2009/10/29(木)02:06
中国茶は難しいか(6)
そろそろ、まとめたいと思います。
まず、結論から。
”お茶を自分でTPOに合わせて選ぶ”というレベルを目指すのであれば、
堅苦しい勉強は必要ない
と思います。
楽しみながら飲んでいれば、十分到達できるのではないかと。
もちろんコツはあります。
先に挙げた注意点を踏まえると、以下のようなことになります。
1.焦らず段階を踏んでクリアしていきましょう
中国茶は多彩なので、一気にやるとパンクします。
自分の覚えられるペースで進めていった方が良いと思います。
その際に、何をどこまで勉強したらよいかは、中国茶の全体像を知っている人に聞いた方が良いでしょう。
手探りではなく、地図を持っている人に聞いた方がいい。
というのは、一度に勉強する範囲が、あまりに狭すぎてもいけませんし、広すぎてもいけないのです。
そして、学ぶことが深すぎてもいけませんし、浅すぎてもいけない。
具体的に言うと、一番最初にあまりに細かく、たとえば品種とか季節による味の違い、なんてところまで手を出すと、まず混乱します。
そのお茶は、どんな味・香りなのかと、上手に淹れるための方法を覚えるぐらいで、割り切る。
最初はそこまででいい。
まずは、ほどほどのレベルで中国茶の世界を一周することが先決です。
一周してから、また深いところへ進んで行く。
”らせん階段”のようにぐるぐる回りながら、徐々に知識を深めていくことが、コツだと思います。
そうすると、なぜか不思議と分かるようになるものです。
2.ベーシックな茶器を持ちましょう
中国茶は茶器の選択も多彩なのが魅力ではあるのですが、最初のうちは”1つの茶器を使い倒す”ことをお勧めします。
1つの茶器に集中すると、扱いが早く上手になり、お茶を淹れるのが楽しくなるからです。
万能さで行くと個人的には磁器の蓋碗が最強だと思うのですが、別に磁器の茶壺でも、茶漉し付きマグカップでもガラスコップでも構いません。
3.素性のハッキリしたお茶を飲みましょう
これ、とても重要です。
きちんと情報の揃っているお茶を飲んだ方が、役に立ちます。
というのも、そのお茶の品質が良い理由・悪い理由(あるいは値段が高い理由・安い理由)というのは、お茶の出自によって決まっているからです。
出自を分かった上で、味や香りがどう違うのかを、自分の中で整理しておく。
できれば、同じお茶の種類(たとえば鉄観音)でも、良いものと悪いもの、あるいはタイプの違うもの(清香と濃香など)を飲んでおくと、自分の中でものさしができますから、次に同じお茶を買うときに役に立ちます。
値段だけではなく、自分の好みを知るという点でも有効なのです。
4.色々なお茶を飲みましょう
1つのお店のお茶だけを飲んでいても良いですが、どうしても偏ります。
時には、違うお店のお茶を飲んでみたり、タイプの違うものを飲んでおくと、新しい発見があったりします。
それに関連して、自分で全部買うのは大変なので、どこかでやっているイベントやお茶会、講習会に参加するのも有効な手段だと思います。
お茶は何人かで飲んだ方が、ぐっとリーズナブルに良いお茶をたくさん飲めるのです。
人の感想やコメントを聞くのも、実に勉強になります。
5.楽しく飲みましょう
私、基本的にお茶は、堅苦しく勉強しながら飲むものではない、と思っています。
やっぱり楽しく飲むのが一番です。
気分転換に、あるいは日常にアクセントを加えるものとして、そこにあればいい、と思います。
お茶は一期一会とか書きましたけど、神聖視しすぎるのも良くありません。
お茶は飲んでも、飲まれるな
ぐらいの気持ちがないと、長く続かないと思います。
また、続けていると、人間やはり飽きが来ます。
そういうときには他の人とお茶を飲むことだと思います。
お茶好きの熱気は”伝染”するので、熱っぽい方がいると、だんだんテンションが戻ってきたりします(^^;)
実は、この内容は、私が
最初に教えておいて欲しかった...orz
と思ったことです((((((^^;
1については、要領が全然分からなかったので、ものすごい回り道をしました。
2は、「お茶の種類によって茶壺を替えろ」を素直に実践し、無駄に使わない茶器の山を築きました。。。
3については、「特売の妙に安いお茶(それもお茶の専門ではない人が仕入れている)を買っても、全く何にもならない」とつくづく反省しました。
4は途中で気づいて、講習会に通ったりするようになりましたが、それでも不十分だと感じたのでイベントを立ち上げましたw
5は、特に最近感じることです。やっぱりお茶好きの熱気は、伝染します。みんなでお茶を飲むのは大事なんですよ、やっぱり。
上記のようなことを満たすためには、中国茶教室に通うのも有力な手段の1つだと思います。
良い教室だったら、ある程度の条件が揃っていたりします。
#ただ、先生のレベル差はあると思います。全てに強い人はなかなかいないので。
まあ、それをせずとも、ある程度は自学自習できるものだと思います。
具体的にどうやるかは、追々少しずつ書いていきたいと思います。
とりあえず、入門編の前置きはここで一段落とします。
おしまい。
当たり前のことほど、意外に教えてもらえません