中国茶・台湾茶と旅行 あるきちのお茶・旅行日記(旧館)

2010/01/31(日)12:19

中国茶の資格について考える(4)-中国国家資格の取得法について

中国茶入門編(10)

<中国の国家資格の取得法> 国家労働資格の取得にあたっては、中国国内にいくつかの認定機関があり、それらの機関が実際の教育と試験を請け負っています。 基本的な取得の流れは、これらの機関で開催する養成講座を受講し、修了後に行われる認定試験に合格する必要があります。 合格点は、学科・実技ともに60点以上です。 この養成講座への参加方法ですが、2つあります。 <方法1・現地機関に直接申し込む> 1つは、現地の機関に直接申し込んで受講する方法があります。 当然、中国国内での開催で、かつ中国語オンリーの授業です。 大人数(1クラス40名とか50名)での授業になりますが、低廉な料金で参加できますし、言葉に問題がなければ、地元の茶農家や茶館従業員とのネットワークも作れます。 中国語がネイティブ並みで、かつお茶に関する専門用語がバッチリな方であれば、検討に値すると思います。 <方法2・日本の中国茶団体主催の取得ツアー・講習会に申し込む> もう1つは、現地の教育機関と連携している日本国内の団体が主催する取得ツアーに参加する方法です。 一般の方は、これがメインの取得法になると思います。 ツアーの名の通り現地に行くパターンもありますし、中国から先生がやってきて、日本国内で開催されるケースもあります(ただし、国内で取得できるのは、今のところ初級・中級までです)。 この方法ですと、日本人限定クラスになります。 講師は中国の先生ですが、通訳がつき日本語で授業が受けられます。 筆記試験や実技試験でも同様の配慮がなされますので、言葉の面での心配はほとんど無いでしょう。 #ただし、通訳のレベルは団体によってマチマチですので、不安な方は確認した方が良いでしょう。なにぶんにも専門用語が飛び交いますので、お茶のことが分かっている人ではないと、適切な翻訳ができません(分からない部分は訳さない、という対応を取られることがあります)。 このように言葉のハードルは全く無いのですが、ネックは費用と時間の負担です。 元々、日本人クラスは少人数での開講になりますので、1人あたりの費用負担が重いのです。 さらに、現地へ行く場合は、講座の受講費にプラスして、航空券と宿泊費、および滞在中の費用を余計に見なければいけません。 開催の時期やホテルのグレード、催行人数にもよりますが、大体15万円~25万円ぐらいかかります。 ・・・結構な投資ですね(^^;) 日本で開催される場合でも、来日講師の旅費負担、通訳の費用負担もありますので、ほぼ同じような金額になってしまいます。 そして、拘束期間は大体1週間。 平日も含まれますので、この日程確保が勤め人には厳しいハードルです。 ですが、中身を見ると、この日程でも結構ギリギリ。 半日かけて現地に移動し、翌日から4日間は朝から晩までカンヅメで勉強。 最後の日の午前中に試験を受けて、午後の便で帰ってくる、というような強行スケジュールです。 授業内容もハイレベルで、ついていくのに精一杯。 観光に行っている時間もありません・・・(--;) 帰国後、大体1ヶ月~2ヶ月ぐらいで、結果とともに証書が届きます。 これで晴れて、国家資格の取得者になるという流れです。 証書には、卒業試験の点数がバッチリ明記されています。 理論と実技が両方90点以上だと優秀、80点以上だと まあ、よっぽどのことがない限り、不合格にはならないようですが。 * * * * * * 日本で茶芸師あるいは評茶員講座を主催している主な機関をご紹介しますと、 日本中国茶芸師協会 日本中国茶協会 華泰茶荘 日本中国茶普及協会 といったところでしょうか。 それぞれ現地側の受け入れ機関が違ったり、先生の人選や通訳を誰が担当するかなど、色々差があります。 また、当日いきなり本番突入になるのか、その前に予習のためのテキストなり講座があるのか、という差もありますし、費用や時間の使い方も考え方が違います。 ここに名前を挙げた団体であれば、ある程度実績を積んでいますので、大きく外すことはないだろうと思うのですが、きちんと内容を確認して申し込まれることをオススメします。 ちなみに、私は華泰茶荘のプログラムに参加して、中級、高級評茶員を取得しています。 なお、国家資格受験にあたっては、本来は実務経験が必要です。 日本人の場合は、その部分を日本側の機関が推薦状を発行することでクリアするという運用になっていますので、高級以上の資格を目指される方は、日本側機関に事前に相談しておくと良いと思います。 #当たり前ですが、どんな人か分からずに推薦状を書くわけには行きませんからね。 <国家資格取得はトクか?> ここまで見てきたように、中国の国家資格は”特定分野のスペシャリストを養成するため”のものです。 茶芸や茶葉の鑑定などを特に学びたいと思われるのであれば、コンパクトにまとまっていますし、大変ためになると思います。 一方で、”中国茶の全体像を知りたい”というニーズには、あまり向いていないと思います。 茶芸師や評茶員のプログラムでは、中国茶の一部分の知識しか得られないからです。 このような目的であれば、むしろ日本の民間資格の方が向いていると思います。 発行元の信用度という面ではピカイチの茶芸師・評茶員資格なのですが、決して万能ではないのです。 そして、能力認定と言いつつも、資格取得者の実力には随分ばらつきがあります。 何しろ1週間の講座ですから、本当の実力は、その後の本人の努力次第なのです。 ですので、”国家資格保有者”という肩書きを過信するのは禁物です。 あくまで”勉強したことの証明”と捉えるべきでしょう。 #時々、ビックリすることがあるんですよ(^^;) あまりに色々ありすぎる民間資格に関しては、また次回から書いていきます。 続く。 要は使いようですね

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