「歩きつなぎの旅」の記録

2012/12/13(木)15:17

【中東の旅 45日目】

(完結)学生時代の中東の旅(51)

19XX年03月06日(水) Rawalpindi 駅。長時間の旅に備え、売店で英語版「TIME」を買う。20 PKR(約310円)。08:00 列車が出発する。座席は指定されている。Karachi 到着は、明日 12:30 の予定。 相席になったのは、警察官たち。ベレー帽姿の彼らを、Pakistan 国内様々な場所で見掛けてきた。彼らは一様に体格がよく、長くて硬そうな木の棒を持ち、いかめしい、時に高圧的・威圧的な振る舞いをする。こちらとしては、あまりいい印象を持っていない。日本の「おまわりさん」とは、かなり存在感が違う。 係わり合いを持たないほうが身のためだと考え、「TIME」を開いて目を会わさないようにする。・・・・・が、デカデカと「TIME」の表紙を飾っているのは、当時の Pakistan 大統領「ジア・ウル・ハク」の写真。トップ記事も、大統領に関する内容だ。 彼らのうちのひとりが表紙の写真に気付いたらしく、「ちょっと見せてくれ」と言うので「TIME」を渡す。彼は仲間たちと、写真や記事を指差しながら笑っている。その表情には、時おり嘲りの様子がうかがえる。 どこの国でも権力者は、好意的に見てもらえる存在ではないようだ。しかし、考えようによっては、警察官が公の場で権力者に批判的な態度を取れるのも、それなりに民主的な国だから、と言えるのかも知れない。 座席の上が、荷物を置くスペースになっている。乗客は1~2時間交替でそこへ上がり、横になって休む。それが暗黙のルールらしい。「今度はお前の番だ」、相席の警察官が言う。写真を1枚撮らせてもらい、荷物置き場へ上がり横になる。

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