ちょっと大人の梨山烏龍茶
2008年も、あっという間に大晦日。人並みの?師走に奔走していた、あるきちです。某アメリカ系航空会社からは、早くも新年のご挨拶メールが届きました((((((^^;いやー、それにしても今年はいろいろありました(^^;)10年に一度の大きな節目の年だったと思います。細木先生によれば?来年からは良い年回りだそうなので、新境地を開くべく、さらに精進したいと思います。↑そんな理由かwさて、今年最後にご紹介するのは、先日、台湾で買ってきた梨山茶。梨山烏龍茶・華崗(臻味茶苑)梨山と言っても、これまた結構産地がいろいろあります。福寿山農場、武陵農場などの元国営の退役軍人の農場だったところや最高地点として知られる大禹嶺は、特に有名ではないかと。台湾の中央山脈を横切って走る中部横貫公路。この真ん中へんに梨山という村があります(訪問記。地図←航空写真にするとどれだけ山の中か分かると思います)。梨山茶と言った場合、梨山村の近辺で作られているお茶、ぐらいの意味合いです。ですので、梨山烏龍茶と言っても、標高1800m前後(たまに1600mぐらいで梨山を名乗るのもあります)から大禹嶺の2600mぐらいまであり、幅広いわけです。地名で言うと、梨山村のある台中縣和平郷が中心ですが、最近は山を越えて南投縣仁愛郷あたりにまで産地が広がっています。土壌が新しいところの方が力があるということで、産地が広がってきたわけです。このお茶は、梨山の村から福寿山農場へ上がっていって、山の尾根を越えたところにある、華崗という場所のお茶。地図で確認する限りでは標高2400~2600mの間ぐらいでしょうか。産地はそのくらいにして、このお茶、製法に特徴があります。伝統的な烏龍茶に近い、発酵度を高めているお茶なのです。台湾でも最近あまり出回らないタイプ(濃香)のお茶です。清香のお茶の方が、香りは軽く舌触りも滑らかです。ただ、青っぽさを感じることもあります。一方、濃香の方は、発酵を高めている分、ちょっと舌にザラッとした感じや苦み・渋みなどを感じやすいので、取っつきにくさがあります。しかし、発酵から生まれた香りは、まさに”濃”香。果物のような甘い香りが出てきます。サラサラと飲める感じを重視するなら清香、飲み応え感を重視すると濃香のお茶なのですが、濃香は発酵に時間を要する分、手間がかかります。さらに、清香の方がマーケットの好みに合う(=売れる)ということで、農家でも濃香を最初から作る人は少ないそうです。お茶は商品作物ですから、経済原則的に必然の結果です。しかし、呂先生はこういうお茶が大好き。そこで、農家に特別に注文して作ってもらうのだとか。#私、そういうのを喜んで買うもんだから、日本人には珍しいヤツだと言われるわけです(^^;)。あ、ちなみに呂先生、年明けに来日されます。水色は、最近の高山茶とは思えない色です。香りは、強めの焙煎がかかっていることもあり、ちょっと香ばしい感じ。しかし、その奥から来る甘い香りは、重発酵のなせる技。飲んでいただいた方の中には、「石鹸のような香りがする」と表現された方もいます。一煎目を口に含んでみると、舌にドンッと味が乗っかってきます。焙煎のちょっと香ばしい感じと、心地よい程度の渋みと苦みがあります。この辺を心地よいと感じるか、そうでないかが、きっと評価の分かれるところです。ただ、喉に落ちてからの香りの戻りは清香系の烏龍茶とはまた違った個性があります。香りの甘さがかなり強いです。そして、煎を重ねていくと、このお茶の真価が現れてきます。焙煎の香りが抜け、当初に感じていた渋みや苦みも柔らかくなってきて、このお茶の本来持っている甘さと香りの豊かさが強調されてきます。旨味がギュッと詰め込まれた甘い茶水になってきて、しかも飲めば飲むほど、香りが蓄積されていきます。これは旨い!最初はちょっと取っつきにくさがありますが、時間をかけておつきあいすると良さが分かってくるお茶です。そういう意味では、このお茶、ちょっと大人の梨山烏龍茶かもしれません(^^) 本年もご愛読、コメントをたくさんいただきまして、ありがとうございましたm(_ _)m来年もマニアックだけど分かりやすい?を心がけ、更新していきたいと思います。どうぞ良いお年をお迎え下さい。今年も茶縁に感謝♪