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第7官界彷徨

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2019.06.18
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カテゴリ:読書日記
『こゝに六十の露消えがたに及びて、さらに末葉のやどりを結べることあり。いはゞ狩人のひとよの宿をつくり、老いたるかひこのまゆをいとなむがごとし。これを中ごろのすみかになずらふれば、また百分が一にだもおよばず。とかくいふ程に、よはひは年々にかたぶき、すみかはをりをりにせばし。その家のありさまよのつねにも似ず、廣さはわづかに方丈、高さは七尺が内なり。所をおもひ定めざるがゆゑに、地をしめて造らず。土居をくみ、うちおほひをふきて、つぎめごとにかけがねをかけたり。もし心にかなはぬことあらば、やすく外へうつさむがためなり。そのあらため造るとき、いくばくのわづらひかある。積むところわづかに二輌なり。車の力をむくゆるほかは、更に他の用途いらず。いま日野山の奧にあとをかくして後、南にかりの日がくしをさし出して、竹のすのこを敷き、その西に閼伽棚を作り、うちには西の垣に添へて、阿彌陀の畫像を安置したてまつりて、落日をうけて、眉間のひかりとす。かの帳のとびらに、普賢ならびに不動の像をかけたり。北の障子の上に、ちひさき棚をかまへて、黒き皮籠三四合を置く。すなはち和歌、管絃、往生要集ごときの抄物を入れたり。傍にこと、琵琶、おのおの一張をたつ。いはゆるをりごと、つき琵琶これなり。東にそへて、わらびのほどろを敷き、つかなみを敷きて夜の床とす。東の垣に窓をあけて、こゝにふづくゑを出せり。枕の方にすびつあり。』

 生きにくい世の中のいろいろな食い違いに過ぎた三十年。不運な人生だと悟り出家して大原の里に五年ほど過ごした。
その頃の彼の様子が源家長が日記に書いていると、ドナルド・キーンさんが百代の過客に書いているので引用。
『日記には鴨長明のことを書いたところがあるが、これも感動的である。長明はやせさらばえ、この上なく衰弱して見えたので、家長は、しばらくそれが誰だか分からなかった。と彼は書いている。余程長明は苦しんだのであろう。とくに賀茂神社の禰宜に任命されそこなったことへの失望が大きかったのにちがいない。しかし最後まで、長明は「いささか仏道修行の妨げとなる」とは思いながらも、歌を捨てることはできなかったという。』

 六十近くなって日野に方丈庵を作る。以前からよりも小さな家に落ちた卑小さを隠者の住まいとして誇り高く書き上げる。以前住んでいた大きな家も、次に住んだ家も、この方丈に至るためのプロセスとも思えてくる。
 その記述は細かく、読者の想像をふくらませる。(つづく)





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最終更新日  2019.06.18 11:35:49
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