そうして弔いの日々を過ごした徳子さまは、
 建久二年二月の中旬に、西に紫雲たなびき、天上より楽の音の聞こえるなか、一門の人々の待つ天国に旅立ったのでした。
 






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最終更新日  2013.04.14 21:30:18
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