中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

2007/10/05(金)00:59

台湾秋茶づくり旅行(6)-室内萎凋と揺青開始

旅行(348)

さて、室内に入ってからですが、香りを見ながら4回の攪拌(かくはん)作業 = 揺青 があります。 何といっても、烏龍茶作りはここが一番難しい! どのタイミングで攪拌をするべきなのかを見極めることと、そのたびごとに力加減を考えないといけないので、なかなか大変なのです。 まず、攪拌に入るタイミングは「香りの変化が止まった時」なのですが、これが口で言うほど簡単ではないのです。 というのも、茶葉は生き物。香りが常に変化しているのでとても厄介。 香りが一旦止まった、と思っても、しばらくするとまた香りが戻ってきたりします。 そうなると、また香りが落ち着くまで待たなければいけません。 生き物らしく、波があるんですね。 しかし、だからと言って、あまりに待ちすぎると茶葉から水分がどんどん逃げていってしまいます。水分が無くなるとカラカラに乾燥してしまい、茶葉は死んでしまいます。 それは困ります。 ・・・と、この揺青の作業では、かなりのギリギリのせめぎ合いを行わなければいけません。 しかし、これで味も香りも決まってしまう一番大事なポイントですから、気を抜けません。 さらに力加減ですが、最初の2回の攪拌と3回目、4回目の攪拌はそれぞれ目的が違うので、力加減も違うのです。 よかれと思って、優しくしすぎると、茶葉が上手く発酵してくれず、 緑茶? というような、茶葉になってしまいます。 しかし、だからといって発酵を強くしようと、力を入れすぎてしまうと、雑味が出ます。 難しい。。。(-_-;) そんなタイミングとパワーコントロールの要求される作業ですが、さらに追い打ちをかけるのが、そのかかる時間の長さ。これが体力、集中力を奪うのです。 特に、東方美人の場合は、ここでかかる時間がとにかく長い! なにしろ、私たちの最後の攪拌作業が終了したのは、深夜1時です。。。 #実は、これは待ちすぎだったのですが。     さて、まずは第1回目。 室内に取り込んでから、1時間ちょっとしたところで行います。 #あるきちは、風水のせいで1時間半遅れなので、まずは見学から(苦笑) まず、7枚のざるに入っている茶葉を4枚に集約します。 そして、それぞれのざるに乗っている茶葉をまとめ、軽く持ち上げて、指の腹を振動させながら5~6回揺すります。 こうして、揺すっていると、再び、青い香りが戻ってきます。 そうしたら、1回目は終了。 また茶葉を均一に平べったく戻して、しばらく置いておきます(静置)。 そして、こまめに香りをチェック。 攪拌して15分ぐらいすると、青い香りがかなり強く出ます。 そう、1回目と2回目は、茶葉の持っている青さを抜くためにやっているようなものなのです。 これがしばらく待っていると、ふわりとした良い香りに変わってきます。 その香りがふわふわと強くなったり弱くなったり、香りのトーンが変わったり。 変化をしていきます。これはなかなか面白い(^^) しばらく、興味深く観察していましたが、まだちょっと時間がかかりそうなので、近くの茶畑を散策。     茶畑でいろいろな品種の茶葉を見せてもらいます。 青心大有と金萱の茶葉の違いなどを見てお勉強。 そんな中で見つけたのが、「東方美人といえば・・・」の、こちら。 え、よく分からない?(^^;) もう少しアップにしてみましょう。 ちょうど真ん中の葉っぱの上に乗っている、小さな物体です。 そう、ウンカです♪ この虫が、茎のあたりから茶樹の液を吸うことで、新芽の成長が止まり、その茶葉で東方美人を作ると全然違うトーンの香り、甘さを持ったお茶が出来るのです。 ウンカは、茶樹の近くの植木の陰で休んでいたらしく、植木を揺すると、ぴょんぴょん跳ねて茶樹に降りてきたのでした。 夕方で光量が足りなかったことと、レンズが必殺100mmマクロではなく暗い高倍率ズームだったことが大変悔やまれる写真ですが、なんとかウンカを写真におさめることができました。 これはラッキー     さて、作業場に戻って、私も遅ればせながら、1回目の攪拌作業に入ります。 みなさんに遅れること、約1時間です。 しかし、ここで一番最後に室内に取り込んだことが、功を奏します。 入り口近くの風通しのよいポジションを確保した、あるきち。 その分、乾燥するスピードが他の方よりも速いらしく、香りの変化も速く進みます。 奥の方に入った方は、香りの変化が緩やかで苦労されていました。 そう、実は、室内に場を移したら、 風水大逆転 が起こってしまっていたのです。 #しかし、この事実が理論としてきちんと分かるのは、終わってからのことだったのですが(苦笑) ただ、風水的に恵まれたとは言っても、現時点の茶葉の状態が万全ではありません。 スタートの日光萎凋が今ひとつだったため、茶師の先生の奥の手もあまり効かず、あるきちの茶葉は青いままです。烏龍茶とは思えないような、色がちっとも変わっていない(=全然発酵してない)茶葉がかなり残っています。 しかし、室内での発酵のプロセスを一通り茶師の先生にレクチャーしてもらって、あるきち、覚悟を決めました。きちんとした発酵度に上げるためには、室内での発酵を念入りにやるしかないのです。 話によると、最初はやさしく、ゆっくり揺するのですが、徐々に発酵度を調整して高めていくのだそうで、回を追う毎に発酵を促進するよう、長めに揺するのだとか。 特に、最終回となる4回目の揺青は、ずっと茶葉を揺すり続け、「大変体力が要る」とのことでした。 ここで勝負を賭けることにしました。 疲れてもいいから、他の人より長く揺すって、発酵度を調整しちゃおう この作戦しかありません。 名付けて、 終わりよければ全て良し。 結果オーライ大作戦。 うーん、実にあるきちらしい、いつもの行動パターンのような作戦です((((((^^; #私は学校の夏休みの宿題は、8月29日から始める人でした(爆) さて、そう覚悟を決めて、1回目の攪拌から約1時間。 香りがピタリと落ち着きました。 2回目の攪拌の頃合いです。 1回目で大分青みが抜けているので、今度は少し長めに揺すります。 といっても、10回に満たないぐらいの揺すり方。 少し青っぽい香りが広がります。 そして、少し置いておくと、その香りがさらに強くなったようです。 再び、香りが落ち着くまで静置です。 さて、時計を見ると午後7時になろうとしています。 もう、夕食の時間です。 長い長い室内での作業は、まだまだ続きます。 続く。 お茶作りには、性格があらわれる?

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