2008/09/18(木)23:13
茶壺になった美女
普段から圧倒的に蓋碗派の私。
あまり茶壺に興味を示さないのですが、1つだけ、フラフラッとしてしまう形の茶壺があります。
それがこれ。
西施壺
明代後期の宜興の作家・恵孟臣が作り始めた型と言われています。
ころんと丸い形に、ちょこんと付いている口。
愛嬌があると思いません?
・・・ええ、私、この姿にやられて2つ持ってます(^^;)
どちらも、台湾の高山烏龍茶用です。
2つある中でも、お気に入りは、断然黒い方♪
ちょっと大きいので、あまり家では活躍しないのですが。
やっぱり西施壺でも作りの出来映えに差があって、これは前から見ても、なかなかの美形なんです。
ははは、私もただの茶壺ふぇちですね((((((^^;
この茶壺、その名の通り、中国四大美女の1人・西施の名前に由来しています。
中国の春秋時代。
”臥薪嘗胆”の言葉でも知られる、越王句践と呉王夫差の戦い。
一度は、夫差に敗れ、呉の属国として振る舞いながらも”胆を嘗めて”復讐を誓い続けた句践。
復讐策の一環として、夫差のもとへ送り込まれたのが、越の中の選りすぐりの美女・西施。
その美しさは、川に住む魚までが泳ぐのを忘れるということで、沈魚美人と称されるほどだったとか。
この策は大当たり。
”薪に臥し”一度は越を追い詰めた夫差も、西施の美貌にすっかり溺れ、呉の国力は弱体化。
満を持した越軍に攻め込まれ、夫差は自決。
呉は滅亡してしまいます。
優秀な君主をも惑わした、傾国の美女・西施。
そんな美女の名前がついた、この茶壺。
やっぱり何か魔力がありそうです。